奥様はクレイジーフルーツ

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163904511

作品紹介・あらすじ

ー この幸せを守るためには、性欲のはけ口が別に必要だ

「たかがセックスで生活の全部を捨てる覚悟はあるのか」。
したい妻としたくない夫。
『ランチのアッコちゃん』の柚木麻子によるセックスと幸福の関係を描いた連作短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 無性に柚木麻子さんの小説が読みたくなった。図書館の本棚からこの本を選んだ。
    少し読むと???
    欲求を満たすため日々努力する主人公、初美。
    エロ小説のまがいかと思った。
    そこはさすが、柚木さん。品よく、前向きにさらりと書いてあり、嫌らしさがない。
    他人には仲良し夫婦、でも真実は当人にしかわからない。
    何が大切か、悩みながら生きていくしかないんだと思う。
    私の時代は、グレープフルーツは男子が絞って、お酒にいれてくれたなと懐かしく思い出しました
    脇を固める羽生ちゃんもいい味を出していました。

  • セックスレス夫婦の話。初美さんの妄想についていくのに忙しかったけどサラッと読めました。リアルな描写なのにそう感じさせない。そして、夫婦について考えさせられる...柚木さんならでは?な作品でした。

  • この作品、凄くないか?
    柚木麻子さんは『ランチのアッコちゃん』を読んで(朝井リョウさんが読んでおけば自慢できるって帯に書くから 笑)面白かったけどいまいち自分に引っ掛からないなあ、と思っていた。でも次に読んでみたこの作品は凄いと思った。夫婦間のセックスレスというシリアスになりがちな題材をこんなにキュートに色っぽく、けれども切実に書けるなんて!しかも『アッコちゃん』的な文章でさらりと。柚木さんに対する評価が一変した。

  • 難しいテーマだけどテンポよく読めた。
    男って望めば何歳でもすぐ子どもができると信じているのか…?と思わずにはいられない主人公の夫の言動の数々に呆れた。笑
    子なし20代後半の自分が読んだ感想と、数年後読んだ感想では全然違いそう…

  • 優しくも淡泊な夫との結婚生活で、セックスレスに悩む妻。
    欲求不満のあまり昔の同級生や若い男の子にすらうっかりしそうになる彼女ですが、満たされてないのは単純に動物的な肉欲だけではなく、自分が価値ある人間として認めて貰えないような、そういう不安でもあるのでしょう。分かるなあそういう感覚、と思いながら読みました。
    旬のフルーツになぞらえたエロスが、みずみずしくなまめかしい。柚木先生の、性欲と食欲とが深く結合しているような、人間の渇きとオアシスの水のような、五感に訴える描写が好きです。

    それにしても、なんとも主人公が現代の同世代っぽい(ロハスな生活にはまってみたり、筋トレにはまって果糖の恐ろしさについて語ってみたり笑 あるある~)描写がコミカルさもあって、読んでいて何度もくすくす笑いました。行動力も経済力もあって普通に友達になりたい女性。いや、夜がご無沙汰って義母にすら相談しちゃうのはすごいなと思いましたがそういうところも含めて笑

  • 難しい問題だ、、、夫が悪いわけではない、、、

  • セックスレスな夫婦の話。
    初美さん(はちゅ)の「夫とセックスしたいー!!」と
    いう欲望と、周囲の男性から言い寄られたり、
    寄られなかったり、と初美さんのモンモンとした気持ちが
    詰まったお話でしたー。

    まぁー、確かに夫婦歴が長くなると、恋人より
    家族って気持ちが強くなるよねー。
    初美さんのモンモンとした気持ちが、まぁー
    読んでておもしろかった。
    結局、2人は仲良しだし、私もそんな夫婦でいたいなー。

    それぞれのタイトルセンスがステキだったー!!
    西瓜のわれめ
    蜜柑のしぶき
    苺につめあと
    グレープフルーツをねじふせて
    ライムで半裸
    林檎をこすれば
    柚子の火あそび
    ピオーネで眠れない
    桃の種はしゃぶるしかない
    柿に歯のあと
    メロンで湯あたり
    よそゆきマンゴー

  • 面白かった。アクセサリー作家の初美がセックスレスに悩むあまりにいろんな妄想に走ったりする話。
    ご主人のことが大好きなのが伝わってきたし、素直だし、とても好感の持てる主人公だった。

  • *夫と安寧な結婚生活を送りながらも、セックスレスに悩む初美。同級生との浮気未満キス、義弟に妄想、果ては乳房を触診する女医にまでムラムラする始末。この幸せを守るためには、性欲のはけ口が別に必要…なのか!?たわわに実る、果汁滴る12房の連なる物語*
    たかがレス、されどレス・・・人それぞれの感じ方があって、きっと正解なんてない。大好きな夫と仲睦まじく楽しく暮らして、それ以上のこと必要?な気持ちと、まだあきらめたくない!の狭間で悪戦苦闘する初美が微笑ましく、滑稽で、いじらしい。そうやって辿り着いた最終章、きれいごとではない、夫婦ならではのオチに思わず吹き出した。そうそう、こういうのが夫婦の醍醐味。

