マルドゥック・スクランブル〈改訂新版〉

著者 :
  • 早川書房
3.96
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本棚登録 : 738
感想 : 109
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  • Amazon.co.jp ・本 (640ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152091536

作品紹介・あらすじ

死んだほうがいい。死にたくない。生き残る-。"天国への階段"をシンボルとするマルドゥック市。ある夜、少女娼婦ルーン=バロットは、賭博師シェルの奸計により爆炎にのまれる。瀕死状態の彼女を救ったのは、委任事件担当者にしてネズミ型万能兵器のウフコックと、ドクター・イースターだった。一命をとりとめたバロットはシェルの犯罪を追うが、その眼前に敵の事件担当官ボイルドが立ちはだかる。それはかつてウフコックを濫用し、殺戮の限りを尽くした因縁の相手だった。壮絶な銃撃戦の果てバロットとウフコックは、シェルが運営するカジノで自らの有用性をかけた勝負に挑む。過去の自分と向き合い、生きる意味を考え始めたとき、バロットの最後の闘いが幕を切った-。少女の喪失と再生を描いた著者の最高傑作に、大幅な改訂を加えた新版、堂々刊行。

感想・レビュー・書評

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  • 一度死に直面した少女の復活劇です。何度も心がこわれそうになりながら、それでも前を見てまっすぐ進んでゆく姿に心が勇気づけられました。生きるのが辛い時に読んでほしい一冊です。(かえるさん)

    【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 2014年の春頃に古本屋で入手して、以来ベッドサイドに置いて少しずつ読んできました。マルドゥックは文庫で2回読んでいるので3回目。この後に文庫の完全版もあるので、少なくとももう1回は読むことになる。こういった形で進化していく作品ていうのは珍しいですね。

    • 青格子さん
      えっ、そんなに違うんですか?初めのを読んで、もういいやと思ってました。今からじゃ揃わないかな?
      えっ、そんなに違うんですか?初めのを読んで、もういいやと思ってました。今からじゃ揃わないかな?
      2023/05/12
    • mui-muiさん
      全体としては同じお話ですが、加筆修正ではなく毎回書き直しているらしいので、1つ1つの文章はだいぶことなります。入手性はわかりませんが、探す際...
      全体としては同じお話ですが、加筆修正ではなく毎回書き直しているらしいので、1つ1つの文章はだいぶことなります。入手性はわかりませんが、探す際は版を間違えないように注意してください。
      2023/05/16
    • 青格子さん
      ありがとうございます。探してみます。
      ありがとうございます。探してみます。
      2023/05/16
  • カジノシーンがすっごい面白かった。

  • 最初のページでウンザリ。ありふれた設定に思えてしまう。読み進む気力が湧かない。 もしかして、以前に読んでる? いずれ再挑戦。

  • すごく分厚いです。(3分冊を1まとめにしているので)

    命を危うく落としかけた未成年娼婦のバロットは
    その能力を買われ、彼女の命を狙った
    狡猾な犯罪者へと立ち向かいます。

    ところが、そんな彼女には
    一人の男が最後の最後まで妨害してきます。
    実は、その男もまた、バロットと同じような
    「人であったけれども、特殊な状態になったもの」
    だったわけです。

    どの人物も、実は訳ありだったりします。
    事件を起こした張本人も
    実はある現実事件と似たような環境に育ち、
    彼の場合は恐るべきまでに壊れてしまいました。

    それはバロットのifともいえるように…

    そしてバロットのパートナーであるウフコックにも
    試練が与えられます。
    そう、バロットを執拗に追い回す男は
    かつてのウフコックの相棒だったから…

    すごく切ないんだよね…

  • 本の分厚さに負けないほど内容もボリューム満点なハードSF大作。サイバーパンクっぽいかっこいい世界観に加えて構成も非常に緻密。
    ヒロイン・バロットが自らの殻を破り成長していく人間ドラマとしても面白い。そして彼女のパートナーであり理解者であり万能武器でもあるウフコックの存在感も大きい。どこか映画「レオン」のマチルダとレオンの関係性にも重なる。
    どの登場人物もキャラがしっかりと立っている。
    迫力あるガンアクションはもちろん他のレビューにもあるようにカジノシーンが秀逸。スリリングな神経戦は戦闘シーンのような描写力。
    まちがいなく国内のSF小説では屈指の面白さ。

  • ベストSF2003年1位


    mmsn01-

    【要約】


    【ノート】

  • 記憶に残った言葉
    運を右回りにする努力を怠ってはいけない

  • 2017年7月9日に紹介されました!

  • 今回の弾丸バンコクツアーの行き帰りの機内の時間つぶしに持っていったのが冲方丁(うぶかたとう)氏の『マルドゥック・スクランブル」だ。昨日帰国後のぼけぼけの頭で最後の十数ページを読み切り読了。この作品を知ったのはこの間読んだ「光圀伝」の最後のページにあった著者紹介で、そこでこの作品は日本SF大賞を授賞した作品と書いてあったので興味を持ち購入。

    本屋大賞などを取った『天地明察』、この間読んだ『光圀伝』で著者を知っていたのでてっきり歴史物が得意な作家だと思い込んでいたのだが、実は彼は日本SF作家クラブ会員でありSF小説分野でかなり有名な作家だったという事を今回はじめて知り少々びっくりした。

    作品は冲方丁版ブレードランナーとでも言うべきサイバーパンクジャンルにチャレンジしたもので、個人や集団がネットワークに完全に取り込まれてしまっている近未来の社会状況のなかで生まれたサイボーグである主人公パロットと同じく宇宙技術開発の中で産み落とされた怪物ボイルド(ブレードランナーのレプリカントのリーダーパティを彷彿とさせる描かれ方だ)との戦いが物語の軸となっている。

    一番面白かったのは犯罪の重要データが隠されているカジノの高額チップにアクセスするためにパティらがチャレンジするカジノのシーンで著者の巧さが感じられた。

    時分の価値を確立する事に気付いた少女サイボーグとすべてをないものにする虚無を愛する怪物との戦いの物語は好き嫌いが多い作品だとは思うが、時間のある人にはは是非お勧めしたい。

    そんな近未来での自分の価値とは何かという物を求めた少女の成長物語とも読めるSF作品を読むBGMに選んだのはANAの機内音楽サービスの洋楽部門で見つけたJeff Beckの”Loud Hailer"だ。おじさまギタリスト頑張ってます。
    https://www.youtube.com/watch?v=x2H_n7n9ngo

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著者プロフィール

1977年岐阜県生まれ。1996年『黒い季節』で角川スニーカー大賞金賞を受賞しデビュー。2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞、2010年『天地明察』で第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞、第4回舟橋聖一文学賞、第7回北東文学賞、2012年『光圀伝』で第3回山田風太郎賞を受賞。主な著書に『十二人の死にたい子どもたち』『戦の国』『剣樹抄』『麒麟児』『アクティベイター』などがある。

「2022年 『骨灰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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