この社会で戦う君に「知の世界地図」をあげよう 池上彰教授の東工大講義

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163758008

感想・レビュー・書評

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  • へー。がたくさん詰まっています。しかもなんとなく聞いたことがあること、なんとなく知った気になっているテーマでのへー。なので、すんなりと入っていきます。そのへー。を自分のものにすると、それは自分の教養になるのだと思います。
    理系と文系の分断。ただ、それぞれが生きる社会ひ一つ。分断している問題はそれぞれが社会の中で生かせていないこと。3.11で明らかになったこの問題。
    原子爆弾はアメリカよりも日本が一年早くドイツのウラン核分裂成功をきっかけに始めた。しかし国を挙げたアメリカ、個人に限定される日本、この問題は現在も続く。
    領土。日米安保で極東の範囲が問われた。米軍は日本を守るためにいると思っている人が多いがそれに加え極東の平和を守るためにいる。だから日本の駐留がアメリカに重要とゆう議論になる。世界地図は大英帝国時代のイギリス基準。中東も。

  • [読んだ理由]==================
    日経電子版に連載されてるのを見かけて、気にはなってた所に、義父から読んでみないかと貸してもらった。


    [読んだ後の感想]==============
    ジャンルは幅広いので一つ一つのテーマはどうしても浅くなってしまう。けどその浅さでも知らないことがいっぱい。そして池上さんならではの視点・ポイント解説が相変わらず秀逸だった。


    [読書録]======================

    ■第一回:科学と国際・実は原爆を開発していた日本


    ■第二回:国際情勢・世界地図から見える領土の本音
    米国中心の世界地図を作ると、インドシナからインド、パキスタン付近が分断され、右と左に別れ、位置関係が不明確になります。米国人の中には、アフガニスタンやイラクの場所がよくわからないという人が意外に多いのではないかと思わせられる地図なのです。

    ■第三回:憲法・日本国憲法は改正すべきか?


    ■第四回:金融・紙切れを『お金』に変える力とは


    ■第五回:企業・悪い会社、優れた経営者の見分け方
    その時時の大企業が学生の人気企業です。これに対して、生まれたばかりの企業は、人集めが大変です。中小企業に好んで入社する人は少ないからです。でも、会社が発展すると、やがて大学生が会社訪問に来るようになります。更に発展すると、所謂銘柄大学のエリート学生までが応募してくるようになります。でも、実は其の頃には、その会社は最盛期を過ぎているのかもしれません。大学生の就職人気ランクの上位に位置するようになると、その企業は停滞期が間近いかもしれないのです。

    社長や会長を終えたら、代表取締役の肩書きはさっさと返上しないと、後任の社長や会長は、自分の思い通りに経営ができません。いつまでも会社にしがみつくような人に蝕まれた会社は、時代の波に乗り遅れる可能性があります。これぞ老害です。

    本当に優れた経営者とは、社員たちが、「うちの会社が発展したのは、われわれ社員が頑張ったからです』と、自分たちに自信を持てる会社を実現した人々です。こういう会社は、経営者が敢えて口をだすのを控えて、社員の自主性に任せています。そうなれば、経営者が去った後も、その会社はやっていけるのです。


    ■第六回:経済学・経済学は人を幸せにできるか
    明治の始め、海外から入ってきた「エコノミクス」という学問の名称を日本語に訳す際、中国の「経世済民」という言葉を参考にして、「経済」という用語が創りだされたのです。

    今後、何かの行動をとる時、貴方は、別の何かの可能性を犠牲にし、機会費用を払っているのです。其のことを自覚するようにしましょう。

    経済学が対象にする「人間」と言うのは、金銭て気理由で合理的に行動するものだと考えられている。経済学では「合理的経済人」という架空の存在を想定します。最近は、人間は合理的な行動を取らないことを前提にした経済学も生まれました。それが「行動経済学」です。

    潜在成長率:企業が持っている生産設備をフル稼働して、経済活動が活発に行われるようになっている状態の時に実現できる成長率


    ■第七回:世界経済・リーマンショックとは何だったのか?


    ■第八回:社会保障・キミは年金に入るべきか
    保険ですから「受け取れないのは損だ」という発想は、本来おかしいのです。例えば生命保険・「貰わなければ損だ」といって早く死ぬほうが得という考え方はおかしいですね。損害保険の保険金がもらえるように自動車事故を起こそうとは、普通の人は考えません。保険料が「無駄になる」のは、本来良い事のはずなのです。


    ■第九回:メディア・視聴者が変える21世紀のテレビ
    米国で放送局を監督する米連邦通信委員会は1987年、放送の公正原則を破棄しました。放送局の数が激増し国民は多様な言論を享受できるようになったので、放送内容も多様で良い、との考え方に基づきます。


    ■第十回:宗教・オウム真理教に理系大学生がハマったわけ


    ■第十一回:社会革命・「アラブの春」はほんとうに来たのか?


