進化の存在証明

制作 : 垂水 雄二 
  • 早川書房
4.04
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本棚登録 : 296
レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (637ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152090904

作品紹介・あらすじ

進化論は「論」とつくからには、単なる理論なのだろうか。いまだに国民の半数近くが進化論に不信を抱いている国もあるというではないか…それは違う、と本書の著者ドーキンスは言う。名作『盲目の時計職人』で進化論への異論をことごとく論破したドーキンスは、本書では珍しい生物の戦略や素晴らしい実験の解説などを随所に配したうえで、著者一流の周到な論理展開により、進化論ではなく、進化そのものが理論の産物ではなく事実だということの証明を試みる!-緻密な論理で説得しつつ、想像を超えて精緻な生物の仕組みに読者の想像力を広げる…ダーウィン生誕200周年、『種の起源』刊行150年を記念するダーウィンイヤーに重ね、ドーキンスが満を持して放つ、唯一無二の進化の概説書。

感想・レビュー・書評

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  • 凄い。進化論がいかに正しいか証明するための本。これを書かなければならないほど創造論がいかに根を張っているかということの証明でもあるな。
    進化論が正しいという話だけでなく、なぜダーウィンの種の起源の初版に触れていたり、イヌみたいになったキツネの話とか、とにかく最初から最後まで飽きずに読める大著。

  • 「これまで書いてきた本をふりかえったとき、進化を支持する証拠そのものについてはっきりと論じたところがどこに[も]なく、それは、埋めなければならない重大な空白(ギャップ)であるということに、私は気がついた。」(「はじめに」、42ページ)というだけあって、進化が事実であることを示す証拠がこれでもかと示されている。進化は、何万年、何億年という気が遠くなるほど長い時間をかかて進むものだと思っていたが、第5章「私たちのすぐ目の前で」で紹介されているように、一人の人間が一生のうちに観察できるくらい急速に進む場合もあるということが一番の驚きだった。

  • 宗教に対する追撃はまだ手を緩めてなく、この本でも再三語られていますが、本業にしっかり内容の重心を移していて、進化論の現在到達地点を知るに格好の書です
    科学者の仕事としてはもちろん素晴らしいし、またそれを抜きにしても何十億もの人を敵にまわしてまでも、誠実であろうとする氏の姿勢には激しい共感を覚えます

  • ドーキンス、の名で読むと少々拍子抜けだが、創造論をいちいち潰していく文章がまたドーキンスらしく溌剌(笑)どうしても進化論をわかってもらいたいというあっつーい熱意が伝わるし、一般向けなのでややこしくもない。学校で教わった通りに進化論を受け入れている日本人は読んでおくべきだと思う。教科書に書いてあるからね、ハイハイ、じゃなくて、自分の頭で考えるべき。

  • 「創造論」はとっていなくても、「インテリジェンスデザイン」、すなわち生物の機能、目や手足の機能などは効率的に最適化されるようデザインされているといった考えは漠然と支持していました。 
     例えば昆虫の擬態などは生存上有利なので戦略的に採用されているといった考えです。しかし、「進化論」をつきつめればそのような擬態もあくまで自然淘汰の観点から説明できるのだと改めて気づかされるきっかけとなった本で、人間とはなんなのかを考える一助となりました。
     人はどこから来てどこへ行くのかを考える上では、哲学も面白いですが、本書や「銃・病原菌・鉄」などの本のほうが科学的で参考になります。

  • 超強烈な進化論者リチャード・ドーキンス氏による創造論者を批判する意味も込めて地球上で起こってきた進化の歴史を読み解く一冊です。原題は「地球上での偉大なるショー」、生命の進化の変遷をダイナミックな描写で説明してくれています。

    進化論についてはみなさん知っているだろうと思うのですが、少し特異な性質を持つ生き物がどのように進化をしていったのか、がもっとも興味深い点だと思います。たとえばイルカなど水中で暮らす肺呼吸をする哺乳類や飛ばなくなった鳥類、逆にコウモリなどの空を飛ぶ、あるいは滑空する機能を持つ哺乳類の性質は具体的に考えてみると実に興味深いです。

