- Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163901008
作品紹介・あらすじ
チャーチルは「成功とは、失敗を重ねても熱意を失わない能力のことだ」と言ってどんな逆境もはねのけ、偉大な政治家としてその名を留めた。エジソンは電球の試作の失敗が1万個に達したとき、「失敗したのではない。うまくいかない方法を1万通り見つけただけだ」と言って、ついにはフィラメントを発明する。人生の成否を分けるのは、「前向きであることのできる」性格によるものなのか。だとすると、それは脳のどんな働きによるものなのか。欧州最大の脳科学の研究所を主宰し、その問いを解きあかそうとしているエレーヌ・フォックス博士が、その答えに驚くべき実験と調査の数々から迫る、とびきり面白いポピュラーサイエンス。例えばこんな調査がある。1930年代に修道院に入った全米各地の修道女180人の日記を検証し、前向きな言葉と後ろ向きな言葉が出てくる頻度を60年にわたって追い、修道女たちの寿命との相関関係をみる。すると結果は、前向きな日記を書いていた修道女が、そうでない修道女に比べて10年以上長生きしていたのだ。そして、フォックス博士自身の研究所は、前向きな感情を起こさせる物質、セロトニンを脳内で生み出す特定の遺伝子を発見、性格は遺伝子によって決まっているのかというところにまでメスをいれる。ところが、研究を進めると、これらの遺伝子は環境によってその働きが変わってくるという驚くべき結果がえられたのだ。科学の推理を楽しみながら、子育てや自分の人生にまで思いをはせることもできる、深い一冊です。
感想・レビュー・書評
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遺伝子、親ガチャなど他責ばかりの現代で、現時点の自分の特性を理解し、長所も短所も織り込んで未来を作っていく責任も能力も自分にあるのだと背中を押してくれる希望に満ちた本。
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名前に「フォックス」と入っている縁でマイケルJフォックスと実験をやったというエピソードが面白い。
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最適なタイミングで出会えた!
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名著!参考文献の量も多く、心理学、神経科学、遺伝学の論文を沢山知ることができました。
自分自身をコントロールする、それが大事なことだと読んでいて感じました。
ますますスポーツをやってきたことが、他でも通用するのだと(スポーツマンガ楽観主義が多いのも納得)、感じました。 -
数年前に読んで、やっと読書メモを書けた、幸福に生きるための学びの本。
ふわふわ引き寄せの人たちへの違和感を、あれはポジティブ思考カルト、とズバッと一刀両断。楽観的なリアリストとの対比をわかりやすく説明してくれて、めちゃくちゃスッキリしました。
何を感じるかではなく、何を行うか。
マインドフルネス、ポジティブとネガティブの黄金比、人生の舵を自分が握っていること、錯誤相関など、科学で人の幸福度を高める研究はもっと進められていいし、知られていいと思いました。
でも、ふわふわしたのの方が売れるんですよね。
こんなに面白いのに! -
エピジェネティクスの話が特に面白かった!
自分の子供や孫のためにもよりよい経験をし、良くない遺伝子の発現を抑制しようと思った -
米国の研究によれば自分が病気と信じている女性の死亡率は信じていない女性の4倍。楽観主義は人類を前へ駆り立てる原動力。恐怖の回路はいとも容易く不安や恐怖に火をつける。タクシー運転手の海馬が成長するように、訓練を積めば脳内回路に変化が生まれる。ディカプリオは映画「アビエイター」で強迫性障害の役に入れ込み過ぎ、撮影後も強迫性障害の症状に悩まされた。治療法はクモ恐怖症などの恐怖心の克服に効果を持つ暴露療法。認知バイアス修正法は無意識下で働く。瞑想法で心のイライラを鎮めることができればより幸福な人生を歩める。
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楽観的な考え方をサニーブレイン、悲観的な考え方をレイニーブレインと呼び、その違いについて論じている。進化の過程ではレイニーブレインが役に立ったが現代社会ではサニーブレインが有利だ。たくさんある「意識高い」系の本とは異なり、本書は脳科学の立場から、判定方法、薬や訓練でサニーブレインとレイニーブレインをチェンジする方法について述べている。
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レビュー省略
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脳は鍛えられる、今までの常識を覆す内容。脳の衰えを感じるようになった年代としては嬉しい内容。頑張ろうと思ったのも事実。