ミステリ・オペラ: 宿命城殺人事件 (ハヤカワ・ミステリワールド)

著者 :
  • 早川書房
3.24
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本棚登録 : 178
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (682ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152083449

感想・レビュー・書評

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  • や、やっと読み終わった…。
    どうにも、入り込めなかったなあ。謎があるのかないのか…読み終えても、だから何?という感想だった。作中でくどいほどに出てきた、探偵小説でしか語れないこともある、ということで、満州や南京でかつて日本がこんなに酷いことをした、と告発したいんだろうか?

  • ヒラヒラとイリュージョン。

  • ●厚いそして重い。肩と腰に大ダメージ発生。その割りには・・・な小説。てっきり「幻想(ファンタジー)を多分に含んだ歴史ミステリ」ジャンルだと言う構えで読んでいたら、失敗しました。私が。

    ●ひとつ目のマイナスは、関東軍や満映を扱ってるわりに、その辺の登場人物が「らしくない」こと。残念なことに、書き割りの登場人物以上には見えませんでした。次に「音楽」。
    この物語にはモーツァルトのオペラ『魔笛』が重要な役割を果たします。
    音楽と文章は全く異なるものです。音楽を文章であらわすことも、文章で音楽をあらわすことも、本来、不可能なことなのです。
    それでも、『死の泉』しかり、高野史緒の『ムジカ・マキーナ』『カント・アンジェリコ』しかり、行間から音楽が聞こえてくるような小説も一部には存在し得るのです。
    音楽をモチーフとして扱う以上、この小説にもそれを目指して欲しかった。
    この小説は、歌詞や台本に見られる言葉やストーリーを重要な素材として扱ってはいますが、音楽そのものへの執着がほとんど感じられません。
    確かに、ポイントとなるのはストーリーであって音楽ではないのですが、それでも、もう少し音楽への愛情を見せて欲しかったと感じます。ないものねだりだとは思いますが。

    ●・・・そんなこんなで私めは、この小説がミステリから逸脱しているのかしてないのか、「幻想」に落ち着くのか「現実」に着地するのか、いろいろ疑いながら、読み通したわけでございます。
    なんか作者の思うツボってカンジもしますが。
    そして、たぶん作者がいちばん言いたかったと思われる探偵論だか何だかは、所詮ミステリファンではない私には届かずに終わったのでした(笑)
    お話自体に酔えなかったからなあ。しょうがないでしょ。
    逆に言えば、これはちゃんとした推理小説ファンが読んだら面白いんでしょうね。ですよね??

著者プロフィール

1950年生まれ。74年『神狩り』でデビュー。『地球・精神分析記録』『宝石泥棒』などで星雲賞、『最後の敵』で日本SF大賞、『ミステリ・オペラ』で本格ミステリ大賞、日本推理作家協会賞を受賞。SF、本格ミステリ、時代小説など、多ジャンルで活躍。

「2023年 『山田正紀・超絶ミステリコレクション#7 神曲法廷』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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