杖下に死す

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 47
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163223001

感想・レビュー・書評

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  • レビューを書くにあたりピッタリな言葉が見つかったのでちょっぴり浮足立っております

    「喰らった」

    もうめちゃくちゃハーバード大学じゃないですか!間違えたハードボイルドじゃないですか!!

    傾向として確実にあると思うんですね
    男性が好む物語と女性が好む物語
    それは世の常識(偏見と置き換えてもいい)によって造られたものであるかもしれませんし、もちろん例外はたくさんあるわけですが、全体的な傾向としては「ある」ということを認めないわけにはいかないと思うんです

    で、この『杖下に死す』はどちらなのかという話になるんですが…答えはどちらでもありません(えええ?!)



    「漢」が惚れる物語に決まっておろうがバカタレが!

    いやぁ、それにしても女性の指南役のみんみんと漢の指南役クマさんがいるワタクシが時代小説道を突き進み時代小説黒帯になる日は近いわよ!(結果最後はおネエ)

    • おびのりさん
      そうなん?
      ハードボイルドね。みんみん、BL系ハードボイルドは読了済みじゃないの?
      ひまわり師匠、正欲 お待ちしてますよ。私は、文庫化待ちで...
      そうなん?
      ハードボイルドね。みんみん、BL系ハードボイルドは読了済みじゃないの?
      ひまわり師匠、正欲 お待ちしてますよ。私は、文庫化待ちです。
      2023/04/18
    • みんみんさん
      ヤクザ系なら詳しいけど( ̄▽ ̄)
      ヤクザ系なら詳しいけど( ̄▽ ̄)
      2023/04/18
    • ひまわりめろんさん
      そうなんです!
      人生ハードボイルドのワタクシが言うのだから間違いありません
      ひまわりめろんて名前からしてハードボイルドやないの
      そうなんです!
      人生ハードボイルドのワタクシが言うのだから間違いありません
      ひまわりめろんて名前からしてハードボイルドやないの
      2023/04/18
  • 光武利之。僕にとっては一杯飲み屋の親父であるのだが、本作においては2本刺しの武士であった。本来ならこの作品を先に読み、その後「独り群せず」を読むのが普通なのだが安価で仕入れる僕に順番は関係なかった。それよりも逆転のパターンの方が面白くも感じられた。

    「杖下に死す」

    「独り群せず」ではあの土方歳三にもう二度とやりたくないと言わせた元旗本である。お庭番筆頭の村垣家の家に生まれた利之の大塩平八郎の息子格之介との友情を描いた作品。友を制することなく行かせてから自分が後始末的なところがあって少し?的な感覚になるのだが、やはり武士の世界とはこんなものなのかもしれない。

    それにこの作品がこんな展開でなければ、自作への繋がりが見えてこないから不思議である。それに自作の中で暗殺されてしまう内山彦次郎との関係も面白い。新選組の4人掛りに相対しながらも仇を討とうとする利之の気持ちもこれを読んで初めて理解できる。

    実は両作品とも読み直しをしているがやはり前後半を逆転していたほうが面白いかと!

  • 「林蔵の貌」とも微妙にリンクする、江戸中晩期モノ三部作の一つ。
    時期的に「楠木正成」等残照感溢れる、「武王の門」以来続いたアツ過ぎる歴史ハードボイルドに食傷気味だった時期に敢えて読まなかった一作なのだが、刊行当時に読まなかったのが非常に悔やまれた。

    国家権力に「ことば」と「正義」で立ち向かおうとする大塩平八郎、父の苛烈すぎる「知行合一」と漠然と拡がる現実と大阪の底深く沈む闇との間で苦悩する息子の格之助の相克、そして独りの男として、たった一人の友として、剣を通じて友を救いたい主人公・光武利之の揺れる想い。
    さらに、脇を固める内山彦次郎の利之や格之助に対する「悪党にも善人にもなれぬ屈折した想いと憧れ」、そして仙蔵やお勢や居酒屋・数田屋の親父との血の通った、形は違えども心の通った「繋がり」。

    そしてそんな想いや暖かさを嘲笑うかのように背後に見え隠れする「国家権力の闇」、そして捨て身の大塩親子の決起すら権力闘争の都合のいい道具にされ、そこに残ったやり場のない虚無感。
    後の刊行となる「水滸伝」にもテーマが繋がる、人の温かみのある「ハードボイルド」、そんな新機軸が滲み出た一作です。

  • 大塩平八郎の乱の話。
    珍しい題材に食いついてみれば、私が食われる勢い(あぁぁ
    利光が主人公というコレもまた珍しい主人公。(利光は村垣御庭番の外子との設定。
    すげぇぇぇ。頭からぱっくり。そして、どっぷりですよ(へへへ

  • 「男の死に様、すなわち如何に生きるか」を普遍的なテーマに幕末大阪、四年来の飢饉は世相を文体を暗くし、主人公と大塩らの与力の葛藤を描く。

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著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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