- Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151300882
感想・レビュー・書評
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クリスティーにしては珍しい(と思われる)スパイ小説で、こんな作品もあったんだとよんでちょっとびっくり。
正直、本作のミステリー部分はそこまででも無いと感じたが、作品全般から感じられるバグダッドを始めとする中東の雰囲気や文化などはとても良かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1951年発表のノンシリーズ作品。初期の作品『茶色の服の男』と味付けは似ているが、よりスパイもののスパイスが利いているのと、米ソの対立という時代背景が題材に含まれているのが特徴。もちろん、本格的はなスパイものとはスリリングさでは比較できないし、ミステリとしてもサプライズの大きさだけで言えば傑出するものはないが、クリスティならではの安定感、安心感が心地いい。
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2004年発行、早川書房のクリスティー文庫。解説は北原尚彦(作家)。国際スパイもの。スパイものは設定がちょっと納得いかないものが多いような気がする。そこを感じないようにすれば、前半に意外な伏線も張ってあるし、後半の主人公の手に汗を握る一種の活劇も面白いのだが。
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スパイスリラーということで
だめかな?と思ったけど、なかなか面白かった。
まあトミー&タペンスと同じ系統だしな。
今回違うのは基本的にペアじゃないこと。
やたら活動的で、自分で切り開くのね。 -
内容(「BOOK」データベースより)
おしゃべり好きが災いして会社を馘になったヴィクトリアは、一目惚れした美青年を追いかけて一路バグダッドへ。やっとのことで彼の勤め先を探しあて、タイピストとして潜り込んだものの、とたんに不可解な事件に巻き込まれてしまった。さらに犯人の魔手は彼女にものびて…中東を舞台に展開するスパイ・スリラー。
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ストーリーもさることながら、この作品は
特に中東、バグダッドの往時の雰囲気、
その熱、その生活を味わうのに最適。
特に欧州人の目線で書かれているので、その当時の
いわゆる優越感を持った上から目線で書かれているので
まるで旅行に来た特権階級のような優雅な雰囲気が味わえます♡
そして、スパイ・スリラーってことで、ちょっとした冒険も体験出来ます。
って書くと、なんとなくミステリーツアーへようこそ!みたいですね(笑。
でも、クリスティのスパイスリラーではいつも、
「切羽詰まった命の危険」を感じない、
ただの冒険小説みたいなものが多いので、
私は逆に安心感を持って読めますけどね~。
にしても、主人公ヴィクトリアの冒険心は旺盛すぎるでしょ(笑
いくら現実に煮詰まってるからって、ちょっと話しただけの人を追いかけて海外へ、しかも危険な中東へ無一文で行くなんて。
あまりにお気楽過ぎて現実感ない(´・ω・`)
それとも昔の上流階級はそんなことものともしないのかしら?
(ヴィクトリアは中級ぽいけど)
まったく、好奇心は猫をも殺す、
お気楽お嬢さんの冒険心は世界を救う!?
...なわけありませんから(苦笑。
なんだかんだ言いましたが、アガサのこの作品はやはり、時代を先取りしてるかも!とも思いましたよ。
だって、初めは素敵な王子様だった男が実は...なーんて、
まさに「アナ雪」の世界じゃないですか~。
まぁ、だまされるのもやっぱりお気楽お嬢様という共通点もあったりして(笑。
それにしても、リアルに冷戦下だった当時の状況で、
こんな作品を書いて無事だったのかしら、と
そっちの方にハラハラしちゃいます。
今ならともかく、当時は、ねぇ...
クリスティの勇気と、実体験を余すところなく教えてくれる寛容さと、優雅ささえを感じさせる文章力を、たくさん感じてください! -
たくさん登場人物が出てきて、たくさんの場面設定があり、最初は理解するのが大変だったけど、それらが後半に交錯し始めるとおもしろかった。
舞台がバグダッドで、異国情緒漂う表現がかなりあり、まるで自分が旅行をしているかのように楽しめたのもよかった。
夢物語のような展開が繰り広げられるので、現実味がないが、まぁ現実ではないのでいいでしょう。
最後はハッピーエンドだからよかった♪ -
/?day=20071112
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持っているのはハヤカワミステリ文庫版ですが、画像がないのでこちらを登録。
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クリスティの中東シリーズの一作。推理小説というよりスパイものです。いろいろとはらはらさせる場面があったりして、悪くはない作品でした。ただ、最初のほうが少し内容が理解できず、だらけがちかもしれませんが、まあそれはそんなに気にはならないと思います。