SYNC

  • 早川書房
3.64
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感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (468ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152086266

作品紹介・あらすじ

複雑きわまりない現実を巧みにモデル化する非線形科学の第一人者が、「同期」をめぐる驚くべき科学上の成果を、絶妙な比喩を駆使して物語る、必読のポピュラー・サイエンス。

感想・レビュー・書評

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  • 同期現象に関する本。いろんなところに数学が働いていることが分かって痛快。蔵本モデルの蔵本氏による監訳。

  • 2011/12月
    同期現象の不思議さ、面白さ。
    蔵本由紀絡みで。

  • 2310円購入2011-01-25

  • 蛍の同時発光や睡眠の周期、月と地球の自転の関係、超伝導など、驚くほど多様な現象のなかにある同期現象について、最新の非線形科学の研究成果を踏まえて、分かりやすく説明してくれる入門書。そして、この本には、面白い事例がたくさん紹介されているだけでなく、さまざまな研究者のエピソードが紹介されていて、著者の人間への愛情あふれる眼差しがなんとも優しい気持ちにしてくれる。

    これまでの科学は要素還元的に世界を分解して理解しようとしてきたし、その数学的な手法は線形的であった。が、世界には線形ではできていない。線形とは物事を単純化するための接近法でしかなく、世界は非線形なのだ。が、非線形の方程式は解を見出すのが極めて難しいことが知られる。にもかかわらず、無秩序のなかから自発的に生じてしまう同期現象という秩序の不思議。

    しかしながら、この本を読んでも、結局、「どうして同期現象が様々に生じるのか」という疑問は解決されることはない。それは、複雑系の本を読んでも、自己組織化のメカニズムが分からないのと同じである。だけど、それはまだまだ人間がこの世界について、知らないことが沢山あるということ。そして、世界は不思議な出来事がたくさんあるということ。英語のwoderful(すばらしい)は、wonder-full(不思議が一杯)なんだ、と脈絡無く、ふと思った。

  • おそらく文系頭の私でも何とか面白く読み切らせたのはすごい。同期を数式で解くことよりも科学者の生態で読ませているのは戦略として正しい。なんだかんだいって私も含めて人の生態が一番面白い。

  • (書きかけ)
    示唆に富む内容。
    同期という目線で物理学から社会科学まで幅広く物事を見渡せている。

    内容
    第1章 ホタルはなぜいっせいに光るのか
    第2章 脳波と同期現象の条件
    第3章 睡眠と日々の同期現象
    第4章 同期する宇宙
    第5章 量子のコーラス
    第6章 橋
    第7章 同期するカオス
    第8章 三次元における同期
    第9章 「スモールワールド」ネットワーク
    第10章 人と同期

  • カオス、複雑系、同期現象の世界について、
    その道の専門家であるS.ストロガッツが
    非常に分かりやすく、知的好奇心を刺激するかたちに
    まとめてくれている読み物。

    ガリレオの時代からアインシュタインに至るまでの
    要素還元主義的な線形自然科学では決して
    説明がつけられないような「非線形」の見方で、
    信じられないほど広範の現象を「科学的」に捉える
    ことができるという話は、
    驚くべきことだ。

    量子レベルの物理現象、振り子時計の共振、橋の共振。
    生体における活動周期(睡眠サイクル等)、ホタルの群れの発光、
    一国の発電網の繋がり方、人間関係のネットワーク、
    交通渋滞、ヒット商品の流行の仕組みなど、
    生物・非生物を問わず、また社会・自然をも問わず、
    そこに「相互の影響」がある場合には、
    非線形の同期(トップダウンの意思ではなく、
    それぞれの振る舞いが集団のトレンドを構築する)が起こる。

    この同期現象を意識するかしないかで、
    少なくとも社会科学に関しても、
    事態の本質を捉えた議論が成り立つかどうかの成否が
    まるで異なってくるように感じられるのは
    私だけではないだろう。

    本書の扱う非線形科学それ自体が、
    そもそも辺境(?)や傍流(?)の風変りな研究者たちが
    ばらばらに取り組んでいたことが、
    何かのきっかけで研究成果が共有されて、
    そこから類似性に気づき、
    思ってもみなかったような方向に転がりながら
    いまなお未開の地を切り開きながら成長しているような
    状況にあることを、
    著者は生き生きと語ってくれる。

    師であるアート・ウィンフリーをはじめ、
    出てくる人物のエピソードが非常に面白い。
    ブライアン・ジョセフソンにしても確かにある時期から
    オカルトに傾倒していることを「科学界」は残念がっている
    わけだが、でもそういうぶっとんだ方向にそもそも
    進むことを躊躇わないような人だったから、
    超伝導トンネル電流の予測のような常識はずれの
    仮説を出せたのかもしれないな、と思う。

    21世紀の科学は、まちがいなくこの「非線形」な
    現象を扱う
    それも、細分化された学問領域に留まらず、
    自由に、マクロにミクロに横断しながら、
    理解を深める姿勢が、コアになってくると感じた。

    そもそも科学を扱ったり、文明を作ったりしている
    私たち人間自身が、
    非線形な発生現象からなる生きものであって、
    また人と人が関係を非線形に結びながら、
    何事かを成していく存在なのだ。

  • 13.01.01

  • 非常に良かった。

    同期現象について数式を使わずわかりやすく説明している。
    しばしば科学者のエピソードがついていたり、奇妙なたとえが載っていたりで面白く読むことができた。
    (面白くはあったが実際には一気に読むことはできず、えっちらおっちら読みました)

    科学者が新しいことを発見したときの、身体がしびれるような興奮というものが伝わるシーンがあり、そこが特によかったです。
    これを読み、同期現象について強く興味を持ちました。

    図書館で借りて読んだのですが、これは手元に置いておきたいですね。

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