虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

著者 :
  • 早川書房
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感想 : 167
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152088314

感想・レビュー・書評

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  • 簡単に言うと、女に甘えたかった男が、結局それが適わなかったので偉そうな建前言いつつ「こんな世界、自分以外みんな死んじゃえ~っ☆」てなったお話でした。

  • 緻密な作品。重厚という訳では無いが、輻輳する展開が面白いのだか、引き込まれる自分自身が、ちょっと怖い気がしました。
    惜しい人を亡くしてしまったものです。他の作品を読んでみたくなりました。

  • 微細にわたり作り込まれた世界観、リアルと非現実感ギリギリを危うげにさまようストーリーが魅力的。
    一人称で淡々とした語り口も読みやすく、著者の器官が生みだしたコトバは確かに私を揺るがした。

    「人間は、見たいものしか見ない」――“一部の平和”は常に“他の誰かの犠牲”の上に成り立っている。それを前提とした上で、我々は、どう進むべきか。
    目の前の世界を守るために、武器を行使する?
    思考を停止し、何かに決定権を譲り渡す?
    人間の利他性を信じ、“痛み”と向き合う?

    その答えの一つが、「ハーモニー」だとしたら…皮肉としかいえない。

  • ブレードランナー(アンドロイドは電気羊の夢を見るか?)に似た印象。
    人が生きているとはどういうことか…。
    どこまで破壊されたら人はモノになるのか。
    アメリカ人が主人公だからか、日本人の作品とはちょっと思えない。

    この物語の中では日本はどんな国になっているのだろう。

    出てくるコネタがいちいちツボにはまり、妙にリアル。
    wikiで軽く調べたら「バドワイザーの商品名がブッシュ」とか「ケビンベーコンゲーム」とかホントだった。

  • 淡々とした主人公の視点で物語は進む。
    まるで戦争物の洋画を見ているような感覚。
    近未来SFなのに、まったくソレを感じなかった。

    翻訳作品のような文体で、クドイと感じたり
    重くて、暗くて辛いと感じる人は少なくないと思う。
    クセがある作品だと思ので
    気軽に手にとって楽しむような軽いノリでは、ツライかもしれない。

    が、ほんとに素晴らしい作品なのは確かなので読んでほしい。

  • 少し厨二病臭くはあるものの文句なしに面白い.
    設定も細部まで考えられている.

  • 虐殺器官ってそういうことか。
    人が組織のために利他的な行動をとることは、進化の過程で得た性質ではないかという話題が特に印象に残った。

  • よくできたアクション映画のような読後感。ものすごく視覚的。

  • 私の評価基準
    ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版
    ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも
    ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ
    ☆☆ 普通 時間があれば
    ☆ つまらない もしくは趣味が合わない

    2012.7.1読了

    いろいろなことを考えさせられる作品、楽しめるかといえば、そうでもないが。

    小説に求められるものは、その小説の世界を描き出すことと、その小説独特の香りを醸し出すことと、いつも書いているが、世界を描き出すことには、成功していると思う。
    一方、この小説の香りは見つけることが出来ない。

    しかし、映像化するとその小説独特の雰囲気が消えてしまうということから、逆にその小説の香りを感じることが出来るものもあるが、この小説は映像化すると何か大きく欠落するものがあるように思う。

    世界が複雑に、そして敵対的になると、思考がより単純化されて、二者択一のような思考になっていくことは、今、当に現出しているように思えて、怖くなる。

  • 正直、性に合わない作品。
    読み進めるのに、かなりの努力が必要だった。

    虐殺器官・・という考え方はすごいな。。
    作者は若くして亡くなって、作品は2作しかだされていないようだが、
    その才能は計り知れないものがあったと感じられた。

    読後感もあんまりだったが、あとから、じわじわと考えさせられた。

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著者プロフィール

1974年東京都生れ。武蔵野美術大学卒。2007年、『虐殺器官』でデビュー。『ハーモニー』発表直後の09年、34歳の若さで死去。没後、同作で日本SF大賞、フィリップ・K・ディック記念賞特別賞を受賞。

「2014年 『屍者の帝国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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