書店主フィクリーのものがたり

  • 早川書房
3.67
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本棚登録 : 1327
感想 : 130
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152095701

感想・レビュー・書評

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  • 珍しく翻訳小説を読みました。
    短編をつなぎ合わせた長編小説。主人公フィクリーがとても大切にしているポイント。
    文体が軽妙洒脱で、とても馴染み深く心地よかった。
    もっとアメリカ文学を知っていたら深く楽しめたと思う。これを気に物語に出てきた短編を読んでみようかな。

  • 小見出しの一つになっている、レイモンド・カーヴァーの、愛について語るとき我々の語ることを読んだことがあったんだけど、A・Jが言ってる通り、20歳の時に感じることができることと40歳の時に感じることができることは全然違うんだろうし、小説とはしかるべきタイミングで出会うべきだということを示唆してはずだけど、今の自分にとってしかるべきタイミングだったかどうかは正直分からなかった。

    現段階ではきっと本来の意味で理解していることはあまり多くないんだけど、年を取ってからもう一度読み直したいなぁとは思った。

  • 【2016年度本屋大賞翻訳小説部門第1位】の帯が目に留まって購入。2017年に読んだ本の中で1番かもしれない! “本屋のない町なんて、町にあらず”

    登場人物の言葉に何度心打たれたか…。特に警察官のランビアーズ最高。プロットも素晴らしい。読めばわかる!
    各章の1頁目に、主人公が興味のある本についてコメントをしているので、外国文学が好きな人は私よりも楽しめるかと!とにかく、本好きにはたまらない一冊。

  • また、本好きのための素晴らしい小説に出会った。
    偏屈な書店主、フィクリーは店に置き去りにされた「たからもの」を育て始血のめる。この二人と出版社の営業担当者アメリアという血のつながらない3人が本をめぐって、真実の愛にたどり着く物語。アメリアが最後に後任の営業担当者ねの引継ぎに書き込んで、その後で削除した数行のコメントが全てを語り尽くしている。
    特筆すべきは翻訳の素晴らしさ。小尾美佐さんの、軽妙な訳がいい味を出してる、と思ったら、キイスの『アルジャーノン』の訳者と知って納得

  • 「LibraryReads」ベストブック選出
    以前から読もう読もうと思っていた作品です。
    温かい作品で且つ意外な展開が続き全く飽きさせませんでした。読後感は最高です!

  • 今時ではない文章と、ストーリー。それがとても心地よく、安心して読めた。各章のタイトル代わりに紹介されていた本は知らないものばかりで、楽しみが増えてワクワクしている。

  • 読み始めは誰にも共感できず、これ…読み終われるかな…と不安になりましたがどんどん引き込まれました。主人公のフィクリーがくせ者なのですが、最後には彼のことが本当に好きになりました。でもそれは彼の周りにいた人たちや、彼に起こる出会い、そして彼を好きになってくれた人たちのお陰です。
    様々な名文学を通してキャラクターが見えてくるというのも読んでいて面白かったところです。

  • 【あらすじ】
    その書店は島で唯一の、小さな書店―偏屈な店主のフィクリーは、くる日もくる日も、一人で本を売っていた。かつては愛する妻と二人で売っていた。いつまでもそうすると思っていた。しかし、彼女は事故で逝き、いまはただ一人。ある日、所蔵していたエドガー・アラン・ポーの稀覯本が盗まれる。売れば大金になるはずだった財産の本が。もう、なにもない、自分にはなにも。それでもフィクリーは本を売る。そしてその日、書店の中にぽつんと置かれていたのは―いたいけな幼児の女の子だった。彼女の名前はマヤ。自分も一人、この子も一人。フィクリーは彼女を独りで育てる決意をする。マヤを育てる手助けをしようと、島の人たちが店にやってくる。婦人たちは頻繁にマヤの様子を見に訪れるし、あまり本を読まなかった警察署長も本を紹介してくれと気にかけて来てくれる。みなが本を読み、買い、語り合う。本好きになったマヤはすくすくと成長し…人は孤島ではない。本はそれぞれのたいせつな世界。これは本が人と人とをつなげる優しい物語。

    【感想】
    最初、A.Jはだらしのない書店主だとしか思わなかった。しかも偏屈の。でも、奥さんが事故で亡くなり、大切にしていた稀覯本「タマレーン」が盗まれて、お店に幼い女の子マヤが置き去りにされたことをきっかけに、A.Jは変わった。マヤ中心の生活になったからだ。A.Jはマヤを育て愛すると同時に、自分も一人の女性を好きになった。あの偏屈A.Jが、だ。びっくりしてしまった。でも、嬉しかった。マヤに家族が出来るということが。そして、マヤという存在はA.Jのパートナーだけでなく、島のいろんな人たち同士を繋げてくれた。マヤはアリス島の天使だなあと思った。そして、どんどん穏やかで優しくみんなを見守るようになったA.Jもいいなあと思った。素敵な物語だった。だから最後、あんな風な結末が迎えられたんだと思った。

  • 海外文学を読みこんでいなくても大丈夫。

    そりゃ、ここに出てくる短篇小説を100%読了し、訳者の小尾芙佐さん言う所の「さまざまな作品の登場人物の名前やらなにやら」も全てわかっていればもっともっと高揚感があったかもしれない。

    でも、平気。
    近くに感じる事が出来る。

    たくさんの人に読まれたらいいなと思う。

    小尾芙佐さんの訳も良かったと思う。


    あ。

    でも、これから読む人は、
    『フラナリー・オコナー「善人はなかなかいない」だけは読んでいたほうがいいかもしれない』
    と訳者あとがきにあった。
    ぐやじい。

  • 170720*読了

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