三体II 黒暗森林 下

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152099495

感想・レビュー・書評

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  • 三体Ⅱ下巻、やっと読み終えた。
    半年以上かかったんじゃないか?と思えるほど頁が進まない。言葉が難しすぎる、内容が複雑すぎる。
    だけど読後の感想としては凄く面白かった。

    舞台は前作より2世紀後の世界。
    200年後に三体文明が来るという世界。
    人類は宇宙艦隊を配備し、200年前には想像もつかない進歩を遂げている。誰もが200年前の人類が抱いた絶望から解放されており、その進歩の歩みの中で心穏やかに生活している。

    そこに三体文明からの「水滴」
    「水滴」による地球の誇る宇宙艦隊の大量破壊、三体文明への脅威、それにより地球人の混沌と絶望、凄い展開だった。
    SFなのだが何故かリアルさが漂う。

    最期の展開だけが自分にはチープに感じさせられた。ここまで怒涛の複雑さで圧倒的に畳み込まれてきたのに最期はこの展開?なんかしっくりとこない。

    「三体III」では更に200年後とかが描かれていくのだろうけど続けて読むのはもういいかな?と感じている。
    非常に疲れるようなしんどい読書だった。
    面白いのだが、読む事に疲れを伴ってしまう。自分の理解力がついてこない為内容の半分以上理解できていない気がしている。読みながら頭の中ではストレスを感じてしまう。

    暫くは三体文明から離れて暮らしたい。今現在この作品は自分にとって「三体文明」みたいな存在になってしまっている。
    2世紀とはいかないが間を空けてまた「三体III」に挑戦したい。

    • shintak5555さん
      Ⅲは200年後にチャレンジですね!
      感想お待ちしております!
      Ⅲのスケールは空間的にも時間的にも桁違いで満足度も桁違いです!たぶん・・・。
      Ⅲは200年後にチャレンジですね!
      感想お待ちしております!
      Ⅲのスケールは空間的にも時間的にも桁違いで満足度も桁違いです!たぶん・・・。
      2024/05/03
    • NSFMさん
      ありがとうございます。

      三体読むの結構パワーが必要です。
      物語は面白いのですが自分の教養不足で付属する意味に対しての理解がついてきません。...
      ありがとうございます。

      三体読むの結構パワーが必要です。
      物語は面白いのですが自分の教養不足で付属する意味に対しての理解がついてきません。

      三体III読んでストーリーを追いかけたいのですが、文量が重圧になってます。

      積んでいる他の本もありますし暫くしてから読みたいと思います。
      2024/05/04
  • 今ハマっている中国のSF小説"三体"。
    長編小説にハマったのは村上春樹さんの"1Q84"以来。
    宇宙戦争というスケールの大きさと予想できないストーリーがすばらしい!

    本作は、人類を救うため冬眠した主人公が、200年後に起きて、三体文明と交渉するまでのストーリー。
    手に汗握る交渉の場面は、本作で完結していいと思えるほどの完成度だった。

    次は三部作の完結編。
    全く予想できないけど、早く読みたい。

  • 「人類は勝利できるか」
    面壁者たる著者は、その裏に本心を隠す
    「人民は勝利できるか」

    勿論、この書評は物語(フィクション)です。

    多くの評者が、本格SFとエンタメの融合という視点で評価しているので、私は多くを語らない。面壁者レイ・ディアスの最期の場面。ぼろぼろの面壁者・羅輯と三体星人との最後の交渉場面。もう、歌舞伎ばりの映える場面である。

    私は別の視点から物語りたい。
    解説者・陸秋槎氏は、作品構成が、密告が奨励された文革と関連していると指摘する。私はそんな限定的な「関連」ではないと思う。これは「中国人民」(特に知識人)と「中国共産党」との戦後60年にわたる歴史物語をSF小説にしたのだと、私は思う。本心を明かさない知識人としての面壁者の登場、それを暴く破壊者の登場、大峡谷時代、第二次ルネサンス、絶望の時代、そして新たな時代。それらの時代を跨いで猜疑連鎖と技術爆発が存在する。それはこの小説のあらすじであるのと同時に、中国共産党史でもあると、私は牽強付会的に思う。ネタバレの関係で、あらすじも必要最低限のことしか書けないし、歴史的事実も詳しく書けない。よって、よくわからんことを書いているかもしれない。でも、劉慈欣氏はかなり上手くやった。中国共産党は、第一部の文革批判ぐらいならば、党としても批判しているのだから目こぼししていたかもしれないが、小説の構造自体が党批判になるとは気がつかなかった。もしかして気がついた時には、既に2千数百万部の大ベストセラーになっていて、気が付いたと公表すること自体が党批判を助長することになるので「出来なくなった」。ベストセラーになったのも、劉慈欣もおそらく一生本心を明かさないだろうが、中国人民が気がついて一生懸命に買ったからかもしれない。これも面壁者・劉慈欣の戦略だったのだ。

