- Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151300677
作品紹介・あらすじ
街中で知り合い、親しくなってゆく金持ちのオールドミスと青年レナード。ある夜そのオールドミスが撲殺された。状況証拠は容疑者の青年に不利なものばかり。金が目当てだとすれば動機も充分。しかも、彼を救えるはずの妻が、あろうことか夫の犯行を裏付ける証言を…展開の見事さと驚愕の結末。法廷劇の代表作。
感想・レビュー・書評
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森絵都さんの短編「ラストシーン」で登場する作品。本作品へのオマージュと思われるタイトルの話はいくつか読んだことがある筈だが、本家本元の本作品は文句無しに面白い。
話が3回反転するうち二回転目が一番鮮やかで、そこで終わっても良いところ、もう一回ひっくり返してみせる、というのがさすが女王クリスティ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ある青年が、知り合いになった金持ち女性の殺人容疑で裁判にかけられる。本人は一貫して無罪を主張するが、彼のアリバイを証言するはずの妻は思いがけない行動に出る。
映画化もされたクリスティの戯曲で、冒頭では舞台配置が細かく指示されている。戯曲は読みなれていないのでとっつきにくいかと思ったが、あっという間にクリスティの世界観にはまってしまった。
小説ではないので細かな描写がないが、その分コンパクトになりテンポよく話が進む。いったいどうやって話をまとめるのだろう、と思いきや、最後は二転三転のどんでん返しで、衝撃のうちに舞台は突然幕引きとなる。
この話の原形が短編集にもおさめられていて、結末は戯曲と異なるようだ。私はNHKBSで土曜日に放送されているクリスティ原作のドラマを小説と並行して見ているが、ドラマは戯曲と結末が異なっていたので、短編の結末をベースに作られたのかもしれない。
個人的には戯曲の結末の方がクリスティらしいと思うが、短編と読み比べてみたい。また、舞台でも観てみたい作品である。 -
ラストにひっくり返りまくるミステリ。
傑作です。
戯曲テイスト、はじめて読んだけど、すっと読めたよかったです。 -
別の本で紹介されていたので、前情報なく読んでみました。戯曲であることに驚き、ストーリーにも驚き 笑
ただ、やはりエンターテイメントである一方、シェイクスピアを読んだ時の重みはあまり…
今度は小説にも挑戦します -
☆4.3
クリスティ読了2冊目。図書館にて読了。
今回もやられたー!最後の数ページで二度騙されました。
こんなに少ない登場人物なのに、最後まで誰が誰を騙そうとしているのか確信がもてないなんて…
クリスティの頭の中を覗いてみたくなりました。 -
たった200と数ページのとてもシンプルで余計なものは一切ない設定のなかで
ここまできれいにまとめるのはさすがクリスティ。
キャラクターの心理描写で読者を騙す手腕を心得まくってる。
意外と単純、あれ、これわかっちゃうかも?と思わせながら
ラスト数ページで見事にひっくり返すのだ。
あっさりしすぎるくらいやけど一瞬で読めて、コロっと騙されたい人におすすめね。 -
まず一言。めちゃくちゃ読みやすい。それでいてストーリーが秀逸。どんでん返しあり。短い文量でかなりの満足感が得られた。
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驚愕の結末…という事で、犯人を想像しながら読んだら「なるほど」と。さすがミステリーの女王と唸りました。惜しむらくは、本を読む前に舞台が見たかった!
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初めて戯曲を読み、普通の小説とは少し違った感覚を覚え、とても楽しむ事ができた。ページ数が少ないので、あっという間に読破してしまうかと思っていたが、セリフや動作を一つ一つ思い描きながら読んでいると、ゆっくり楽しめた上に、ストーリー展開が絶妙な速さで、存分に堪能出来たと思う。
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ゾッとして微笑ましくなる、恋愛ミステリ
【読みやすさ】10
【衝撃】9
【推し度】8
【引き込まれ度】10
【イヤミス】10 -
親しくなったお金持ちのオールドミスと青年・レナード。そのオールドミスが殺され、レナードは逮捕される。動機も状況証拠も十分。しかも妻までもが犯行を裏付ける証言を。圧倒的不利な裁判と真実が行きつく先とは。
法廷劇が読みたいと思って中を見ずに手に取ったら読んでびっくり!初めての戯曲。いわゆる演劇の台本みたいな作品になっている。これが想像よりも読みやすく、法廷劇の応酬はスピード感があっていい。頭の中で舞台や役者の声を想像しながら読む体験は新鮮で楽しかった。
二転三転する法廷劇からの怒涛のラストシーン。荒れ狂っていた波が静まりかえるような余韻が素晴らしい。ただ、文章で読むとあっさり読めてしまって、これはやっぱり舞台で見たいなと思わずにはいられない。それにしても、場面も文章量も限定されている中で、ミステリ要素をしっかりと詰め込んで完成させているのはさすが。人の善悪・愛憎が裏返る瞬間の緊張感に酔える一冊。 -
まったく予想出来なかった。面白かった
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古い映画が好きです。
で、以前から1957年に制作された
ビリー・ワイルダー監督作品
〝情婦〟を観たいと思っていました。
けれど、いまはDVDも手に入らず、
これまで観る機会がありませんでした。
なので仕方なく
映画の原作である本書を読みました。
本書は戯曲で、
逆転劇の後に、さらなるどんでん返しのある法廷劇です。
舞台の初演は1953年で、
その後、ドラマ化、映画化されたようですね。
舞台の演者を想像しながら読むと、
なお一層面白さが増しますよ。
べそかきアルルカンの詩的日常
http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a
べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
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