- Amazon.co.jp ・本 (401ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163824406
作品紹介・あらすじ
前代未聞の宮城谷「三国志」、堂々の完結!曹操の祖父は宦官だった――かつてない地点から始まった宮城谷版「三国志」。最終巻の今回は蜀の滅亡=三国時代の終焉が描かれます。
感想・レビュー・書評
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魏軍の快進撃に蜀は浮き足だつ。遂に皇帝の劉禅は、魏への降伏を決定する。呉も孫休の逝去で衰退が始まる―。
<amazon商品詳細より>
呉の内乱と衰退、魏の内乱と蜀の滅亡。
どこも内乱だらけではあるが、呉の内乱がむごい。
権力争いだけに特化して、国の国力を下げるだけ。
魏では司馬氏が実権を握り、
それに反発する者たちの内乱が相次ぐが、
司馬氏の政治が悪いとは思われない。
だからこそ魏王朝から禅譲を受けて『晋』として成立したのだろう。
蜀の滅亡はあっけなかった。
何度も姜維が魏に攻め込んではいたが、何の結果も得られず、姜維の奮闘虚しく、劉禅は一戦に及ばず降伏する。
宮城谷さんの三国志にあるのは、ヒーローたちの物語ではない。
その時代に産まれ、生きていた様々な人たちの姿である。 -
蜀が滅び、魏が晋になり、呉が併呑されて
三国時代が終わった
ここまで続いた物語を読んだのははじめて -
こうして晋ができたんだ!
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【前代未聞の宮城谷「三国志」、堂々の完結!】曹操の祖父は宦官だった――かつてない地点から始まった宮城谷版「三国志」。最終巻の今回は蜀の滅亡=三国時代の終焉が描かれます。
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壮大な物語も終盤へ。
蜀の没落は劉禅のせいにされるが人材が枯渇しているなか大虐殺を発生させずに幕を降ろさせたのだから暗愚と決め付けられまい。
呉の滅亡までは詳述なし。 -
173年に及ぶ英雄達の歴史がいよいよ終わる。司馬兄弟は夏侯玄、諸葛誕らを死に追いやり、魏の実権を握り、司馬師の病死後、昭は蜀を滅ぼす。呉も孫綝の独裁を取り除こうという企みが。蜀の最後の将軍・姜維が最後の秘策を考える中で、洛陽に着いてからの蜀の廃帝劉禅の脳天気ぶりが寂しい。これが正史であれば、正しい歴史を認識するためには必要な本だと思うが、小人物たちの興亡の繰り返しは人間の醜さの歴史である。魏の晩年は後漢の後をなぞるかのよう。12巻を通してはっきりした主人公がいない中では小説よりは通史というべき内容で、わかりづらさは否めない。この中で圧倒的な存在感があったのは8巻まで登場する曹操1人だったように思う。
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余りにも淡々とし過ぎて小説というより論文のようだ。
史料を繋ぎ合わせて事実と思われることを類推し、矛盾や欠落は指摘する。
想像の翼を広げないのであれば、史料を読んでいれば良いということにはならないか。
作者の義務感のようなものばかりが感じられた。 -
ときに春秋の英雄たちを引き合いに出しながら、あるいは異なる文献から歴史の真実と裏表を描いたこれまでにない三国志。様々な視点から三国志の姿を見せてくれた。どちらかと言うと化けの皮が剥がれたといった感が大きい。英傑達への失望ははかり知れないものがあるが、しかるにこれが現実なのであるとも思った。どこか安心もした。肩の力がすっと抜けたようなエンディングの静けさはこの三国志の象徴のようでもあった。