- Amazon.co.jp ・本 (193ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163189703
感想・レビュー・書評
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「愛情など、断じて求めない、はずだった」 体外受精で生まれた温は出生の秘密を自らの手で明かそうと決意するのだが…。近未来を舞台に、人間が種として背負うべき未来への責任を問う書き下ろし長編小説。
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近未来の物語だが、人間が自らの遺伝子を操作することに高いレベルで熟達すれば、現実問題としてこんな状況が決して珍しいことではない世の中になるのかもしれない、と戦慄さえ覚える。自然な営みや、本能としての愛の探求。そんなものが、懐かしい過去の話になってしまう日が来るかもしれないというのは、恐ろしさもあり、寂しさもある。そして、彼らが抱える葛藤は、決して彼ら自身が望んだことではないのであり、その理不尽さには胸が痛む。もがきながら懸命に自分を探して生きている彼らが、愛おしくもあり哀しくもある。この世界に幸福はあるのだろうか、と考えさせられる一冊でもある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この手の父息子ものが長野まゆみは好きなんだとよくわかった これの後に左近の桜かと思うと辰と温は柾と桜蔵と殆ど相似だ 最後の「おまえのその狂いかたは、好きだぜ、」という台詞は好まざるを得ないので★4
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複雑でした。それは、もう、いろいろと。
科学が進歩するといろんなことができちゃいますね。
怖いな。 -
親族同士の関係がややこしい・・・。
性が遺伝によって混合して生まれてくる家系の人たち。
性の障害について、考えさせられる。 -
2012年8月22日
<summer camp>
装幀/大久保明子
写真/Ben Simmons/pps -
夏休暇も間近なある日、湾岸校に通う温は、ルビと名乗る少年から「契約」をもちかけられる。無口な少年と、手癖のわるい女の子、二つの人格をそなえたルビを、離れて暮らす母は「あなたの弟よ」というのだが――。生殖医療の発展した近未来を舞台に、人をこの世につなぎとめる愛、血脈を越える絆を描き出す傑作長篇。
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何回目かわからない読み直し。
体が反応する相手が唯一とか・・・ときめく。
血縁関係と戸籍を見比べるとおもしろいw