残映

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163156705

感想・レビュー・書評

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  • 表題の連作短編がよかった。

  • なんとも腹におちない。歌吉シリーズから手を伸ばした杉本さん短篇3つ。「残映」「影男」「供先割り」。とくにこの「供先割り」のラスト…正八マダオすぎ…。こんな嫌がらせをして殿の胸がすくと思うたか!と張り飛ばしたいわ。斬られてそのことも気付かず死んでいったろうからなおさらやりきれないわー。こんなことして、さらにその不届者が安藤が以前気に入って使っていた籠の供の者だと知れようもんなら、さらに殿様にいわれなき汚名を着せたことだろうよ。「影男」もすごいモヤモヤしたまま終わるし。。。社会風刺をするならきっちり責任とれる覚悟でやりたいよね。自分を影ぼうしと無力に思うならそれを世過ぎにするのやめればいいのに。モヤモヤー。「残映」はまだラストがすこしは上向きだけれども。。不幸続きの瑞枝は申し出を受けたかしらね。世が世ならお殿様が幕府の瓦解で職人となって生き抜く設定はすごく好いのだが。。くらいくらーいきもちになる1冊だわ。うーん、、杉本さん、ちと、苦手かもしれない。。。。

  • 明治ご一新の江戸が舞台である。
    直参の旗本だった主人公が指物師になる物語が幹になっている。
    周りを取り巻く多くの武士たちそれぞれの生き方が描かれている。
    時代の大きな変化は多くの惨めな元武士をうみだした。
    主人公は潔く刀を捨てるが、芯には武士の誇りを捨てないでいる。
    この作家らしく周辺の人々に援けの手をさしのべる主人公の優しさは感動である。

    革新的進歩的と言われる明治政府だが、薩長出身が幅を利かせている。
    悪賢く動ける人間、元武士も商人たちも描かれ、維新の息吹きの中にも
    混沌としたものを感じさせている。
    この人の作品はいつも読む人を裏切らない。
    いつも気持ちよく読み終えることができる。

  • 最後、えーっと思いました。

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著者プロフィール

すぎもと・あきこ
1953年、福岡県八女市生まれ。ノートルダム清心女子大学国文学科卒業後、金城学院大学大学院修士課程修了。江戸文学を学ぶ。1980年「男の奇跡」で歴史文学賞佳作入選、作家デビューを果たす。1989年「東京新大橋雨中図」で直木賞受賞。2002年『おすずーー信太郎人情始末帖』で中山義秀文学賞を受賞。近著に『起き姫 口入れ屋のおんな』など。本作は「お狂言師歌吉うきよ暦」シリーズ4作目の完結編となる。

「2016年 『カナリア恋唄 お狂言師歌吉うきよ暦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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