しょうがの味は熱い

著者 : 綿矢りさ

• 文藝春秋 (2012年12月12日発売)

感想・レビュー・書評

[本谷 明さんの感想 · 2014年2月27日]

魔法も殺犯罪も悪人も出てきません。
が、とてもドラマティックです。

「結婚したら幸せになれる（してもらえる）」と思っているタイプの主人公と彼氏の話。

”ようやく気づきました。絃は私が結婚後に得たいと思っている落ち着きを、結婚前に得たいのです。私が結婚という区切りを付けてから始めたいもろもろのことを、絃は結婚前からすることで、これからの生活が大丈夫だと確信して安心したいのです”

綿矢りさはいろんな表現がすごい。

[Tut-anさんの感想 · 2014年2月27日]

他人には薦めづらいけど、このなんでもない空気感、独りでジタバタする感じとか好み。

[mekkiraさんの感想 · 2014年2月9日]

大学出てろくに職もつかなく、彼氏のことばっかり考えてる主人公に全く共感できなかった。私が男の人だったら、こんな人と結婚したくないなぁ…。

男性目線と女性目線が描かれてるのは面白かったし、妄想爆裂系の綿矢りさワールドは読みすすめやすかった。

[けーたさんの感想 · 2014年1月10日]

ヒロインに対してイライラするし気持ち悪さを感じる。
目的に対して盲目的になっているのかなー。
「ちょｗ落ち着けｗｗｗ」となる。

[リオさんの感想 · 2013年12月25日]

久しぶりの綿矢りさでした。

結婚願望の強い私はこんな感じになりそうです(笑)

結婚したい奈世と結婚したくない絃。

[つばめさんの感想 · 2013年11月24日]

こ、これはあかん（となぜか関西弁）！同棲一年（続編では３年目に突入）のカップルに訪れない「結婚」というゴール（言うまでもなく結婚がゴールではない葛藤も織り交ぜられています）までを描いた一冊。この手の恋愛の痛さと辛さとしんどさが男女両方の視点から描かれていてぬわー！！と言葉にならない共感を得てしまったのは私だけではあるまい。晩ご飯を作っている間のあのもたない間、喋りたいけど相手にしてもらえない淋しさ、小さなため息を追及されるしんどさ、こだわりの多い彼に合わせているうちに自分を見失う混乱……etc。なんか、綿矢りさが本当に好きになってしまったわん。

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追記：ずっと二人のラストについて考えていたけれど、この二人らしいラストと言えば二人らしい。でも甘いな。この二人の続きが角田光代女史の新刊「私の中の彼女」ではないかな（といいつつあらすじしか知らないので、読んで検証したい）

[まはりなさんの感想 · 2013年7月8日]

同棲カップルの心をそれぞれの視点から描く。これがおもしろいほどにかみあわない。
女性はとことん男性に合わせておどおどしていて、男性はひとりの時間が欲しい。
女の男に対する依存や恐れがちょっと狂気じみててぞくりとします。がどちらの気持ちもリアリティーがあってドキリとします。

2編めは3年後のふたりを描く。こちらは女性の気持ちを多く語らせることで、男性側の気持ちは読む側に想像の余地を持たせたかな？という印象。

自然に、とてもスムーズに行かないのはほとんどの恋愛だとおもうけど、やけに、なるほど！と納得しました。おみごと！

[よめさんの感想 · 2013年6月18日]

ムズムズする作品でしたねぇ。きっと大半の方は読んでいて楽しい内容ではないと思いましたが、結婚に対してある意味考えさせられらたのではないでしょうか。主人公にも相手の男性にも気持ちに安定感がなく、でもお互いの事が好きという感情論だけで将来を見据えるふたり。他人から見ても、親しい人から見ても反対すると思うんですよ。でも、結局の所。幸せの価値って周囲が決めるのではなく、結婚する本人同士が最終的に決める事なんですよね。結婚を考えている独身女性が読むと良いのかなぁ、と。

[わかさんの感想 · 2013年5月28日]

ところどころで自分を見ているような錯覚に陥る。結婚というものはふたりの意識がちがうだけでこうもすれちがっていくものなのか、未経験者にはイメージするしかないけどもなかなかおもしろかった。
男性の方の、結婚から想像する連帯保証人の下りが笑っちゃならないと思いつつ笑ってしまった。でも、結婚ってたしかにひとりじゃできないからそうなってしまうんだろうなあ。あと、欲しいものを用意しての逆プロポーズ。あれはある意味衝撃的だった。
結婚したところで劇的になにかが変わることはないと思う。同棲なんぞしていたら、きっと結婚は普段の生活の延長線上だよ。信じたい気持ちもわからなくはないけども。どんどん盛り上がる主人公たちよりも、読み手としては、冷静にこの先起こるであろうことを説く両親に近いかなあ。盛り上がれば盛り上がるほど冷めた目で見てしまう。その温度差がまたたまらんなあと思う。

(189P)

[keyさんの感想 · 2013年5月27日]

３年同棲しているにもかかわらず、結婚しようと言い出さない男に
婚姻届を用意して結婚を迫る奈世。
執拗に結婚を迫る女に辟易して、自分の中に引きこもってしまう絃。
奈世はしかたなく、ともに住んだ家をでて、実家に戻る。

奈世が家を出て行ったあと、自分の生活を取り戻した絃だが、
当たり前のようにいた存在の喪失に耐え切れなくなった絃は
再び奈世に連絡をとり、「結婚しよう」という。

その言葉に有頂天になった奈世は、
傷ついた娘をあたたかく迎え入れてくれた両親にはなんら配慮することなく
実家を飛び出し、絃のもとへ。
そして結婚・・・するのか？


関係がマンネリ化したカップルが次のステージへ向かう前に
痴話げんかした、というだけのお話。
他に特筆すべき事象はなく、ラストまで男女の心情だけで読ませる。
すごい、と思いました。
男性に対する依存心の強さに終始イライラしっぱなしだけれど、
そうさせる筆者の文章力に圧倒されました。

「恋愛」と「結婚」だけではないと思うよ、人生は。

著者プロフィール

小説家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」