ギブ・ミー・ア・チャンス

著者 :
  • 文藝春秋
3.25
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本棚登録 : 393
感想 : 84
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163903507

感想・レビュー・書評

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  • 一所懸命に生きる登場人物に「また明日から頑張るか」と自分も少し前向きになれる短編集。日曜日に読むのにぴったりだった。
    漫画やドラマだと羨望を受ける何かが主人公に必ずあるけど、そういう飛び抜けたものはない、切なくなるほどリアルな人間がたくさん登場する。ただ、人に意外な特技があることが知り合って半年後に判明するかのように、読み進める内にその人物ならではの魅力が滲み出てくる。そんな演出が心憎い。私立探偵業や角界、芸能、漫画、鉄道乗務員、CA、市役所職員……登場する職種も様々で、その道の苦労が細かい描写から伝わるのも良い。
    読み終わった後、何だか人が愛おしくなる。「そうだよね、みんな認められたいよね」って誰彼構わず肩を叩きたくなった。

  • チャンスに飢える男女の奮闘短編集。
    ちょっぴり元気もらえる。

  • いや、本当はわかってるのよ。
    自分には才能がないって。
    ぱっとしないって。
    でもさ、長い人生、チャンスが転がり込んでくることもあるかも?じゃないですか。
    諦めたら夢はそこで消えてしまう。
    心の片隅でも、ああいうふうになりたいな、っていう気持ちはいつまでも忘れないようにしたい。
    それがきっと、生きていく原動力になるから。

    それにしても荻原さんのお話はほんとにテンポがよくて、読みやすくて、好きです。

  • 挫折しながらも夢に向かって進む人々を描いた短編8編。

    如何にも荻原さんらしい。
    ・ほろ苦さと暖かさを上手く混ざり合わせて
    ・コントのような笑いのとり方
    ・見事なオチと爽やかな読後感

    ただ、余りにも手慣れていて(また、読むほうも読み慣れてしまって)何となく小粒な印象です。
    安定感といえば、そうなのですが。。。

  • いまいちパッとしない生活を送っている人たちが、いつもの暮らしの中で何かをつかみ少しだけ前進、転換していく姿を描いている。
    表題作はお笑い芸人を目指しコンビニでバイトしている青年の話で、才能無さそうなのに夢を諦めきれないでいる姿がちょっともやもやする。
    読みやすくて話に引き込まれる。文句なしにおもしろかった。

  • 探偵には向かない職業
    冬燕ひとり旅
    夜明けはスクリーントーンのかなた
    アテンションプリーズ
    タケぴよインサイドストーリー
    押し入れの国の王女様
    リリーベル殺人事件
    ギブミーアチャンス

  • 目標を持って頑張ってきたはずが、どうも道をはずれて、なんだかうまくいかない状態にはまり込んでしまった、様々な職種の人たちを主人公にしたオムニバス。
    元相撲取りの探偵、崖っぷちの演歌歌手、漫画家アシスタント、元CA、着ぐるみの中の人、ブスなアイドルの卵、小説を書いている主婦、お笑い芸人を目指しているフリーター。何かを変えるために一歩踏み出す瞬間までが書かれる。読後爽やかで、腐らず頑張ろうという気にさせてくれる。

  • すてき。何だか元気が出た。
    皆んなにも自分にもエールを送りたい

  • お笑い芸人を目指してコンビニバイトに明け暮れる青年を描いた表題作のほか、元力士の肥満体形探偵見習、地方ドサまわり中の売れない演歌歌手、デビューを夢見る漫画家アシスタントに、元国際線CAのローカル電車アテンダント、いじめられっ子の地方公務員、ぽっちゃり気味のアイドル志望女性、推理小説作家を目指す千業種、など、どちらかというと人生崖っぷちな人々の「チャンスがあれば一発逆転!」ともがきあがく日常を描いた連作短編集だ。
    ブラックな内容もあれば光のあるお仕事小説もあり、その皮肉さとユーモアとやさしさのミックス加減がいかにも著者らしい塩梅で楽しい。

  • ちょっと失敗した人たちが再び成功するために奮闘します。
    人生なかなか上手くいかないもんですよね。

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著者プロフィール

1956年、埼玉県生まれ。成城大学経済学部卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターに。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞。14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞。16年『海の見える理髪店』で直木賞。著作は多数。近著に『楽園の真下』『それでも空は青い』『海馬の尻尾』『ストロベリーライフ』『ギブ・ミー・ア・チャンス』『金魚姫』など。18年『人生がそんなにも美しいのなら』で漫画家デビュー。

「2022年 『ワンダーランド急行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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