    第一部は中国の過去の話、第二部「黒暗森林」は文革終了以後の中国、そうなると第三部は「予想される未来」となるのだろうか。

    因みに、(上)書評で、智子が全てのコミュニケーションを監視するならば、表情だけで言いたいことを読み取れる人類の特技〈以心伝心〉が現状を打開するだろう、と私は予測したのだけど、三体世界への勝利に何も貢献しなかった事を報告します。いや、(下)では重要場面で、そういう人類の得意技は出てくるんだけど、そういう浅はかな知恵では、三体世界の強大な力の前では無力なのだとわかった。私は面壁者にはなれそうにもない。

    2021年4月25日読了

  • だんだん読みやすくなってきました。
    漠然と面白いな〜とは思うのですが、解像度が低くて、細かい感想が書けません(笑)
    現時点でもうすでに最初から読み直さないといけないなと感じていますが、読み直したいと思えるくらいに魅力はある作品です!
    頑張って読み進めよう。

  • 200年後に人工冬眠から羅輯、史強、ハインズ、章北海たちが目覚める。大峡谷時代を経て人類はテクノロジーを発達させ、宇宙大艦隊を編成し、三体世界の脅威に対して楽観的な空気が支配していた。宇宙大艦隊が三体艦隊の探査船を捕獲に向かうと、探査船は涙型をした奇妙なものだった。ここから驚くべき展開が始まるのだ。人類は絶望の淵まで追いやられるのだが、章北海は思い切った手に出る。一方、羅輯の放った呪術が思わぬ結果となり、人類の命運を左右することになる。
    絶望の淵に追いやられたとき、人々はパニックになってやけくそな行動を取ったりするのだが、ふと日本人だったらどうなんだろうと考えてしまった。すべてがそうだと言わないが、諦観的な静かな行動をとるような気がする。
    「黒暗森林理論」が今回大きな位置を占めるが、うーんなんか納得できない。三体世界も意外と見通しが甘かったように思う。しかし、物語自体は実に面白い。涙型探査船の戦いが意表をついていて臨場感があった。さて、いったん物語は節目を通り越したのだが、Ⅲでどんな展開を見せるのか楽しみだ。予想もつかない未来が待っていそうだ。

    • えみりんさん
      はじめまして!
      物語はとても面白いのに、話の運び方とか登場人物の作りが納得出来なくて、ツッコミまくりなんです。三体世界の諦め方もあっさりし過...
      はじめまして!
      物語はとても面白いのに、話の運び方とか登場人物の作りが納得出来なくて、ツッコミまくりなんです。三体世界の諦め方もあっさりし過ぎでした。
      似たような感想を持ちましたのでコメントさせていただきました。
      2022/02/20
    • goya626さん
      えみりんさん
      「ツッコミまくりなんです」おお、えみりさん、凄い!確かに、なんか作者の予定通りって感じですかね。実際は、もっとしぶとく粘るは...
      えみりんさん
      「ツッコミまくりなんです」おお、えみりさん、凄い!確かに、なんか作者の予定通りって感じですかね。実際は、もっとしぶとく粘るはずじゃないかと思います。でも、私は、物語の面白さに流されて、ぐいぐい読んでしまいました。
      2022/02/20
  • 『三体Ⅱ黒暗森林』は中国ではシリーズ中、最も評価が高い一冊であるそうです。
    主な理由はハードSFとして、頭脳戦エンタテイメントとしての完成度が極めて高いということですが、SFを読んだのが初めてに近い私は全く反対でSF用語の多さに辟易しました。

    安心して読めたのは、主人公のルオ・ジーが出てくる人物の交流場面のみで、宇宙戦隊の戦闘の場面などは正直読むのがかなりつらかったです。

    なぜ、三体世界と地球生命は愛のあるもの同士の世界なのに戦うのかと思いました。

    地球の歴史を考えてみても、地球の歴史は戦争の歴史であるのだから、どこの世界でも、宇宙と交信する時代になっても、愛があっても、戦争は行われるのかと思いました。

    『三体Ⅲ死神永生』でも「ある宇宙の真相」が解明されると巻末の解説にあり、とても読んでみたい気もしますが、作者によって創作された、宇宙理論より、現実の歴史を読んで勉強した方がよくないかという気もしています。
    SFを読むというのはそういう理屈じゃないのかもしれないのですが。
    そこが、わからない私はSFファン失格だと思いますが。

    • 地球っこさん
      まことさん、こんばんは。
      いやはやお疲れさまでした!
      最後まで読まれたんですね。

      わたしはまだ読み始めてませんが、とても難しそうで...
      まことさん、こんばんは。
      いやはやお疲れさまでした!
      最後まで読まれたんですね。

      わたしはまだ読み始めてませんが、とても難しそうですね。
      戦々恐々としちゃうなぁ(^o^;
      でも、逆に「よし読んでやるぞ~」との気持ちも湧いてきたような……
      読み終えたら、わたしも頑張ってレビュー書きますね。

      もしかしたらSFも漫画とかアニメとかなら、情景が分かりやすいかもしれませんね。
      ディストピアものとか終末ものとか、タイムトラベルとか……SFにもいろんな分野があるので、これから何か気になるものも出てくるかも……

