- Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151200960
作品紹介・あらすじ
世界文学の最前線を行くカナダ人作家の傑作長篇が初の文庫化! ハメット賞&英国最高峰ブッカー賞に輝いた現代文学の金字塔!
感想・レビュー・書評
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難解だ。
文字通り、難解だ。
450ページ分のメインディッシュを食べ続けているよう。
流石に胃もたれしてしまいそう。
多分今はこの気分ではなかったのだろう……
下巻へはしばらく休憩してからにしよう。 -
アトウッドの代表作。色んな書評やらで見かけて、いつかは読みたいと思ってた作品を、文庫化にあたって入手。あと、ノーベル文学賞授賞かも、っていうタイミングもあって。でもそれは逃したけど。メタフィクションの体を取っているけど、それぞれが章立てで区別されていたり、登場人物もそこまで多くなかったりするから、前半を読み終えた印象として、難解度はそれほど高くない。自分の理解度が低いから、単純にこれ以上だとついていけない、っていう話だけど。最初に提示された、妹の死にまつわる謎を解き明かすのが本題だとは思っているんだけど、この超大作の果てに、どんな結末が待っているのか、期待大。
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入れ子構造になった複雑な物語。
・人生の終盤を迎えたアイリスの現在と回想。
・車ごと橋から落ちて、若くして亡くなったアイリスの妹、ローラが、生涯に1作だけ書いた小説『昏き目の暗殺者』
・その小説自体も、人目を忍んで逢瀬を重ねる男女の逢い引きのなかで、男の口から、とある惑星を舞台にした物語(それこそが『昏き目の暗殺者』)が語られていく。
……とまあ、自分の頭の中を整理するために書いてみた。
ちょっと長くて、どれもこれも謎ばかりなので、わくわくというよりは少し読み疲れる感じもあるのだけど、それでも下巻は読むつもり。あと、老いに対する容赦ないぶった切り方など、どきっとするところも多くて、この呵責のなさってアトウッドの特色なのかなと思ったり。(2、3冊読んだくらいでえらそうなこと言うな) -
2020/10/30購入
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1945年、ローラという25才の女性が車で橋の上から落下して死亡する。彼女の姉アイリスは亡き妹の書いた小説の原稿をみつけ出版。その小説のタイトルは『昏き目の暗殺者』。小説の内容はどうやら不倫している男女の逢引きと、その際に作家とおぼしき男のほうが語る小説内小説。異次元の惑星ザイクロン、滅亡した都、そこで暮らしていた貴族たちと奴隷、搾取され盲目にされた子供たちは暗殺者となる。この、小説内小説内小説に登場する盲目の暗殺者=本書の原題である「THE BLIND ASSASSIN」。
大変複雑な構成で、死んだローラが書いた小説「昏き目の暗殺者」の内容、アイリスの身辺で亡くなった親族の死亡記事、すでに老いたアイリスの生活と、果てしなくくどくどしい彼女の回想が複雑に絡み合って、少しづつ何が起こったのか解き明かされていく。なぜローラは自殺(?)したのか、彼女の小説の中の不倫カップルのモデルは誰なのか、夫リチャード、娘エイミーと次々亡くなり孫娘とは音信不通のアイリスが、なぜ今になってこのような回想と手記をしたためはじめたのか。
まだ上巻だけれど、とにかくアイリスの過去回想部分が長すぎて冗漫。年月を表現するのにある程度の長さは必要だとは思うけれど、それにしてもクドすぎる。絶対に必要なエピソードだけ残して半分くらいに削れるんじゃないかと思ってしまった。まあ最終的にこの長さも納得のカタルシスが結末にあることを期待したいけれど、やっとここまでで半分かと思うとちょっとげんなり。
ポート・タイコンデローガで釦工場を起こし成功したチェイス家、母を早くに亡くしたアイリスとローラの姉妹は乳母のリーニーに育てられるが、変わり者の妹ローラにアイリスは振り回される日々、そしてアイリスの父の代で大恐慌がきて工場経営は破綻し、お嬢様から一転、家計は苦しくなる一方、、最終的にローラは18才で、ライバル会社のリチャード・グリフェン35才と政略結婚をすることになる。しかも意地悪な小姑(年上の義妹ウィニフレッド)つき。
アイリスの半生は同情するべき部分もあるけれど、当人の愚かさがもたらした自業自得(と言うと身も蓋もないけれど)感もあって、そんなにぐちぐち言われてもなあ…と思ってしまう。父親の工場に火をつけた男アレックス・トーマスを姉妹で匿うのも、なんというか、姉妹揃って男を見る目がないのね、としか・・・。ローラは大変エキセントリックなタイプで本人も生き辛いだろうが周囲もしんどそう。今のところ登場人物誰も好きになれなくてとても疲れる。
いかにもツボぉ~って感じがして(^^ゞ
いかにもツボぉ~って感じがして(^^ゞ