- Amazon.co.jp ・本 (447ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151300059
作品紹介・あらすじ
走行中の豪華列車"ブルー・トレイン"内で起きた陰惨な強盗殺人。警察は被害者の別居中の夫を逮捕した。必死に弁明する夫だが、妻の客室に入るところを目撃されているのだ。だが、偶然同じ列車に乗り合わせたことから、事件の調査を依頼されたポアロが示した犯人は意外な人物だった!新訳でおくる初期の意欲作。
感想・レビュー・書評
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ドラマでの結末を思い出さないよう読む。クリスティーの得意な人間関係の描写にはまる。いわくある宝石、お金持ちの父その娘と離婚間近の婿や愛人、遺産相続人となった気立の良い女性、豪華列車などバラバラのピースが最後きっちりはまりお見事。
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クリスティー強化ウィーク中♪今回は、ポアロもののこちらの作品。
冒頭の<火の心臓>と呼ばれる超高価ルビーを巡るエピソードから、そのルビーを手に入れたアメリカの大富豪と、その娘夫婦の離婚問題。そして場面が変わってセント・メアリ・ミード村(!)で暮らす、キャサリンが思わぬ遺産を相続するという話が続き、これらの登場人物達がどのように絡んでくるのか・・・今回なかなかポアロが登場しないなぁ、と思いつつ読み進めました。
豪華列車<ブルー・トレイン>内で、キャサリンとポアロが出会い(やっと登場)、“ポアロいるところに事件あり”的な感じで、列車内で例のルビーを手に入れた大富豪の娘が殺されてしまいます。そして件のルビーも消えていて・・。
真相解明に乗り出すポアロ。そしてキャサリンを巡るロマンスも並行して話は展開します。
登場人物達それぞれの事情(大概は“欲”)が絡み合い、事態は混沌としていくのですが、終盤で一気に真相が明らかになっていきます。
犯人に関しては「え!」と声を出してしまったほど意外で、もう見事に騙されました。
キャサリンが幸せになれるかどうか、ちょいと心配ですが、個人的にはレノックスに幸せになってほしいですね。-
あやごぜさん、クリスティー強化ウィーク♪
お忙しいと言いながらびっくりするほど強化されてますね‼︎
私も見習ってポアロとトミー&タペンス読み...あやごぜさん、クリスティー強化ウィーク♪
お忙しいと言いながらびっくりするほど強化されてますね‼︎
私も見習ってポアロとトミー&タペンス読みたいです。2021/07/04 -
111108さん♪
ありがとうございます。そうなんですよ。
本を借りた直後はバタバタしていまして、“調子に乗って数冊借りてきたはいいけど...111108さん♪
ありがとうございます。そうなんですよ。
本を借りた直後はバタバタしていまして、“調子に乗って数冊借りてきたはいいけど、全部読めるかなぁ”と思っていたのですが、「茶色の服の男」を読み始め頃には私用が落ち着きまして、おかげ様で“強化”真っ最中です(^^♪
>ポアロとトミー&タペンス読みたいです
↑↑
おお♪是非是非“強化”しちゃって下さい(^^)2021/07/05
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本作にはクリスティー作品でおなじみのポアロが登場します。
物語は非常に高価なルビーを持った令嬢の殺害事件で幕を開けます。序盤から怪しい人物が目白押しで、登場人物それぞれの視点の切り替えが頻繁に起こるので、私は最初、人間関係の把握にとまどいました。しかし、読み進めるうちにキャラクターの人となりが分かってくると、一気にのめりこむことに。というのも、舞台となる豪華列車、W不倫の果てに離婚の泥沼、高価な宝石など、今作はストーリーを盛り上げる舞台装置がひとつひとつ際立っているから。
さらに、ガジェットだけでなく、登場人物たちを結びつけるような面白いネタも満載です。例えば主要人物の一人キャサリン・グレイ。表面的な役割で終わるかと思いきや、ストーリーの根底に彼女の恋愛の自立が描かれていたりもします。事件をめぐる登場人物たちの群像劇としても楽しめ、どのキャラクターも一本筋の通った役割が用意されているのは圧巻でした。 -
ポアロシリーズは、ミステリーとラブロマンスを同時進行で読んでいるような気分にさせられるから不思議。
魅力的な人物とドラマティックな展開、そして意外な犯人。
この組み合わせは専売特許と言ってもいい。
もはや殺人事件そっちのけで、この世界観を楽しんでいるところさえある。 -
ポアロのシリーズで列車が舞台のって、オリエント急行だけだと思ってました!
