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Amazon.co.jp ・本 (616ページ) / ISBN・EAN: 9784163521206
みんなの感想まとめ
人間の精神的な傷や過去の影響を深く掘り下げる作品で、特に自身の人生のターニングポイントを探求する姿が印象的です。主人公が直面する不幸や暴力の連鎖は、読者に強い憂鬱感を与えますが、それと同時に人間の持つ...
感想・レビュー・書評
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ある種の精神の傷は、一定のポイントを越えてしまえば、人間にとった治癒不能なものになる。それはもはや傷として完結するしかないのだ。
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自ら望んで死刑になったゲイリーギルモア。その弟が書いた、モルモン教から続く流血の歴史をまとめた作品。あまりにも不幸まみれで憂鬱な気持ちになること請け合い。昨年読んだ本の中で最も面白かった。
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自分の人生がどこでどうなって今に至ったのか。誰でも考えることだけど、「これだ」と言える一つのターニングポイントを見つけ出す(選び出す)まで徹底する人はいない。『心臓貫かれて』は、自分の人生がなぜDVとか殺人とか血塗られたものになってしまったのか、それを生まれる前まで遡ってターニングポイントを探す話。結局、見つからずじまいなんだけど、捨てられた子犬のように過去にすがりつく姿が、痛々しかった。未来に希望を抱くことって、口で言うほどたやすくない。こういう人達が、日々同じ列車に乗って同じ空気を吸っていることを、心のどこかで憶えていたい。
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辛い本だった。
でも、できればもう一度読み返したい。 -
村上春樹がエッセイで『心臓を貫かれて』を是非読んで欲しいと書いていたので、本屋で見つけて即購入した。この本はノンフィクション。殺人を犯したゲイリー・ギルモアとその家族の話である。
−−−ギルモア一家にとりついた死霊の系譜が語られていく。でも、本当に怖いのはむしろ生きている人間である。−−−
ゲイリー・ギルモアは二人の青年を射殺。弁護士を通じて死刑を要求し全米から注目されるなか執行される。当時、死刑の廃止の潮流にあったアメリカの流れを変えるきっかけになった。
この本はゲイリーの実の弟マイケルが書いた本。
母ベッシーは
『奴らはゲイリー1人を殺せば、それで満足なんだ。アメリカで処刑される人間は、もうこの先出てこないよ。あのろくでもないモルモンどもは、私が憎いから、かわりにゲイリーを殺したのさ。あいつらがお前の弟の心臓を打って、地面に落としたんだ。』と兄フランクに叫び、苦しんだ。
村上春樹はあとがきで「トラウマのクロニクル」(心的外傷の年代記)と表している。ゲイリー自身も父親から傷つけられたり、犯罪を犯して刑務所に入り、残虐的な生活を送っている。
何度も刑務所に入るゲイリー。家族は保釈金を積み立て、ゲイリーに希望を託したが無惨にも裏切られた。更正の道は無い。
家族の繋がりの強さを感じた。マイケルは何度もギルモア家から逃げようとする。しかし、逃げられない。そして心の底では兄ゲイリーのことを深く愛している。 -
二人の殺人を犯した犯人の、家族による手記。毒親に育てられた子どもの悲惨さ、目を覆いたくなる毒親の有害さ。
読み終えると「死刑執行人の歌」を読まずにはいられなくなった。 -
今のところ、今年一番読んでよかったと思う本。読んでる間はほんとにきつくて毎回戦いを挑むような気持ちだったけど、頁を開くとするする読めてしまう。というか読ませられる。自分も家族についていろいろ考えていることが多いので、よくわかるなぁと思えたり、筆者が言語化してくれて頷けるところがあった。あとは、シリアルキラーの気持ちもわかってしまう部分があり、自分もいつかそっち側にいってしまうのではないかという恐怖や苦痛を感じたときがしんどかった。でもやはりもっとしんどく感じたのは少年院や刑務所でゲイリーが体験したことの描写だ。そこでどれだけ彼が痛めつけられ傷つけられたのか、想像すると私の体まで痛くなりそうだった。
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第52回ビブリオバトルinいこまテーマ「ワル」で紹介された本です。
2017.11.26 -
書き手と翻訳の才能があふれてる。
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心臓を貫かれて
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まさに心臓というか、心を貫かれたような作品でした。
アメリカの暗い側面が残る地域で暮らす家族の物語から始まり、家族の中で起きてしまう、諍い、暴力、そして犯罪。
決定的な犯罪を行ってしまった家族の一員によって、残された家族は様々なトラウマと重い贖いを抱え続ける。
そんな中にも愛情は生まれ、そして喪失されていく。その喪失は落差による反動でとても大きなものになる。
家族、兄弟、生きること、死ぬこと、それらに自分はどう向き合っているか?そんな深いことを考えさせる作品でした。
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☆兄が殺人で銃殺刑。モルモン教徒しての歴史、家族の歴史、父のことなど。
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モルモン教がどういう宗教か、というところが肝。
家族に伝わる、悪の神話の告白。
作者は書くことによって救われたのか、否か。
そして読む者は? -
読んだきっかけは村上春樹が翻訳したことと主人公が偏頭痛持ちであったこと。
偏頭痛に悩んでいたこともあり、この物語のなかに漂う不気味な雰囲気は良く理解できる。芥川龍之介の歯車も同じような空気感があったがこの人も偏頭痛持ち。
常に頭痛の中にいるような救いようのない気分が共感できたしその雰囲気がうまく翻訳されていることにも村上春樹の力量を感じた。 -
一番最後に思いもかけないオチがあり、ますます絶望的な気持ちになった。
大人によって子どもは歪められ、その大人もまた、子どもの頃に大人によって歪められている。程度の差こそあれ、誰でも。 -
厚くて表紙もいまいちだし、手を伸ばせなかったのだけれど、読み始めたら止まらなかった。
社会的に重大な意味をもつ殺人事件があって、それの原因というか「因果応報」てきな物を犯人の弟が見ようとするのだけれど、漠として掴めず……。
それでも、その時代のアメリカの空気はよく伝わったし、親子関係、なにがその人に最も影響をもたらすのかもよくわかった。
村上春樹の訳も、本人の文体は押さえ気味ですごく読みやすかったと感じた。 -
アメリカの片田舎、とあるモルモン教徒の閉鎖的な一家を襲う不可解な事件の数々。殺人犯となった兄を持つローリングストーン誌の記者によるノンフィクション。
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借。ノンフィクションは苦手で読まず嫌いだったけど、村上春樹訳というので挑戦。結果、本当に読んでよかったと思う。とても丁寧に書かれているのがわかるし、誇張もせず淡々と書いているのに、心にぐりぐりと押してくるものがある。本を読むときに文字の間には自分の感性というものがあるとおもっているのだけど、この本はすべてが文字で説明されていて、全て委ねて最後まで。読んで面白かったではすまされない、購入して保存に決定。久しぶりに買うべき本だと思った1冊
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逗子図書館にあり
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