骨の記憶

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 204
感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (508ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163279602

感想・レビュー・書評

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  • 中程まで読んだところ。 前半はある人物の半生記という感じで 作風が変わったかと思った。 中程で動きが出てきて俄然面白くなった。 後半が楽しみ。

  • 戦後東北の田舎で貧乏家族5人兄弟の長男と、金持ちぼっちゃんが秘密を共有する。
    戦後の街の猥雑な感じはよかったのですが、回収されてない伏線や結末の呆気なさがちょっと不満かもしれない。

    女性器の表現やねっとりとした男性的な厭らしさが作品に色を添えいましたが、やはり「そこからどうしたいの?」って疑問に思うのでスッキリしない。でもそんな事を思いつつ一気読みしました。テンポも良いし、いい作品でした。
    楡さんの作品はこれが初見です。

  • 一線を越えてしまうと、止めどなく悪の世界へ行ってしまうということやね。でも極悪人(他称)の心をくすぐってくれる作品ですね。

  • 一気読み。
    男も女も、人間ってコワイ…

    サクセスストーリー的な部分も、人間絡みで面白かった。

    ラスト、少々呆気なくて残念でした。

  • 県立図書館。

  • 末期癌で苦しむ夫を支える妻のもとに死んだ筈の男から宅配便が届く。頭がい骨と手紙。誰が、なぜ?

    昭和の男の一代記であり、格差・貧困への恨み節と復讐の書。
    分厚いけれど一気に読んでしまった。

    Always三丁目の夕日の様な美しい昭和では無く、泥臭い肥だめと垢でまみれた金の香りの漂う昭和の話。
    そして真実を知った女性は恐ろしい。ドラマ化出来そうー。

  • 他の作品と違って半生記?と思って読んでいたら、ビジネスのアイディアや土地売買の駆け引きなど、楡周平らしさもたっぷりで大満足。人格の変わり具合も見事。一見不要なように思えるエピソードも、心情の描写につながっていてとても効果的。

  • 幼馴染のおぼっちゃんの裕福さと傲慢さへの反発心をもった殿方が
    思いがけず手にいれた資産から戦後成り上がっていくお話。

    一応ミステリにカテゴライズされてる本デスが
    謎解きとかより人間ドラマ方面に重点が置かれてる模様。
    書かれている時代が時代だけに泥臭いんデスけど
    古臭さを感じさせないのはこの作者さんのちからなのかも。

    悪いことしたら
    隠したり 誰かのせいにしたりせず
    きちんとごめんなさいって謝んなきゃって
    ラストのあまりにもの怖さに素直に思ったことでシタ。
    ぶるぶるぶる。怖えぇぇよぉ(泣。

  • 『Cの福音』以来、いつも期待を裏切らず愉しませてくれる楡周平。
    心身ともに最悪の状態にありながら、
    500ページ以上の長編をわずか3日で読了してしまったというだけでも、この作品の面白さは証明してくれるが、それを言っても始まらないから
    どんな話かを忘れないうちに書いてみる。
    主人公は東北の極貧家庭に生まれ育った男。
    もっとも、ちょっと昔までは一部を除き、
    どこも似たようなものだったのかもしれないが、
    とにかく主人公は中学卒業後、
    『就職列車』に乗せられて、
    集団就職で上京し、ラーメン屋で働くも、
    薄給でこき使われ、先は全く見えてこない。
    そんな時職場で知り合った男は、
    天涯孤独の身でありながら、
    祖母から千葉の土地を譲り受け、
    幼い頃戦死した父の軍人恩給があり、
    金に不自由しないためか、
    悪さばかりしている。
    ある日、アパートに彼が泊まりに来た晩、
    外出から主人公が戻ってみると、
    アパートが火事で焼け、
    その男も焼死していることを知り、
    主人公は今までの自分を捨て、
    その男に成り代わることを決意してから、
    人生が劇的に変化する…
    一人の男の数奇な人生譚としてだけでも
    十分面白いのだが、
    それからの展開には、
    非常に実際的なビジネスの方法論が入っていたり、
    高度成長期から現在に至る
    わが国の近・現代史が鮮やかに描かれ、
    最後まで退屈させない。
    また、敢えて触れなかったが、
    プロローグとエピローグの存在が、
    本編により一層の重みを加えてくれる。

  • いままで読みました楡さんの作品とは、少々毛色のちがったものでした。 冒頭、宅急便の段ボールから人骨が出てくる・・・というくだりからずっとさかのぼり、その骨を送りつけてきた人物の人生が、幼少時からたどられていきます。 時代設定が昔ですので、その当時の田舎のこどもたちの様子なども興味深く、いっきに引き込まれて読みました。 テーマが暗く、さいごまで救われない思いが残りましたので、評価は「3」といたしました。

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著者プロフィール

1957年生まれ。米国系企業に勤務中の96年、30万部を超えるベストセラーになった『Cの福音』で衝撃のデビューを飾る。翌年から作家業に専念、日本の地方創生の在り方を描き、政財界に多大な影響を及ぼした『プラチナタウン』をはじめ、経済小説、法廷ミステリーなど、綿密な取材に基づく作品で読者を魅了し続ける。著書に『介護退職』『国士』『和僑』『食王』(以上、祥伝社刊)他多数。

「2023年 『日本ゲートウェイ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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