  • 夫とのセックスレスに悩み、他の人としてしまおうと思ったら断られてしまったり、思い込みから勘違いしたり、落ち着いたかと思いきや家出してしまったり、奮闘する初美がかわいい。どうしても初美の側に立って応援する気持ちで読んでしまった。この気持ちに共感する女性はたくさんいるんじゃないかな〜。

  • 主人公かわいい!

  • わたしってまだイケてる?
    なんて、勘違いしたり勘違いしたり。
    なんか良い。

  • 欲求不満の31歳の妻、島村初美のお話。セックスレス仲間の同級生羽生俊介や、淡白な夫の淳平くん。
    登場人物が特徴的でテンポ良く、サクサクと読めて面白い。セックスレスなんてテーマもなんだけど、なんとなくわかり、面白い。

  • 難しい夫婦の問題をコミカルかつ大胆な性描写で描いた作品。
    当たり前になってしまった関係をまた新しい気持ちに持っていく為にどれだけアグレッシブになれるのか、どれだけ向き合えるのか考えさせられる作品。

  • 仲良しだけど セックスレス。
    コミカルに描かれつつ、なかなか、深い。

  • 柚木さんちは実際こんな感じなのかなと思っちゃったw

  • 12話からなる短編集・・・かと思ったら、12話からなる長編小説だった。
    12話全てに果物の名前が使われている。
    西瓜、メロン、ミカン、イチゴ・・・。
    果物というのはみずみずしくて、何となく色っぽい。
    この小説の内容との取りあわせがきいていた。

    内容はひと言で言うと、セックスレスに悩む働く主婦の話。
    夫が淡泊な事に悩み、男友達と怪しい雰囲気になったり、義弟に発情したり、逃避行してみたり・・・といったあれこれを12話に分けて書いたもの。

    悩む・・・と言っても、それほど深刻な感じはなく、極めて軽く、さらっと読める雰囲気だった。
    内容が内容だけに色っぽい要素もあるけど、それほど下品でもなく、果物と取りあわせることで作品全体がオシャレで女性らしい雰囲気になっている。

    特に悪くないけど、取り立ててどうという事ない話だった。
    ひっかかりがないので暇つぶしにサラッと読むのにちょうどいいかな・・・と思う。

  • フルーツにちなんだ短編連作集。

    とっても仲が良いけどSEXレスな子無し夫婦の物語を奥さんの心の声をメインに語られる。

    日本のイマドキあるあるな夫婦の形?
    とってもリアリティあるし、深刻なんだけど、思わず笑ってしまうくらいのエロ妄想っぷり!

    いやぁ。。主人公の初美と友達になりたい!
    作品の内容的に好き嫌いが分かれてしまう作品かも知れないけれど、。

    大好きな夫のために、ストイックに体を鍛えたり痩せたりするのは、とっても健気だし、女としても見習いたいところ。

    大好きだからこそ悩み苦しんでしまうのだよね。
    問題点は、日本のイマドキ夫婦の形。
    しかも30代とくれば、子作りもあっという間にタイムリミット迎えてしまう。
    焦る奥さんと、プレッシャーを感じつつも、呑気な夫。
    だけど、この2人には本物の愛がある。
    お互いを思い遣る心。

    どんなに体の繋がりがあっても、そこが欠けていたら。ずっと一緒には居られないよね。。

    愛って何だろ?

    一緒に居て笑顔で過ごせること。
    情熱的な愛では無いけど、それが幸せの形の1つなんだな~(*´꒳`*)

    エロさ満載だったけど、いやらしくは無かったなぁ。。

    とにかく面白かった٩(ˊᗜˋ*)و

    男性が読んだら、どんな感想なのか気になるところ。。

  • 巨乳の欲求不満妻、初美の暴走と妄想がとまらない12種のフルーツが彩る連作短編集。
    セックスレスに悩む初美がなんともいじらしく可愛らしかった。
    柚木麻子らしいテンポの良い文体であっという間に読んでしまいました。
    コミカルで笑える部分も多いけど、ちょいちょい深刻かつ辛辣にセックスレス問題に触れているところもあり…。
    夫婦になってからも男と女でい続けるのって無理だよなぁ。それが自然な変化だよなぁ。
    既婚者はもう手持ちのカードで勝負するしかない、って一文がグサッときた。
    あーあどうして私もっと遊ばないでこんなに早く結婚しちゃったんだろう。
    夫婦ってめんどくさい。

