ドーキンスが語る飛翔全史

  • 早川書房
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本棚登録 : 151
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152102034

作品紹介・あらすじ

生物が何億年にもわたって、また人類が何世紀にもわたって、どのように重力に逆らい、空へ飛び立ってきたのか。史上最大の飛ぶ鳥や極小のフェアリーフライ、モモンガやトビウオ、神話のイカロスから航空機まで、飛翔の進化と科学を空想の翼に乗せて紹介する。

感想・レビュー・書評

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  • それなりにエンジョイした。上質な大人の絵本。
    日本語的な飛翔の全史(学術的な)を期待していると、ガッカリすると思われる。原題のFlight of fancyはよく使う言い回しで、空想の世界に飛び立つような、脳内思考トリップ的なやつとか、想像の産物ていうのか、まあ、脳の中の話みたいな印象を受ける言い回し。今をときめくドーキンス博士が人工的なものから進化で得た能力やら、ありとあらゆる方法での、重力から解き放たれる事について、つらつらと考えているのを、横から見させてもらう感じの書籍。それこそ、実際に飛ぶ/滑空する/跳躍する全ての生き物、主に鳥類、哺乳類、爬虫類から昆虫、空中プランクトン、絶滅済みの生き物、なんらかの外付けのブツをもってなんとか重力の埒外に行こうとする人間。グライダーやパラシュート関係やら、昔オリンピックの開会式でプシューって飛んでたやつとか、飛行機から無重力など、様々な人工的な物やら、昔話や伝説や物語に出てくる架空の飛ぶ生き物、飛べるわけがない架空の飛行機材。まさに、地面から離れるというキーワードでつらつらと考えたことが書かれていて、文字は少ないが挿絵が効果的で美しく、非常にエンジョイできた。ところどころ、変な直訳みたいなのがあって、読みづらいと思ったら、最近読んだダイダロス博士のあの本の訳者と同じだった。となると、これはこういうスタイルの”敢えて直訳”なのかも?まあ、平安時代の和歌なんかは掛け言葉が多いので英語に訳すとくそほど長くなったりするので割愛、というようなのと似たような作用なのか?まあ、どんな素晴らしい書き手でも、合う合わんってあるのだが、あれかもしれない。そう、個人的に合わない訳、ということで、これはオリジナルのほうを入手します(あくまでの個人的な感想です)
    FLIGHTS OF FANCY
    Defying Gravity by Design & Evolution
    by Richard Dawkins ©️2021
    illustrated by Jana Lenzová.

  • ドーキンスの著作のファンで、今回新刊が発売されたので迷わず購入。

    進化論の有効性を徹底的に解説した名著「盲目の時計職人」の内容を、「飛行」という切り口のみに絞ってかなり易しく砕いて(イラストまでつけて)説明した本という感じです。

    「生物はなぜ飛翔するのか?(または、なぜ飛翔しないのか?)」
    この問いに対して全面的に分かりやすく答えてくれる本ですから、内容はおもしろくないというわけではありません。

    ただ、以下の点が気になるポイント。
    ①なんといっても価格の高さ。フルカラーイラスト満載とはいえ、ちょっと手が出にくい価格。テーマはおもしろいだけに、みんなに読んでもらいにくい価格設定はいただけない。
    ②そのフルカラーイラスト、美麗で精巧なのは間違いないが、解説や理解に全てが役立ってるかというと、ちょっと疑問。「これはイラスト要らないんじゃない?」っていう印象のページもあります。
    ③なんだか広すぎる余白。もちろん、本文テキストとイラストの整合性をとるためにレイアウトの制約はかなりあったとは思いますが、ページ数の割りにあっさり読み終えてしまいます。なんだかさびしい。

    イラスト付き、余白も充分、内容平易ではありますが、中高生にはちょっと難しい内容もあるし、知識のある方や従来のドーキンスファンには物足りない感じだし…という印象ですね。

    ごりごりのテキストでこれだけのページ数で読みたかったけれど、それでもドーキンスの語り口、考え方、イラストの遊び心が楽しい一冊でした。

  • もっと早くに出会いたかった本。それこそ図鑑を読み漁っていた小学生の頃にこの本を読んでいたら生物学や空を飛ぶことに関係する仕事に憧れていたと思う。そのくらい、わかりやすく読みやすい。挿絵も一枚を除いては絵単体で欲しくなるような絵ばかりで(虫や種が飛び交っている絵は少しヒエッとなった)ワクワクしながら読み進められるだろう。
    一方で、『わかりやすすぎた』なとも思う。広く浅く取り上げているので生物進化学を詳しく知るというよりかは子供の時に知識や好奇心を満たす教養本としての役割の方が適切かなと感じた。

  • ワクワクする本だった。色々な飛翔方法が紹介されていて、飛翔する色々な生物が紹介されていた。翼以外のもので揚力を生み出す生き物たちが印象に残っている。空飛ぶヘビとか、信じられない。

  • 進化の方向性として何故飛ぶに至ったのか、そして飛ぶことのメリットデメリットなどの本。
    大きな翼竜や、小さすぎて見えない虫とかまで幅広い。
    イラスト多めで高学年の子供向けとしても良いかも。

  • 請求記号 468.02/D 47

  • 飛ぶという行為を進化生物学の観点で説明した本。
    恐竜の時代から現代の飛行まで、進化と飛行の原理を多数のイラストを使って解説しており、大変面白かった。ただ著者の文章は、やや 回りくどくて分かりにくい部分があり、慣れが必要。イラストや言葉での説明が多いけれど、もう少し図解があれば分かりやすくなると思う。

  • 生き物が飛翔を獲得する物語。なぜ飛ぶのか、なぜ飛ぶことができるのかを、ユーモア交えて解説し、楽しく読める教科書といった内容。飛翔には浮遊もある意味含まれ、体積が軽いと自力で「離陸」するまでもなく、それも生命のあり方の一つ。海しか知らない生き物、二次元しか知らない生き物、あるいは空中しか知らない生き物。近年はドローンによって、一般人と空中の関係もより身近になったが、そこまでの言及は無かった。

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著者プロフィール

英国の進化生物学者。世界的ベストセラー『利己的な遺伝子』で知られる。ほかの著書に『盲目の時計職人』『神は妄想である』『遺伝子の川』『進化とは何か』など多数。

「2022年 『これが見納め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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