催眠〈上〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 早川書房
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本棚登録 : 468
感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・本 (463ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151788512

感想・レビュー・書評

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  • 長い、むちゃくちゃ長い。日本のミステリーは重要なところだけ詳細に描写するから、ああ、ここら辺があとでカギになるわけねー、とおもうのだが、・・・・この本、やたらと描写が多くて、ミステリー独特の話の構造とかが見えなくなるほど書き込みが深い。まるで細密画を虫眼鏡で見ているような錯覚に陥る。
    で、面白いのか・・・面白いとおもう。たぶん。全く知識のない催眠術を使った精神科の治療を軸に、心を病んだ人たち、家族殺しや近親相姦など、現代社会の闇の部分が盛りだくさんになっていて、長くなるのも無理ないな・・・と思う。
    不勉強かもしれないが、病名などにも少し説明が欲しかった。
    映画化されたそうだが、狙って書いているな、と思われた。

  • スウェーデン製ミステリー
    最後まで飽きずに読める。
    ただ、たくさんのトピックスが出てくるが、それぞれが分断され、伏線にもなっていないようなので、こんなに必要だったのかな、とは思う。
    最初の子供の話が尻すぼみ過ぎる。もっと広げてほしかった。

  • ストーリーが、盛大に、変わる。(ダークナイトライジング風)

    いやもうこれしか言えないんですけど。面白くないわけじゃないんですけど(婉曲的表現だが本音)いかんせんストーリーが、盛大に以下略。
    ストックホルム郊外で起きた一家惨殺事件を解決するため、かろうじて一命を取り留めた15歳の長男に催眠療法をかけるよう依頼する警部。しかしその医師は、とある過去から二度と催眠術は使わないと誓いを立てていた……という、タイトルにふさわしい「おっ!」と期待させる設定で始まる物語。なの、だが。

    まず、主人公として設定されているヨーナ・リンナ警部。「いつも正しい」彼はなかなかキャラクターとしては魅力的ではあるのだが、いやお前主人公じゃないだろどう考えても今回の主人公(&がんばったで賞)は医者だろ?というツッコミを入れてしまった。というか警部が主人公だったとは知らなんだ……うん。本作は彼を主人公とした連作の第一弾になるらしい、と聞いてみればまだ納得もできるのだけど。リンナ警部が関わった事件シリーズ、みたいな感じになりつつ、警部の過去も明かされていくのかなーと。

    でも正直ごめんなさい、いい台詞として設定されてるだろうあなたの決め台詞がちょっとイラッとします。おかげであなたにもいまいち感情移入?できませんでした。ごめん警部。

    とにかく盛りだくさんな内容であることは間違いないのだが、途中でほったらかしにされるネタもあり、やや消化不良気味。最初の事件から最後の事件へと至る中で、どうにも順々につながっていく爽快感というか、満足度というか、それが生まれにくい。ひとつの事件だけじっくりやれよ!というわけではない。次々と起こる事件や出来事をうまく描いた緊迫したストーリー!という風にはどうも読みにくい、というだけだ。かあさん、置いてけぼりになったあの伏線、どこへいったのでしょうね。

    デビュー作とはいえ、実は作者は匿名作家でまったくの素人というわけではない。それだけに、何だか勝手に期待しすぎてしまったのかな……という反省です。面白いんだけど、あと一歩。何かが。うーむ。

    スウェーデン発の作品なら「ミレニアム」読もうぜ!という感じかな。何だかちょっと惜しい。勝手だけど。

  • ちょっと浦沢直樹の『MONSTER』っぽいと思ったけど…。
    謎解きにぐいぐい引き込むというより、登場人物の人生も描かれるので、気持ちがあっちいったりこっちいったり…。

  • (欲しい!/文庫)

  • ストックホルムの郊外で、夫婦と幼い娘がメッタ刺しにされ殺された。生き残ったのは、一命を取り留めた15歳の長男と独立して家にいなかった長女のみ。命を狙われる恐れのある長女を護るため、リンナ警部は催眠療法で知られるバルク医師に協力を要請する。重傷を負った長男の口から語られる犯人とは・・・


    やはり訳されている物は読みづらい。くどくどと続く説明を読み飛ばせば、そこが伏線だったりするので侮れない。
    惨殺事件の犯人は早々に語られ、その後医師の息子が誘拐されてしまうのだが、その後の両親の言動がなんだかなぁ。今のところあまり催眠は関わってないようだが・・(下)に続く。

  • 読了。

  • 長編の小説ですが、夢中になってあっという間に 読んでしまいました。最初のほうは、時間軸が捕らえ難く、また、登場人物が多いことで読むスピードがあがりませんでしたが、今なのか回想なのかが解って、人物像が明確になると、先が気になって一気に読み進めることになりました。
    ストックホルム郊外で起きた一家惨殺事件。一命を取り留めた少年の証言を得るために催眠が使われたことから物語はスタートする。催眠療法を封印した主人公(エリック)と味のある刑事(ヨーナ)が、エリックの息子の誘拐事件を通じて、少年の正体を暴きだす。2つの事件は両方とも少年の犯行と思われたが…。
    どんどん引き込まれて行き、気づいたら登場人物と一緒に「何か見落としが無いか?」とその場面に意識を集中しています。それだけに描写が細かく、現場の様子や登場人物の心理状態までが事細かに描かれています。下巻ではどうなるのか?期待が高まったまま読み終えました。

  • 上巻なので引用なし。

    先生から借りた本をさくさく読んでしまおうシリーズ。
    なんと上巻しかないのよね・・・。
    と読み始めたら思いの外夢中。
    翻訳がお上手なのかしら。
    するすると読めてしまうし、一体どんな方向性に行くのか気になります!

    何よりも人間の奥底に眠る無意識下にある悪意。
    一体これが本物なのかどうなのか。
    まだまだこの時点では分からないところがたくさんあるので、
    下は図書館で借りてきましょう!!
    どんな展開になるのか楽しみです。

    【9/8読了・初読・先生の本】

  • 独特な読み口と主人公があまり活躍しない刑事物。でも面白かったです。

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著者プロフィール

ラーシュ・ケプレル
アレクサンドラ・コエーリョ・アンドリルとアレクサンデル・アンドリルの作家夫婦が共作するときのペンネーム。国際的なベストセラーとなったヨーナ・リンナシリーズは、40以上の言語に翻訳され、1500万部以上も売れている。アンドリル夫妻は、ラーシュ・ケプレルのペンネームで執筆する以前も、それぞれが単独で書いた作品が出版され高い評価を受けている。3人の娘とスウェーデンのストックホルムに在住。

〈扶桑社ミステリーのラーシュ・ケプレル作品〉
『砂男』上下
『つけ狙う者』上下
『ウサギ狩り人』上下
『墓から蘇った男』上下

「2023年 『鏡の男 (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ラーシュ・ケプレルの作品

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