さらば愛しき魔法使い

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163906270

作品紹介・あらすじ

「魔法使いマリィ」シリーズ第3弾!『魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?』『魔法使いと刑事たちの夏』に続く、人気ユーモアミステリーシリーズ第3弾が登場!魔法の力を借りつつ、八王子界隈の事件を解決してゆく魔法使いマリィ&小山田刑事の名コンビ。今回もアリバイ崩しに、ダイイングメッセージ解読にと大活躍だが、ついにその「魔法」の存在を、オカルト誌に嗅ぎつけられてしまう――。二人の、そして八王子の未来はいかに!〈収録作〉・魔法使いと偽りのドライブ・魔法使いと聖夜の贈り物・魔法使いと血文字の罠・魔法使いとバリスタの企み

感想・レビュー・書評

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  • 「魔法使いと偽りのドライブ」
    知らされてない事。
    普段乗ることがない外国車なのだから、細かい点まで何か聞かれても答えれるように勉強しておくべきだっただろうな。

    「魔法使いと聖夜の贈り物」
    紙一枚の情報では。
    余計な一言を言ってしまったからといって、想像で作り話をするからこそ全てを台無しにする物語になったのだろうな。

    「魔法使いと血文字の罠」
    残された名前とは。
    しっかりと現場を確認したようで、脳内では別のことも同時に考えてたからこそ小さな変化を見逃してしまったのだろ。

    「魔法使いとバリスタの企み」
    不自然に置かれた。
    こんなに頻繁に不自然な出来事が起きていたら、どんな辺鄙な土地であろうと噂を聞きつけてマニアはやってくるだろ。

  • 表紙の絵に釣られて手に取った本。
    謎解きはディナーのあとでの作者とは知らず、最近ほんわか系ばかり続けて読んだから違うの読みたいなと思って借りてきた。
    講談社ではなく放談社、東川篤哉ではなく東山篤哉、メタ視点が多くて新鮮だった。でも個人的にメタは好きじゃない。世間に疎いし、お話の中に現実の固有名詞が入ってくると物語の世界に入っていきづらいから。
    春夏秋冬と1年で続く事件かと思いきや、最後の冬で30年も経っていることが発覚。
    冬だけ始まりから違和感があったが、会話の中で出てきて驚き。万年署長が黛君とはまさか過ぎて...信じられなくて何回もページを行ったり来たりして確認した。
    お話の事件解決よりも、こっちの方が衝撃が強かった。

  • ★あたし、ずっと前から欲しいものがあったんだよねえ(p.78)

    ■感想
    ・今回も楽しく読みました。

    ■内容

    ・マリィが唯一欲しいもの、それは誰もが持っているけどマリィが持っていないもの。
    ・腹違いの弟と顔がそっくりなことを利用して殺人のアリバイを作った弁護士。
    ・ええとこのお嬢さまと婚約したこともあり恋人だった売れない女優を殺した、テレビでも人気の映画コメンテーター。
    ・経営するバーの資金欲しさにおじを殺した男はダイイングメッセージを捏造する。
    ・人気バリスタが浮気の発覚を恐れ愛人を殺害。
    ・マリィの周辺に超常現象雑誌の記者の影。ラストシーン、逃げ出すようなタイプでないし、カチコミに行った?