  • 面白かった〜。レスかあ。さすがに帯が赤裸々すぎてブックカバーかけました。笑 柚木さんの本はいつかはすべて揃えたくて、そしたらこれが平積みされてて、思い切って買ったらあっという間に読んじゃったよね。セックスレスに悩む奥様のお話。官能小説ではなく、夫婦なのに片思い同士な恋愛小説というか、大人なのに少女みたいというか?肉体関係があるかは置いといても、大事なのにやっぱりしゅんとひんやりしていて、思うままにいかないの、結婚ってこういうものなんだろうか。せつない。申し訳ないけど初美さんが思い悩む姿を可愛らしく思ってしまった。

    いろいろ語りたいけどさすがにここでは!笑 レスではないですけど、初美さんの重い感じ、少し思い当たる節があって痛々しかった。あーーー女友達と開けっぴろげに語りたいです。これ。

  • ドリアン食べてみたいです。

    ってな事で、柚木麻子の『奥様はクレイジーフルーツ』

    西瓜のわれめ
    密柑のしぶき
    苺につめあと
    グレープフルーツをねじふせて
    ライムで半裸
    林檎をこすれば
    柚子の火あそび
    ピオーネで眠れない
    桃の種はしゃぶるしかない
    柿に歯のあと
    メロンで湯あたり
    よそゆきマンゴー

    の12の欲求不満な短編集(笑)

    幸せな夫婦生活を送る初美じゃが、かれこれ一年以上旦那とはセックスレスな生活。

    旦那も仕事が窮地に追い込まれて肉体的にも精神的にもやつれてて初美の相手が出来ない状態……

    そんな欲求不満な初美に襲いかかる誘惑と妄想と不満と爆発w

    女性も欲求不満になると怖いねw

    しかし、タイトルのセンスがヤバ過ぎて好きじゃわ~

    2018年60冊目

  • セックスレスに悩む女性のお話。テンポ良く読めた。時間が解決すると夫は言うが、この先この夫婦に子供は無理そうな気がする。
    結婚して子供が生まれて幸せに暮らせている今がしみじみ幸せと思った。

  • こんな感じのお話も書くんだ!!!
    主人公が親友と似ててなんだか好きだった
    ワガママ?自由奔放?でもなんか好き

  • 初美さんのもどかしさがコミカルで読んでて元気が出る一冊。

  • 230214.2
    柚木さんの作品は、友達の悩みをうんうん、それでそれで?って聞いているような気分になれるから好きだな。

    それにしても刺激的なストーリでした。
    終始コミカルなテンポと文章でクスッとくる面白さだけど、初美にとってはすごく深刻な問題よね、、、

    そう考えると結末のどうにもできない悲壮感が辛くて痛い、

  • セックスレスの奥様の話ということだけど、粘っこい感じは全然なく、すごくあっけらかんとした感じがちょうどいい。こたつのネコは笑った。
    素敵な旦那さまだと思うけどなぁ。それ以外が満点なら、十分なのでは。

  • たいへん切実なテーマなのに、笑わせられてしまう。笑っている場合じゃないのに、ハラハラ、ムラムラしつつ、笑ってしまうのです。

  • 柚木麻子さんてこんな作品も書くんですね!という印象。
    セックスレスとフルーツを絡めたお話。
    まだ若く美しいのにここまま私は朽ちていくの?!という悩みとその迷走っぷりは結構リアルな気がする。
    切り口がポップなので暗い方向へは行かないけれど。。。

    分かり合うって難しいよねぇ。

  • レスられ妻視点のお話。いつもながらに重くなりがちなテーマを軽快に描く柚木麻子先生の手腕に脱帽。淫乱で奔放な尻軽女かと思いきや、芯の部分は夫一筋で決して他の男と関係を持つには至らないはちゅ(主人公)が愛らしいです。うちも…なので、大きく頷くことばかりです。私はこんなに天真爛漫ではありませんが…笑
    表紙や扉絵、フルーツに絡めたタイトルもオシャレで大好きです。

  • 超赤裸々に語ってる‼︎笑笑
    (電車で読んでたんだけど、なんか読んでてめっちゃ恥ずかしくなった)
    でも、みんな口に出さないだけで、結構夫婦間でレストラブルあるのね…未婚だからイマイチ響かず…

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著者プロフィール

1981年生まれ。大学を卒業したあと、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞と、高校生が選ぶ高校生直木賞を受賞。ほかの小説に、「ランチのアッコちゃん」シリーズ(双葉文庫)、『本屋さんのダイアナ』『BUTTER』(どちらも新潮文庫)、『らんたん』(小学館)など。エッセイに『とりあえずお湯わかせ』(NHK出版)など。本書がはじめての児童小説。

「2023年 『マリはすてきじゃない魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柚木麻子の作品

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