    小学校中学校でも進化については教えられますが、その当時の印象としては方向性を持って進化してきている、という認識でした。結果としてはそれは違って、あくまで自然淘汰、性淘汰の結果なのですが。
    多少創造論者批判にページを割き過ぎな感じはありますが、「利己的な遺伝子」で衝撃を与えてくれた著者の一作は相変わらず面白いです

  • アメリカでは40%もの人が進化論を否定している、という驚きの事実。進化論は事実であるという証明をするために、様々な事例を挙げて論じられた本。たとえばキリンの声に関わる神経は、脳を出発して長い首をグーッと下り、折り返して口元に至る、という事実は確かに知性ある存在の仕事だとしたら、なんでそんなんにしちゃったの?と言いたくなり、少しづつ伸びる方に進化したと考える方が自然だと思う。などなど、難しいところは流しながら、ほほう!と思う点もたくさんありおもしろかった。

  • リチャード・ドーキンスは読んでおきたい。長いからまだ全部読んでいない。利己的な遺伝子の方を先に読もうか。

  • 「利己的な遺伝子」で一世を風靡した生物学者リチャード・ドーキンスが、改めて進化の証拠となるものをあらゆる方面から集め500ページに渡り書きつらねている読みごたえのある一冊。

     日本人にはピンと来ないかもしれないが、アメリカなどでは進化論を否定し創造論を信じている人が半数くらいいる。さらにそういった人達が教育の中で進化論を教えることをやめる(もしくは創造論を同じ時間教える)よう圧力をかけることさえある。進化を純然たる公理としてドーキンスが強く訴えるのはそういう背景があるからだ。
     犬や農作物の品種改良に始まり、野生のグッピーの比較的短期間の変化、人間の発生、様々なミッシングリング(今は失われていない)など、多岐に渡り目に見える進化の証拠を示してくれる。進化とは何であるかがとても丁寧に説明されている。
     生物の体は綺麗で洗練された設計などされていない。その時その時の都合あわせの進化の組み合わせで、外見には立派に機能しているように見えて、その内面は意味のない神経の迂回路があったりと欠陥だらけだ。ドーキンスはキリンの解剖に立ち会えて感動したと書いているが、こういった生物の不恰好さが何十億年とかけて生命が自然淘汰の中で進化を重ねたことの証拠ではないかと強く感じた。
     たった一つの細胞だった生物が人間へと変化していく。そんなことはありえないと訴える創造論を信じる女性へ放った生物学者の言葉がとても印象的だ。「しかしマダム、あなたはそれをたった9ヶ月でやりとげたのです」


     ドーキンスのウィットに富んだ文章と生物学への情熱が満面に散りばめられた一冊。
     私は他の様々な学問(特に人間に関するものは)を考える上で、進化論は必ずふれておくべきだと思うので、ぜひ多くの専門外の人達にこういった本を読んでほしいと思う。 

  • 畑違いの本も面白かった。 進化について色々初めて知った事が多くて勉強になった。 DNA的にみると、、、や、宗教に染まりこの現代でも進化論を信じない人が多く存在する、なんてすごくアイオープニングだった。

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著者プロフィール

【著者】 リチャード・ドーキンス (Richard Dawkins)
1941年ナイロビ生まれ。オックスフォード大学時代は、ノーベル賞を受賞した動物行動学者ニコ・ティンバーゲンに師事。その後、カリフォルニア大学バークレー校を経て、オックスフォード大学で講師を務めた。

1976年刊行の処女作『利己的な遺伝子』は世界的ベストセラーとなり、世界にその名を轟かせた。この本は、それ以前の30年間に進行していた、いわば「集団遺伝学と動物行動学の結婚」による学問成果を、数式を使わずにドーキンス流に提示したもので、それまでの生命観を180度転換した。

その後の社会生物学論争や進化論争においては、常に中心的な位置から刺激的かつ先導的な発言をしており、欧米で最も人気の高い生物学者の一人となる。

積極的な無神論者としても知られており、2006年に刊行した『神は妄想である』も全世界に衝撃を与え、大ベストセラーとなった。

王立協会は2017年に、一般投票による「英国史上最も影響力のある科学書」の第1位として『利己的な遺伝子』が選ばれたことを発表した。

「2018年 『利己的な遺伝子 40周年記念版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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