    ■第十二回:アメリカ・大統領選で分かる合衆国の成り立ち


    ■第十三回:中国・なぜ「反日」運動が起きるのか
    13億人の国民を経った9人が統治する構造。チャイナ・ナイン

    鄧小平は、天安門事件での若者たちの行動を見て、「愛国心が足りない」と判断。江沢民氏を共産党の総書記件国家主席に据えて、「愛国教育」を徹底させます。実際は「共産党を合いそう」というキャンペーンでした。中国共産党は反日運動の「五四運動」の高まりの中から生まれ、日中戦争の中で勢力を拡大しました。つまり「共産党を合いそう・尊敬しよう」というキャンペーンは、結果的に「反日教育」になっていったのです。


    ■第十四回:北朝鮮・「金王朝:独裁三代目はどこへ行く


    ■第十五回:白熱討論・キミが日本の技術者ならサムスンへ移籍しますか?

  • 東工大の大学生向けに行われた講義録。
    「知の世界地図」という題名に惹かれて購入。

    う~ん……「知の世界地図」というタイトルから想像する内容が、エマニュエル・トッド的なものだっただけに、ちょっと肩透かしを食らった気分。

    堺屋太一の東京大学講義録の方が私的には面白かった。

  • とても分かりやすかった。こんな講義ならいくらでも受けたい。
    他の著書も読んでみようと思う。

  • Kindleにて

  • 終戦日は戦争が終わった日ではない。日本独自の日

  • 池上さんって東工大の教授だったんですね!!

    学際・リベラルアーツ・教養・歴史
    非常に大事だなと再認識しました。

    どこかのまねのような気もしますが。
    この講義であればうけてみたいと思いました。

  • 以下各章の感想
    1 実は原爆を開発していた日本
    いつでも核爆弾を作れる技術と材料があるってことを抑止力としたい国家としては原発はなくならないのかもしれない。逆に核燃料サイクル技術が確立していたならすぐにでも原発中止と言っていたのかもしれないなあ。
    2 世界地図から見える領土の本音
    これはテレビでもやっていた。中国側からみると日本列島が見事にふたしてるのがおもしろい。
    3 日本国憲法は改正すべきか?
    憲法9条の<前項の目的を達成するため>は永田町文学に受け継がれている
    5 悪い会社、優れた経営者の見分け方
    株の持ち合いってのがオリンパス事件に発展したんなら、自社株購入制度も問題なんだろう。
    7 リーマン・ショックとは何だったのか?
    評論家と言い格付け会社と言い自分の言動に責任を取らんよなあ。フィナンシャルプランナーも昨日テレビでお給料が上がってくるのでもっとお金を使いましょう的なことを言っていた。訴えられんもんかねえ・・・
    8 君は年金に入るべきか
    長生きは健康に悪いとは言ったものである。そうか、年金は長生きするリスクに備えるものだったのか・・・ならば橋本さんの言うようにお金持ちは年金をもらう必要はないなあ。積立じゃなかったんだ・・ってのに驚き。個人年金保険とは違うのね。
    12 大統領選でわかる合衆国の成り立ち
    ティーパーティー党ってどんなんだって思ってたけど、成程弱者99%対茶会ね
    13 なぜ「反日」運動が起きるのか
    礼儀作法を守ること=「ブルジョワ的」ってなんじゃそら。赤は共産党の国だから「進め」とか・・・一度客観的に中華人民共和国建国後のドキュメンタリってのを見てみたい気がする。一党独裁じゃなくならなきゃ無理だろうけど。
    14 “金王朝”独裁三代目はどこへ行く
    ブータンてたぶんワンチク国王のお父さんがホンマにえらい人やったんやなあ
    15 君が日本の技術者ならサムスンに移籍しますか?
    一時期転職=ステップアップという時代がはやったけど、今じゃアドバイザーは、ま逆のことを言う。認められないから飛び出すってのは立つ鳥なんとやらで、戻ってこようとして断られるのもお互い様な感じ。辞め方って大事。積み上げていかなきゃ転職のたびに給料も下がっていくし、満足のいく仕事ももらえないんじゃないかな。青い鳥みたいだけど。

  • 今さら聞けないけど、よくわからなかった事を丁寧に解説してくれている本。読んで良かった。

  • 年金問題から「アラブの春」や「反日運動」まで、話題が盛り沢山。”今”の話が中心なので、少し時間が経つと古い情報になってしまうところもあるが、勉強不足の私には知らなかった背景事情も多く、それらが分かりやすく説明されているので勉強になった。確かに「現代社会の歩き方」と題する講義だけのことはある。日経新聞に連載されていたようなので、ネットで検索したら、有料だった。残念。

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著者プロフィール

池上彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在9つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』『「見えざる手」が経済を動かす』『お金で世界が見えてくる』『池上彰と現代の名著を読む』(以上、筑摩書房)、『世界を変えた10冊の本』『池上彰の「世界そこからですか!?」』(以上、文藝春秋)ほか、多数。

「2023年 『世界を動かした名演説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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