かたち: 自然が創り出す美しいパターン

  • 早川書房
4.03
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本棚登録 : 308
感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152092403

感想・レビュー・書評

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  • ★科学道100 / 導かれたルール
    【所在・貸出状況を見る】
    http://sistlb.sist.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&materialid=11200693

  • 面白いです。小石の定義に噴出すとともに、すごいと思いました。

    本文中に掲載された本
    ・成長と形 ダーシー・ウィンとワース・トムソン 1917 P24
    ・シンメトリー ヘルマン・ワイル
    ・対称性の破れが世界を創る イアン・スチュアート、マーティン・ゴルビツキー
    ・驚異的な対称性 エルンスト・ヘッケル
    ・放散虫についてのモノグラフ 同上
    ・宇宙の謎 同上 1899
    ・結晶の塊―無機的生命体についての研究 1917
    ・修飾的スケッチ ルネ・ビネ
    ・微視地理学 クリスティアン・ゴットフリート・エーレンベルグ 1854
    ・千夜一夜物語
    ・ロリータ ヴラジーミル・ナボコフ 1955
    ・人工の原理 トマス・ロバート・マルサス

     物理・化学・熱力・生物・植物・遺伝・細胞・医・進化論・幾何・形態等の各学問知識をフルに使って読み込んでいる。読むのに骨が折れるが、おもおしろい。難しい話が続くと思うが、時々著者が入れる俗世的な揶揄が出るたび、“なんでそこで、この文句なんだ!!”と笑みがこぼれた。各専門分野の話にも触れながらも最終的に『かたち』にまとまる構成になっていて、興味深く読んでいる(“かたち”のためにどうしても必要な専門内容は解説されていたが、それは全体から見たら小枝程度のものだった)。
     また、難しい事象を擬態化――それは一滴のインクだったり、山から落ちる石だったり、細菌とアリだったり――しているのも面白いと思う(日本語的に?と思う点もあるが・・・)
     専門的な視点と一歩下がった見方を交互に織り込んでいる点に脱帽。(この、一歩下がった視点での表現がなかったら、多くの人が読み切れないと思う)。また、繊細なものを描写するのに、単純な例として表現するのではなく、より印象的な繊細な例で表現している点も・・・(私なら、口絵4を『ボタン花ののような模様』と例えるところを著者はP217 で、“イスラム世界のもっとも創意に富む芸術家が盾や申に描いたような模様を”と表現している)。
     このような表現も含めてや文章の端々に著者の“かたち”に対する畏怖や尊敬の念が見て取れて面白いと思った。

    【以下読みながら書いた感想です】
     P90から展開される、なぜミツバチの巣は6角形なのかをめぐる議論の進展が面白い。
     シャボン玉の石鹸の分子で内面には「水に解けない尻帯を表面から突き出している」(P96図2.17解説)とあ
    るが、いったい誰が確認したのだろうか?数学的に実証したのか?それとも誰かが見たのか??面白い。
    泡についてのプラトーの情熱がすごい。三次元での泡についての考察を読んでとても高揚した。
    豆の鞘の間の角度は116度とか、このケルビィン卿・・・豆・・・豆(-_-;)

  • [ 内容 ]
    自然のなかの目を見張る造形は数理法則にのっとってひとりでにできる。
    事物に潜むパターンの数理を、豊富なヴィジュアルを楽しみながら明かす3部作、開幕。

    [ 目次 ]
    1 ものの形―パターンと形態
    2 ハチの巣の教訓―泡で築く
    3 波を起こす―試験管の中の縞模様
    4 体に書かれたもの―隠れる、警告する、擬態する
    5 野生のリズム―結晶化する「群れ」
    6 庭の草花はどう育つか―ヒナギクの数学
    7 胚を展開する―ボディー・プランの形成

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • なかなか手にしないジャンルなので新鮮で面白かった。作者か翻訳者かわからないけど文章がもっと洗練されてたらいいなと思った。
    写真も美しく、この世の全てのものの見方が変わったようだ。流れ、枝分れも読んでみたい。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、3階開架 請求記号:404//B16

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:463.7||B
    資料ID:95110423

  • これは素晴らしい良著に出会ったという直感。

    自然界の生み出す多様なパターンの生成原理を、数学的・力学的観点からわかりやすく解説する。

    生気論と進化論という生命の誕生を巡る基本的な理念の対立から、進化論における自然淘汰説の抱える問題の提起、経験論的手法による進化の過程の限界を提示し、よりシンプルで明快な自然界の造形の原理に迫る。

    自然界に共通する幾多ものパターンの発見に至る歴史的な過程や主要な人物を振り返りながら、無機物から有機物、生物の骨格・組織・巣、地形、自然現象まで、緻密で精巧な自然の造形を科学的に説明する本書は、第1部のみでも十分読みごたえがある。

    数学嫌いの人でもこの本を読めば、難解でいまいち目的のわからない数式や公式が“見える”ようになるかもしれない。

    蜂の巣の構造と炭素の構造の類似点は?オウムガイとカタツムリは全く違う生物なのに、なんで似たような殻のデザインをしてるのか?

    一見関係のないように見えるさまざまなものが、ある共通するパターンを持っている理由を説明するための武器として、そのパターンの持つ物理的特性や数学的・力学的特性に着目しているのが非常に面白い。

    色々な分野の知識が混ぜ込まれていて、でもあまり難しい言葉を使っていないので、着実に読み進めてゆける。

  • フラクタルの話とか。
    クラゲの絵が非常に美しかった!

  • 所在:展示架
    請求番号:463.7/B16
    資料ID:1200693

    数学、物理、の法則の定めるままに、そういった美しいタペストリーはひとりでに織りあがるそうです。
    自然に潜むパターンの数理を、豊なヴィジュアルを楽しみながら明かしていく本です。

    選書担当:平口 咲綺

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著者プロフィール

1962年生まれ。オックスフォード大学とブリストル大学で学位を取得。「ネイチャー」誌の編集に従事。『クリティカル・マス』(未訳)で2005年度アヴェンティス賞を受賞。邦訳に『生命を見る』など。

「2018年 『音楽の科学 音楽の何に魅せられるのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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