花まんま

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163238401

感想・レビュー・書評

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  • 2021年7月24日
    幼い頃の家や気持ち、共感できる思い出がたくさんあった。
    その中に不思議なことが起こる。
    トカピだったり、送りん婆だったり、生まれ変わりだったり。
    どれも身近に起こりそうな不思議だ。
    起こっているに違いない。
    トカピと花まんまが好み。

  • 直木賞・芥川賞受賞作が必ず置いてある高校の図書室で初めてその存在を知った、朱川湊人さん
    花まんまというタイトル、そして少し古い感じを出している表紙から、正直最初は読む気がしなかった笑
    でも、やっぱり直木賞はちゃんと読んでおこうと決めたのだから、と読み始めたら見事にはまってしまいました!!!!

    短編集となっているのですが、「ノスタルジックミステリー」な世界が最初から広がっています。
    経験したことないのに、なんだか懐かしい情景に引き込まれました。
    女性の回想語りなんて、本当よく書けますよね、天晴れです。

    わたしはやはり表題作の「花まんま」が好きです。
    成長していくにつれて妹がどうにもおかしい。
    自分より年下なのに、随分と大人っぽい。
    描いている絵も、誰かの記憶に基いたものらしい。
    妹はいったいどうしたの?という謎に迫るお話です。
    最初に読んだときに感じた、妹の不気味さ、そして背筋の凍る感じ、今でも覚えています。
    ていうか、私がいうより、一度読んでもらえばわかると思います笑!!
    ほろりとくる、今までに読んだことのない面白さを味わい、朱川湊人さんについていこうと感じた瞬間でした。

    今まで知らなかった世界をのぞき見ることができます!
    是非ご一読あれ!

  • 2012 3/3読了。つくば市立図書館で借りた。
    朱川湊人は友達が面白いと言っていたので読みだしたのだけれど、その本人が特に好きだと言っていた本。
    『都市伝説セピア』と同様にノスタルジックな、昭和の頃の、不思議な話を集めた短編集。
    舞台が大阪、それも下町、というところがどの話にも共通している。

    なるほどその友達が好きだと言うのも納得するくらい、良い話が多い。怖さとのバランスが、『都市伝説~』がホラーよりなのに対して、こちらは切なさとか暖かさより。
    「妖精生物」はちょっと救いがないけれど(でもそんなもんだという気もする)、他はどれも優しい。
    「トカビの夜」や「花まんま」、「凍蝶」はグッと来たし、「摩訶不思議」と「送りん婆」は不思議だけどユーモラス。
    いい本だった。

    ・・・ってこれ直木賞とってたのか!
    なるほど納得。いや、賞をとってたことのほうに。

  • 初読。図書館。初の朱川湊人さん読み。初めてがこの作品でよかった。うるうるして涙をこらえた短編も多く、フシギナ雰囲気を醸し出すのもうまい。勝手にもっとコワイホラーを書く人なのかと思っていた。特に表題作のラストのお兄ちゃんは秀逸。続けて別の作品を読んでみたいと思えました。

  • 活気ある商店街、子供たちのはしゃぐ声、狭い通路にギュッと並んだ家。昭和を経験していないのに何故か懐かしく恋しくなる短編集。
    タイトルにある花まんまが春の終わりに散る桜のように儚くて一番好き。

  • 大阪の下町の小学生たちの思い出を綴った短編集。どの話も少し現実離れして妖しく幻想的で物悲しいけれどたくまくしく健全でもあり。ほろっとせつなくなって、でも前を向けるような作品たち。
    私も関西で育ったので懐かしい話題があちこちにあり(パルナスのCMなど)、より一層の親しみを感じた。

  • (ええか、フミ子。お前のとお父ちゃんは、あのお父ちゃんなんやで。お前が生まれた日、バンザイ、バンザイと叫んでいたお父ちゃんが、お前のお父ちゃんなんやで)

    やばい。
    これやばい。
    〝花まんま〟ってこういう意味だったのか!!!

    やばい。
    大好きな司書さんおススメなだけある。
    妹を大切にしている姿に、必死な思いにもう涙がとまらんのですよ。

    あーーー。
    トカビからの摩訶不思議の出来事からの花まんま。

    これはさっそくおススメしよう!
    いや、でも、
    特別な人に勧めたいかも。

  • 昭和の30年代、普通にあった話のようで、それぞれスゴイ話。

  • 切なくて、ほろりとさせてくれる物語でした。直木賞とった時に読んだので、中高生の時でしたが、登場人物の背負う因果の重さに辛くなりました。ほろ苦い懐かしさが心に残ります。

  • 『ウルトラQ』的な世界。
    ノスタルジック・ダークファンタジーの傑作短編集。

著者プロフィール

朱川湊人
昭和38年1月7日生まれ。出版社勤務をへて著述業。平成14年「フクロウ男」でオール読物推理小説新人賞。15年「白い部屋で月の歌を」で日本ホラー小説大賞短編賞。17年大阪の少年を主人公にした短編集「花まんま」で直木賞を受賞。大阪出身。慶大卒。作品はほかに「都市伝説セピア」「さよならの空」「いっぺんさん」など多数。

「2021年 『時間色のリリィ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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