別役実 (1) 壊れた風景/象 (ハヤカワ演劇文庫 10)

著者 :
  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151400100

作品紹介・あらすじ

食べ物からパラソルに蓄音器まで用意された素敵なピクニックの場に通りがかった他人同士。不在の主に遠慮していたはずが、ついひとつまみから大宴会へ。無責任な集団心理を衝いて笑いを誘う快作「壊れた風景」。背中に残る被爆痕を人目に晒すことでしか自己の存在を確認できない男と、それを嫌悪する男。深い孤独と不安に耐え、静かな生活を守りぬこうとする人間の姿を鮮烈に描き、演劇界に衝撃を与えた初期代表作「象」。

感想・レビュー・書評

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  • 自分が見たい不条理劇が見れた気がした。

  • 「象」は大好きな別役実さんの作品の中でも一番好きな作品です。
    不条理の中に見えてくる登場人物の感情に心を打たれました。
    何度読んでも病人の台詞に泣けてきてしまいます。

  • [要旨]
    食べ物からパラソルに蓄音器まで用意された素敵なピクニックの場に通りがかった他人同士。不在の主に遠慮していたはずが、ついひとつまみから大宴会へ。無責任な集団心理を衝いて笑いを誘う快作「壊れた風景」。背中に残る被爆痕を人目に晒すことでしか自己の存在を確認できない男と、それを嫌悪する男。深い孤独と不安に耐え、静かな生活を守りぬこうとする人間の姿を鮮烈に描き、演劇界に衝撃を与えた初期代表作「象」。
    [目録情報]
    無責任な集団心理を衝き笑いを誘う快作「壊れた風景」。孤独と不安に耐え、静かな生活を守りぬこうとする人間の姿を描き演劇界に衝撃を与えた初期代表作「象」。解説/大場建治。(演劇・映画図書総目録より)

  • 書いてあることを追いかけて、考えて、感じて読んでいたはずなのに、それらに追いつかない感情が起った、象。
    壊れた風景は、もう舞台で観たい。超観たい。

  • シュール。

  • 素人の自分がおこがましいかも知れないが、氏の才能の片鱗に触れたような気がした。

  • 不条理劇の戯曲。「壊れた風景」読んだら砂漠の中に取り残されたような読後感だった。うーん、わかろうとするからいけないんだな、多分。

  • 戯曲台本のようなもの。
    舞台「象」の記念に購入。
    本で読んでも何だか微妙に難しかったが、舞台よりは分かりやすいかな。
    読んでから舞台見た方が分かるかも。

  • 舞台を見て、その日に劇場の受付で購入。
    演出がちょっと重かったので(あくまでも私的にではあるが…)
    文字からもう一度受け止めたかった。
    内容的には、やっぱり重いし、切ない。
    でも、月とか魚とか、散文的なもので、多少緩和されている気がした。
    どうしても舞台と重なってしまうのだけれど、出だしの散文が
    吾郎さんの優しい声とマッチしていて、よかった。
    文章で読んでから舞台を見たら、また印象が変わっていただろうか。

    別役さん。友人曰く「ファンキーなおじいちゃん」らしい。

  • 『壊れた風景』
    全部が曖昧で、イライラした!
    イライラさせるためにわざと曖昧にしてるんだろうね、やるな。

    女2 
    何故私たちが弁償しなければいけないの?
    男3 
    だからさ、だから、それはあれじゃないか・・・。しょうがないよ・・・ね。
    女2 
    私たちは、なんにもあれしてないんですよ。
    男3 
    いや、だから、みんなでさ。みんなで少しずつ、あれすればいいじゃないか、ね、弁償すれば・・・。
    女1 
    だってそれは・・・。(皆に)ねえ、みんなで、あれでしょう?当然ですよ、だって、みんなであれしたんですから・・・。
    男2 
    それはもう・・・それはあれですよ・・・そうなんですから。(男1に)ねえ・・・。

    「あれ」の多さに苦笑ですわ。こういう作風好きです。

    人間の集団心理って、人の人格を変える。
    個人と集団じゃ、もうベツモノで。
    人は自分が「ベツモノ」になってるってことを分かりながらも、居心地のいい「集団」に浸かりきる。
    この舞台でわざと曖昧な言葉を使うのも、個人が周りとの境界を失くそうとし、より自分を集団に溶け込ませるため、のような気がしました。

    『象』
    背中の被爆跡を人目に晒すことで自己の存在を確認している男。
    と、その甥。
    これはちょっとよく分からなかったな。
    他人(他人の目、他人の評価、他人からみた客観的な自分)によって自己を認識するということは、誰もがやってることだとは思う。
    もし、他人に自分を認識させるための手段が被爆跡しかなかったら・・・
    どうしよう。

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著者プロフィール

1937年、旧満州生まれ。早稲田大学政治経済学部中退。東京土建一般労組書記を経て、1967年、劇作家になる。岸田國士戯曲賞、紀伊國屋演劇賞、鶴屋南北戯曲賞、朝日賞など受賞多数。2020年3月3日逝去。

「2024年 『増補版 言葉への戦術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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