- Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163207209
感想・レビュー・書評
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出会いは偶然。
友人とのLINE、勢い余った予測変換で突如現れた「クチュクチュバーン」
クチュクチュバーンとは。何。調べたらそういうタイトルの本があるやんけ。
で、あらすじを眺めたところ訳がわからなかったので読んでみました。
感想、何か言うのはとてもむずかしい。
脳内で映像化するに、だいぶ最悪な終末。
ゲロまみれ、糞まみれ、血飛沫脳漿ありとあらゆる体液、飛び出るはらわた、吹っ飛ぶ頭、砕け散る骨という骨、千切れ飛ぶ四肢。
思考することを放棄するしかない世界。
考えても考えなくても、立ち向かっても立ち向かわなくても結局みんな意味もなく死ぬ世界。
そういう世界なんだからそうなんである。以上。
色んな世紀末やディストピアあるけど、絶対嫌だな、この世界。
でもあまりにぶっ飛びすぎてて、この世界とは地続きには思えなくて、トンチキな夢を見てるみたいで、目の前の光景は最悪だけど意外に気分は悪くない。
読んでる間、なんでか弥次喜多in DEEPを思い出して、
そういえば表紙はしりあがり寿だなぁなんだかすごくしっくりくるなぁと思った。混沌と混沌と混沌。
巨女の女性器挽肉器の辺り読んでる時、黄泉の国の手前のスーパー銭湯みたいなところで死んだ人の魂がみんな荒川良々のシーン、でっかい山が荒川良々で、その尻の隙間から良々の屁に乗って弥次さんが現世に戻るシーン(映画の方です)何故か思い出してた。特に何かリンクするわけでもないんだけども。
なんでだろう、読んだことない世界だけど読んでる間、色んな作品が想起された。それぞれの世界が、それぞれの絶望が、それぞれに描かれて、それぞれを味わうことのできる私自身という存在の幸運。
なんにせよ、直腸出しをしないですむうちに死にたいものだ。
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装画/しりあがり寿
装幀/大久保明子 -
クチュクチュクチュクチュクチュバーーーーーーーーーンドドドドドドドボボドボドボクチュクチュババババババーーーーーアアアーアーアーアーアーアーン
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「ハリガネムシ」より好き。
「人間離れ」は笑える。 -
これは一回読んだだけでは理解が出来ない…いや、何回読んでも理解出来ないのだろうけど、この世界を想像し切れずとも面白い。
輪廻転生して、いつか私も球体に10本の足が生えた姿になり、でも今の人間と変わらない思考で生きる時が来るかもしれないが、今生と同じく争いに巻き込まれずひっくり返って自死を選ぶことなく蠢いていたい。
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蜘蛛女、巨女、シマウマ男に犬人間…。デタラメな「進化」の行方は? 奇想に次ぐ奇想で選考委員の絶大な支持を得た文学界新人賞受賞作。表題作のほか1編を収録。(アマゾン紹介文)
ジャンル分類が難しい小説だ。
一言で表すなら、おぞましい。その中に、破滅への願望や集団心理への迎合、グロテスクかつナンセンスでユーモアもある。
読み進めたいというよりは、読み終わりたいと強く思った。 -
こんなにどうしたらよいのか分からない本を読んだのは初めてかもしれない。
人間がバラバラの進化で異形の物に変わっていくのですが、とにかくぐちゃぐちゃどろどろおどろろろろろです。色々な形態の元人間たちが変容していくのですが、地球自体が意思を持って全てを圧縮して再爆発するような本です。まさにクチュクチュバーンとしか言いようがない。とんでもない奇書だと思います。読んでもらう以外に伝えようがない・・・。 -
帯には「意味あんのかよこんな世界!!」とあるが…
ちょっと抽象的過ぎで話についていけてるかどうか自信ない感じ。
逃げ惑う登場人物の有り様は、会社などなんらかの集団の中で起こっていることのカリカチュアのようであり、面白く読める気がするようであったりもするのだが。。。
ちょっとすごい本。
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いつ読んだのか忘れてしまったがいまでも各エピソードが鮮明に想像できる。筒井先生チルドレンなのは間違いないが乱暴な文学的メタファーはこちらの勝ち。希望、愛、実存、多岐にわたるテーマを内包しつつ強烈な異世界描写は凄まじい。
大傑作だと思うのだが・・・。 -
もう、読み返すといったことは避けたい一冊。
暴力的な小説として、その代表例に挙がってもおかしくない一冊だと思う。芥川賞の受賞作「ハリガネムシ」よりも、アクの強い、あるいはエグい、二篇だった。同時に小説でなければ表現出来ない描写や、官能的表現が作風に合わない程に上手かったり、不条理な世界に存在する登場人物への容赦の無さと客観的な乾いた文体。人間の狂気を徹底した分析と予測した様な内容。漫画で言えば「GANTZ」や「寄生獣」を彷彿とさせ、上回る出来だと思う。人によっては生理的に受け付けなかったり、度が過ぎて滑稽にも映るかもしれない。挿話として、幾つかの同じ世界の違う場所での出来事が2~3ページで展開されていたが、その中身の濃さと勢いとその後の静けさを濃縮した部分は圧巻で、開いた口が収まらなかった。そのため、読者も本書はある程度の覚悟か勇気を要すると思う。
自分も、そんなことは避ければいいのに、一部分を列車内で読んでいたことによって、気分が悪くなった。
ともかく、この一冊というのは、吉村萬壱という作者じゃなければ描けなかった物語だったと、ある種の確信を、読み終わった者は思うはず。