      わたしにとってSFは「よくわからなくても面白い」と思えたら、それで満足としてます 笑
      まことさんが登録されてる『バーナード嬢曰く。』に登場する、SF好きの女の子がそんな感じのこと言ってました(*^^*)

      2020/06/25
    • まことさん
      地球っこさん♪こんにちは。

      コメントありがとうございます。
      私は、戦闘シーンや、SF用語が出てくる場面が、難しく、読むのが辛く感じま...
      地球っこさん♪こんにちは。

      コメントありがとうございます。
      私は、戦闘シーンや、SF用語が出てくる場面が、難しく、読むのが辛く感じましたが、今のところ、他のレビューされている方を拝見すると、そんなことおっしゃっている方皆無ですね(^^;
      私だけかもしれないです。
      皆さん、面白かったって言って、続きが早く読みたいとおっしゃっていますね。
      読む日数も、私は1週間近くかかってしまったけれど、発売2日でレビューされている方もいらしたし…。

      解説には『黒暗森林』がいちばん面白いと書かれていましたが、私は『三体Ⅰ』の方が面白かった気がします。
      『三体Ⅲ』はさらに長さがあるということで、辛いシーンがまた多かったら…と思うと気が引けます。

      SFにも、いろいろな、分野があるのですね。
      うちにも、積読している『星を継ぐもの』他あります。
      あと『夏への扉』とか『ビブリア堂』に出てきた『たんぽぽ娘』とか気になっています。
      地球っこさんは読まれているかもしれないですね。私は未読なのでその辺から読んでみたいですが、なかなか…。
      『バーナード嬢曰く。』もまだ、積んでいますが、あれは、すぐに読んでみようと思います。ありがとうございます。
      2020/06/26
  • 感想は最終巻にて記載。

  • 200年後の世界からやっと面白くなってきた。

    地球の繁栄から面壁者が不要→
    水滴により壊滅的状況→一発逆転!

    内容は難しいが話の展開がオーソドックス。
    それがスーッと入ってきた。

    また200年での言葉の変化など、よく考えられていると思う。

    ただ、会話の中で出てくる例えが博識すぎて
    なんか、昔の文豪小説みたいで好きになれない。

    なので評価は⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎には至らず⭐︎⭐︎⭐︎。

  • ちょうどAmazonでmoonfallを見たので、オーバーラップして興奮して一気に読んでしまった。
    三体世界からのコンタクトにはちょっと違和感があったが、よくプロットが練られていて非常に面白かった。
    「インデペンデンスデイ」などハリウッド系の映画で前半の不安感の盛り上がりに比べて、異星人が現れたらまるで円谷プロの怪獣映画になって笑ってしまうようなことはなく、水滴という未知の武器も意表をついてよかった。世紀を渡る壮大な小説世界に最終巻の「死神永生」も期待大だ。

  • 三体Ⅱ 暗黒森林の下巻。

    上巻に続き、面壁計画が進行している。しかし破壁者は執拗で、人類は依然として劣勢。羅輯とハインズの2人は冷凍睡眠に入ることとなる。

    200年後の時を経て、人類の技術力は向上。地球には総楽観ムードが広がっていた。それを目覚めた冬眠者の視点で知る、というのはSF的で素晴らしい。

    しかし三体の偵察艦である「水滴」が登場。地球艦隊への虐殺行為をもってして、改めて力の差が露呈する。総楽観ムードは一転し、世界は地獄と化す。

    このあたりからの没入感は凄まじく、ラストまで一気に駆け抜けていく。

    そして満を持して、上巻からの伏線が回収される。背筋が冷えるような感覚とともに、読者は「暗黒森林」の意味を知ることとなる。

    総括として大変夢中になって読めた。溢れるような情緒を、SF的な大風呂敷に載せてみせた。SF小説として恐ろしく傑作。

    それにしてもまだ三部作の2部。3部目がいったいどのように展開するのか、全く想像ができないし、あまりにも楽しみ。

    (ネタバレを含む感想は書評ブログの方を宜しくお願いします)
    https://www.everyday-book-reviews.com/entry/%E3%81%93%E3%81%AE%E5%AE%87%E5%AE%99%E3%81%AE%E7%9C%9F%E7%9B%B8%E3%81%AB%E5%87%BA%E4%BC%9A%E3%81%86_%E4%B8%89%E4%BD%93%E2%85%A1%E6%9A%97%E9%BB%92%E6%A3%AE%E6%9E%97%E4%B8%8B_%E5%8A%89%E6%85%88%E6%AC%A3

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著者プロフィール

1963年、山西省陽泉生まれ。発電所でエンジニアとして働くかたわら、SF短篇を執筆。2008年に刊行された『三体』で人気に火が付き、“三体”三部作(『三体』『黒暗森林』『死神永生』)は中国で2100万部以上を売り上げた。2014年にはケン・リュウ訳の英訳版が刊行され、2015年、アジア人作家として初めてSF最大の賞であるヒューゴー賞を受賞。2019年には日本語訳版が刊行され、11万部を超える大ヒット。

「2023年 『神様の介護係』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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