うーん、やっぱり今回も推理が外れた笑
でも、自分の推理と違うからこそ面白いと感じます♪
宝石には色んな逸話があるものなのですね。
手に入れただけで身を滅ぼすのは、なんというか嫌だなぁ -
ポアロシリーズ5作目。
青列車の秘密、、、
ブルートレインの秘密の方がカッコイイと思うんだけど(笑)
タイトルはさておき、個人的にはとても楽しめました!
列車内で起こる殺人事件。
ある大富豪の娘が、寝台列車ブルートレインの中で殺害され、
高価な宝石<火の心臓>が盗まれる。
車中には、偶然乗り合わせた別居中の夫、
莫大な遺産を相続する事になった田舎娘、そして探偵ポアロ。
今回もやっぱり男性陣はヘタレです。イケメンなのにヘタレ!
これはもうクリスティー作品においてはデフォルトなんでしょうかね(笑)
ポアロとキャサリン・グレーの、
適度な距離感のある友情が、読んでいて心地良かったです。 -
どちらかと言えばあまり好みじゃない方のクリスティ作品。でも、さすがクリスティと思わせるような部分がないわけではない。
なぜ好みじゃないかというと、犯人に魅力を感じないから。クリスティ作品は魅力的な犯人が登場するものが多い。登場人物の心理描写も巧いので、そういう作品は本当に引き込まれる。けれど、その犯人に魅力を感じないとなると・・・。残念!
気になる人物があちらこちらに出没。
まずは骨董商・パポポラス。どうやらこの事件の17年前にポワロに事件を解決してもらったことがあるらしい。短編にでもあるのかな? でもこのミステリの中で犯人をばらしてしまっているから作品にはなっていないのかも・・・と思いつつ、クリスティは過去の作品のネタばらしを結構やっちゃうので、もしかしたらこれもそのひとつかもしれない。
あとは被害者の父であるアメリカ人の大富豪、ヴァン・オールディンが情報屋として使うゴービー。相手の方を全く見ずに語る彼・・・。ポワロもよく使う情報屋もゴービーという名ではなかっただろうか。
そして、青列車(ブルー・トレイン)の車掌の名がピエール・ミッシェル。これはねぇ、かの有名な「オリエント急行殺人事件」に同じ名前の車掌(だっけ?)が登場しているのだ。車掌の名というのはこういうものだというのがあるのかしら?
さて、ミステリ自体はというと。トリックと呼べるほどのものはないかな。2時間サスペンスに良くあるような「時刻表トリック」のような感じだろうか。ミステリ色より冒険色の方が強いかもしれない。ポワロが珍しく動き回る。そうして少しずつ小さな事実を積み上げて事件を解決へと導く。その過程は面白い。ポワロが語る言葉は、どんなものであれ無駄なモノはない。これは他の作品にも言えることだけれど。今回はそれを強く感じた。
ポワロが事件の関係者に協力を求める場合、2つの可能性がある。その人物のことを本当に信頼していて事件解決に役立つと思っている場合と、逆に犯人だと怪しんでいる場合。この作品では青列車の乗客で殺される直前の被害者と話をしたという女性、キャサリン・グレーにポワロは協力を依頼。さて、ポワロの意図はどちらか・・・。それは読んでからのお楽しみ、ということで。
このクリスティ文庫は2004年に新訳で出版された。ところどころポワロの語り口調に違和感を覚える箇所がある。例えば執事であるジョージに向ける言葉。私の中のポワロはジョージに対しても丁寧に語りかける。けれど、この作品の中のポワロは少々品性に欠けるように思えるのだ。ポワロらしからぬ口調・・・。これが結構引っかかる。
さて、どんでん返しというか、犯人の意外さでは他の作品に引けをとらないミステリ。DVDでは少々人物描写が薄くなっているけれど、逆に愉しめるかもしれない。