三国志 第十二巻

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (401ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163824406

感想・レビュー・書評

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  • 完結して,あとがきもある~魏では司馬懿の子の師が大将軍となっているが,帝の曹芳が放逸なためこれを廃し,拠を推したが,皇太后の郭氏は14歳の髦を指名した。司馬氏の専横を嫌った毋丘倹は文欽を誘って謀反を起こし,文欽を嫌う諸葛誕は同調しなかった。大将軍みずから軍を率い,先陣に王基を用いて,毋丘倹は兵に射殺され,文欽と一族は呉に亡命した。司馬師が病死し,弟の諸葛昭が浮上し,これを嫌った諸葛誕が謀反を企てて,10万の兵で司馬昭は寿春を包囲。呉の軍をはねつけ,内部の将兵も懐柔して,魏における地位を確固たる物にした。諸葛恪を排除した呉の孫峻は魏への侵攻に失敗し,滕胤と文欽を使って徐州を盗ろうとして急死。30台の孫?が建業で実権を握った。呂拠や滕胤を排除し,天下を収めたが,帝の孫亮はこれを取り除こうとして失敗し,兄である孫休が新帝となった。蜀は姜維が度々魏に侵攻するが,大敗を喫する。呉の実権を握った孫?は誅滅され,孫休は善政を行って民を慰撫した。魏の曹髦は親政を開始しようとして,司馬昭宅を襲おうとして話し相手に密告され,倒される。曹和の子・曹奐が新帝に迎えられたが,王となった司馬氏の時代が来ると皆が思っている。蜀を倒す機会を捉えた司馬商は,自ら洛陽に赴き,蜀には鐘会と鄧艾を送り,鐘会が姜維を釘付けにしている内に,鄧艾が劉禅を降伏させた。手柄を横取りされた感のある鐘会は鄧艾を誣告し,捕らえさせて自ら成都に入り,姜維の唆しに乗じて独立の道を歩もうとするが,服従しない諸将の配下が反旗を翻して殺害される。蜀は滅び,三国時代は終わり,孫休・司馬商も亡くなって,司馬商の子・司馬炎が登場する~三国時代の「教科書」だから,ちゃんとメモを取りながら読まないと自分が何処にいるのか見失う。系図と地図がないと迷子になります。もちろん,ありません。系図は書けるけど,地図は付属品だと大雑把すぎて判らない。まあ完結してホッとしているのは著者だけではないということで・・・。漢字は章の冒頭だけではなくて,空白行が入った後でも付けてくれているので安心するが,登場人物が多すぎて,しかも長々と説明をしたあとで,あっさり殺されていたりして・・・あれあれ。長~い,講義を終えて,砕けた青春時代の思い出を語る先生の姿をあとがきに見たが,小説家を目指した高校時代,正史を手にして読まなかった僕が,三国志を書くことになるとは・・・と動機を語っている

  • とうとう三国志が終わった。
    今までの吉川英治などの蜀を中心としたものと違い、正史のものからの見方で書かれたものであった。
    後漢の始まりから晋の始まりまでで本当の各国の状況を記している。
    歴史の好きな人はこの本は非常に客観的に書かれているのでそれはそれでよかったですね。
    他の三国志はどこかの国をメインに取り上げそちらを持ち上げているが宮城谷のものは中立である。良い。

  • やっと読み終えました。
    最終巻は司馬氏が主役になるので面白く読めました。

  • 最終巻である。正史の三国志をもとに、歴史の主役だけでなく、多くの脇役にもスポットを当てて描いている。蜀の最期を持って、完としている。最後の皇帝劉禅の描き方にも著者の優しさが現れている。

  • 宮城谷三国志完結。宮城谷さんの本はほぼ読んできた。三国志は長かった。

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著者プロフィール

宮城谷昌光
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。94年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年、第三回司馬遼太郎賞、01年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『草原の風』『劉邦』『呉越春秋 湖底の城』など多数。

「2022年 『馬上の星 小説・馬援伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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