代官山コールドケース

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 472
感想 : 81
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  • Amazon.co.jp ・本 (468ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163823904

作品紹介・あらすじ

川崎で起きた殺人事件の現場に遺されたDNAが指し示すのは、十八年前に代官山で起きたカフェ店員殺人事件の“冤罪”の可能性……。公訴時効撤廃を受け、再捜査の対象となった難事件に、特命捜査対策室のエース・水戸部をはじめとした刑事たちが挑んでいく警察小説新シリーズの第二弾です。あの街にまだ緑深き同潤会アパートがあったころ、少女の夢と希望を踏みにじった犯人の痕跡が徐々に浮かび上がっていくさまは、まさに警察小説、捜査小説の白眉。刑事たちの息遣いが胸に響く、傑作長編ミステリです。 (SY)

感想・レビュー・書評

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  • つい先日起きた神奈川県警管轄の殺人事件の現場から、以前解決したはずの17年前の別の警視庁管轄の事件の現場に残っていたDNAと同じものが見つかった。手口も似ている。

    17年前の事件には真犯人がいたのかもしれない。
    当時の面子を保つべく、警視庁捜査一課の水戸部は秘密裏に特命をうけて調査を開始した。

    これは久々に読むの止まらない話でした。
    じわじわと一つ一つ潰しながら真相に迫っていく様子がたまりません。
    特命捜査の2人、同じく密命を受けた科捜研2人、17年前の事件の現場にいたが捜査の方向に疑問を持ち続けていた捜査員。それそれがそれぞれに、とてもいい!
    最後の最後まで、ずーっと追い詰めていくのですがなかなか明かされず。

    伏線もどんでん返しもありません。
    ただただ、緻密に丁寧に。
    読後は爽快な気分です。

  • 17年前解決したと思った事件が解決していない可能性があるというところから話が始まる。
    隠密裏に捜査を開始して2日間にわたる捜査に携わった特命操作対策の水戸部と朝香。
    短い時間の出来事を、それこそ資料に沿って再現するかの如く話は進みます。
    代官山は良くは知らないが、なんとなくイメージできる詳細な描写で臨場感を盛り上げています。
    段々核心に迫る様は圧巻です。追体験してみてください。

  • 手に取った時は4センチ近い厚みに怯んだが、スピード感のある展開で一気に読み進めた。
    震災復興のボランティアや医療従事者のストレスの切り口は、取材がヒントになっているのかな。
    いつもながら、並行する複数の伏線が後半収斂していくのが心地いい。

  • 大ボリュームですがあっさり読ませる力量はさすがです。特命捜査班、所轄、科学捜査研究員の三方向から、15年前の事件の真犯人を追い詰めていく所は荒唐無稽さが無くてある意味地味ですが臨場感があります。最近のド派手な警察モノに比べるとほんと地味なんですが、こういう地に足が付いているものも嫌いではないです。
    長年の経験を投影した警察機構の描写の重厚さと、代官山を重点取材したんだろうなと思わせる街の描写の細かさはお好きな人にはたまらないとは思うのですが、結構退屈感を誘うんですよね。知識って重要だなと思うんですが、物語の面白さと比例しないのが現実なんですよね。
    個人的に警察小説にはハードボイルド的な要素を求めてしまうので、価値は認めつつも「あんまり面白くないじゃん」という心の声を無視できないんですよ。

  • ふむ

  • 「地層捜査」で、新宿区の地形と時間軸を巧妙にリンクさせてミステリーの新境地を開いた著者が次に選んだ土地は代官山。オウム事件に揺れた1995年の殺人事件の真相解明に取り組むのは「地層捜査」で活躍した水戸部裕刑事。今回の相棒は子持ちの敏腕女刑事朝香千津子。相変わらず高低差ファンのマニア心くすぐりまくりです。地図と高低差マップを片手に読むべし。

    最後まで飽きずに読めたが、真相に突き当たるまで実に丁寧に描写しているのに、犯人の自白がなんかざっとしてるというか。ちょいとすっきりしない印象を持ったのは私だけではないだろう。あと、出てくる人物が皆なにがしか事件に関わっているというのはちょっと出来すぎではないかと。聞き込みにまったく空振りがないというのは現実にはあり得ないでしょう。サヴァン症候群の登場人物もちょっと中途半端。

    最後の朝香刑事の強烈なセリフにはスカッとしますが。

  • 第一弾と同様過去と現在を行き来するような構成。証拠、証言を積み上げていって、派手な展開はないが、過去の事件の真相を明らかにしてき最後に結論が出ていく過程は、ジグソーパズルのピースがハマっていく過程に似ている。最後が痛快。

  • コールドケースなのに2日で解決、早っ!
    その割に文章多く読むのは時間がかかった。
    なのでを使うの、ほんと萎えるから勘弁して欲しい…
    編集チェックしないのかな。
    編集が多分力量ないんだな。
    ↓下の方の吉田ミスにも笑った。
    忍者か!

  • 170311 中央図書館
    主人公と捜査パートナーとの掛け合いが延々と続くのだが、読者自身が臨場して捜査に加わっているようなスリリングな味わいもあり、悪くない。

  • 2017.1

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著者プロフィール

1950年北海道生まれ。79年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞しデビュー。90年『エトロフ発緊急電』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を、2002年『武揚伝』で新田次郎文学賞、10年『廃墟に乞う』で直木賞、16年に日本ミステリー文学大賞を受賞。他に『抵抗都市』『帝国の弔砲』など著書多数。

「2022年 『闇の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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