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- Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163125701
作品紹介・あらすじ
1963年11月22日、陽に照り輝く大統領専用車は、ガード下の暗がりへと向かっていた。暗がり、闇の力、闇にうごめく暗殺者の群。20余年の時を経、虚実のはざまにたゆたう「事件」が今、衝撃的な小説作品の中に甦る。より鮮烈に、より激しく、もの狂おしく、数発の銃弾にいたる薄暮の道程が語り明かされる。『リブラ 時の秤』によって、ダラスの熱い日は、現代の叙事詩となった。ダラスの「魔の刻」を描き切った戦慄のベストセラーついに登場。
感想・レビュー・書評
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抽象的かつ象徴的な文体は相変わらずな上、物語の視点がめまぐるしく変るにもかかわらず『ホワイト・ノイズ』より読みやすいのはケネディ大統領暗殺事件という実際の出来事を題材に多くの実在の人物が描かれているからだろうか。リー・ハーヴェイ・オズワルドの人生が描かれる地名がタイトルの章と暗殺の年の暗殺計画とそれにまつわる人物の動きが描かれる日付の章が交互に続くスタイルがかなり面白い効果を発揮している。オズワルドの人生がだんだん暗殺へと近づいていくのと暗殺計画にオズワルドの姿が現れ始め暗殺という臨界点へ向かう様子が相俟って結末を知っているにもかかわらずスリリングであり、結末を知っているからこそ全てが物悲しく見えて複雑な気持ちになってしまう。
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