- Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163904801
作品紹介・あらすじ
ランチワゴンは疾走する。
危険な中学生アイドルを乗せて。
街をワゴンで駆けながら、料理を売って生計を立てる女性・夏都(なつ)。
偶然にも芸能界を揺るがすスキャンダルを知ってしまった彼女は、
その流出を防ぐため、緑色の髪をしたアイドル・カグヤと協力することに。
ある女性の携帯電話に残されたメールを削除するという、
難しくないミッションのはずだったのだが――。
想像をはるかに超えたラストで話題騒然となった「週刊文春」連載作。
感想・レビュー・書評
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強さが弱さだったり、弱さが強さだったり。当たり前だと思っている事が当たり前じゃない。という当たり前を再確認させられる。奇想天外なミステリーツアーな物語からは予想出来ないような着地。やられた。
ソロモンの犬の教授を彷彿させる菅沼先生はMVP。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
先にちらっと見たレビューが総じていまいち評価だったので、期待せずに薄目を開けてしらーっと読み始めたのですが、テンポのよさと想像しやすい描写に「おやおや」と目が開いてきました。
でも読後は、なんとなくみなさんの評価が理解できます。
下り坂のないジェットコースターといいますか………。
なんかありそうだぞ、ここからだぞ、みたいなワクワクの助走がずーっと続いて、途中で疲れて、結果そのまま終わっちゃった。
Staphylococcus。黄色ブドウ球菌。その性質は菅沼先生が丁寧に説明してくれていて、ここからタイトルと主題はきているんですかね。
その主題はとてもリアルで、心と現実の不可逆性変化といった感じ。充分テーマとしては噛み応えのあるものだと思うんです。
しかしどうにも、そこへ導くまでのストーリーは現実感が薄く無駄にドタバタ。たたらを踏んで着地したら以外と地面が固かった……みたいな。
もっと深く重みのある話にすることも、逆にコミカルに徹して楽しくすることもできたのに、中間でグラグラしてます。 -
離婚した夏都は1人でワゴン車の借金を抱え、移動販売にて生計を立てている。海外に行っている姉の1人息子と共に暮らしているが、ある日人違いからトラブルに巻き込まれる。見るに見かねた夏都は、甥と共に手助けをすることにしたが。。。
ドタバタとコミカルに話が進むと思いきや、SOSをうまく発信することができない人の内面などを描いていく。 -
単純に、あんまり面白くなかった。
いい加減スーパー中学生で話を作るの
やめてほしいな〜
いつも興醒めしちゃう…
思い通りに行ってしまうのとかね…
ちゃちい。 -
久しぶりの道尾作品。離婚して、移動デリを1人で切り盛りする夏都が、事件に巻き込まれる話。正直、事件の展開の意味が分からない。最終的に離れて暮らす家族の愛情を自分に向けさせる為に、中学生が引き起こした事件なのだが、それを描くのに、こういう展開は必要なのだろうか?移動デリも全然関係ないし、終章を読まなければ、意味が分からないまま。好んで読む作家さんではないけど、周囲の評価はいい作家さんなので、たまたま読んだ作品のチョイスが悪かったみたい…
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親も一人の人間。やりたいことやって生きる。
その犠牲になっている子どもの気持ちは、わかっているようで、わからないと思う。大人が抱える感情と子どもが抱える感情は重さが全然違う。人生も、性格も変えてしまうほど大きな影響を及ぼすかもしれない。その子が大人になれば、その時の親の気持ちがわかるようになるのかもしれないけど。
素直に気持ちを吐き出せない思春期の子どもは難しいと思った。 -
道尾作品にしては軽く読める。『透明カメレオン』と似た世界観。このドタバタ系も好きなんだけど、カメレオンの方が面白かったな。