    ■一行目
     「凄い……」ピカピカに磨きぬかれた黄色いボディに自らの顔を映しながら、高野英夫は感激の声をあげた。

    ■設定

    【タイプ】ユーモアミステリ。倒叙系なのでどこでバレてしまうかというところが主眼。事件はけっこうどうでもよくってただただ登場人物たちの言動とドタバタを楽しんでいればいいんじゃないでしょうか。とはいうもののミステリとしても一話に一ヶ所くらい思いがけなさがあったりするのがたいしたものかと。
    【世界観】われわれの世界とほぼ同じだがユーモアミステリらしく警察がちょっとええかげんだ。そして、魔法使いがいる。ただ一般には知られていないようだ。この世界では魔法は決め手になり得ないが事件を解決するきっかけくらいにはなる。多くは犯人が誰かという確信を持つために使われる(それと、マリィが聡介をとっちめるために)。
    【八王子】舞台。「欲望渦巻く大都会」、「東京第二の都市」、「多摩地区の首都」だとかさまざまな形容がつく。一所懸命つく。
    【マリィ】マリーではない。魔法使い(魔法少女)。キュートなルックスにわりとナイスバディ(上から82・58・84)に奔放な物言い。聡介と出会うまではいろんなお屋敷を転々としていた。年齢は千十七歳(自称)。栗色の髪は綺麗な三つ編み。魔法を使うとき光る。彼女にうかつに触れようとすると自動的に発現する魔法がなにをするかわからない。敬語がおかしい。家政婦としての仕事はけっこうきっちりできる。料理も上手い。欲しいものがある。
    【小山田聡介/おやまだ・そうすけ】八王寺署の若手刑事。年上美女に弱い。上司の椿木綾乃警部になじられたり蹴られたりできれば踏みつけられたいドM。目立たず冴えず、すぐ他者から存在も名前も忘れられる。
    【小山田聡介の愛車】愛車は白い年代物のカローラ。ときどきマリィの血文字コメントが表示される。
    【小山田聡介の自宅】丘の上の荒れ果てたお屋敷。近所のお子さまたちからは「幽霊屋敷」とか「魔女の館」とか「妖怪屋敷」とか呼ばれている。広大だが特に金持ちというわけではない。固定資産税がたいへんそうだ。今の住人は聡介、鉄二、マリィの三人だけ。
    【八王子署】聡介や綾乃ちゃんが勤めている。聡介は意外に頑張っているほうだ。
    【椿木綾乃/つばき・あやの】警部。通称「八王寺署の椿姫」。メガネ美女。三十九歳。結婚願望強し。容疑者にすぐ惚れる、というより彼女が惚れた男が犯人である可能性が高い。単純なタイプで「簡単な難事件」向きだが「ちょっと手強い難事件」向きではない。
    【出会い系捜査】椿警部が捜査するのはルックスがよくて金持ちの容疑者と出会いためではないかとの疑いがあり部下たちはそう呼んでいる。彼女が惚れた男が犯人である確率は非常に高く、ある意味優秀なのかも。
    【若杉】若くて小さい刑事。聡介の頼れぬ後輩。なんとか普通に捜査しようとするがいかんせんチカラが足りない。
    【鉄二/てつじ】聡介の父。同居している。家政婦仕事の範疇からはみ出ることをマリィにやってもらおうとして冷たくあしらわれてしょぼんとする。

  • コミカルミステリ。連作短編集。シリーズ3作目。
    やはりコミカルな会話と定番のボケが特徴的。
    ゆるく楽しむのに最適な作家さん。
    野球好きとしては、「魔法使いとバリスタの企み」の野球ネタでニヤニヤ。

  • 3巻で 終了ですかね。
    ちょっと 残念です。
    でも なんか 次回作が 出そうな予感も。
    ちょっと さみしい 最後です。

  • ワンパターンも気軽という点ではいいのかな?犯行から始まるので犯人は分かっている。マリィの魔法で主人公刑事には犯人が分かるのだが、証拠がない。そこで、たまたまのマリィとのやりとりでヒントを見つける。まぁ、このヒントが面白いところかな。
    まぁ、3巻12話も打ち切りパターンの範囲かと思いながら、中途半端な終わり方に後味が悪かったけど、再連載しているらしい。まぁ、単行本になって図書館に納まるのはかなり先だろうなぁ~

  • 基本ストーリーの流れはすべて同じなので流石にマンネリ気味。キャラの楽しさと文体の軽快さで面白くはあるのだが、魔女シリーズも限界かなぁ。でも、全10話くらいでドラマ化はしてほしいな。

  • 多くの人が既に書いていることだが、確かに物語の筋書きは毎回一緒だ。でもその分、安心してというか、緊張することなく楽しんで読めてしまうのがいいところ。他の人のミステリには出せない味を出してる。
    収録されているうち、「魔法使いと偽りのドライブ」がお気に入り。「はいはい、もういいよ…」と何気なく読み飛ばしてしまいそうな箇所に、さりげなくかなり大きな伏線を張ってしまう(それも2回も!)のが大胆でかつ繊細だと思う。
    唐突な終わり方で、これではあまりにマリィが不憫…と思っていたら、続編があるようで安心。変な言い方だが、自分はなんやかんやでハッピーエンドが好きなんだと再確認した。

  • 魔法使いシリーズ3作目

    「苗字が欲しい」
    マリィと聡介の仲が進展するのかと思いきや・・・

    テンプレのキャラ
    ドタバタギャグミステリ
    さすがにこれ以上続けるのは無理があったか(笑)
    魔法使ったら何でもアリだもんねぇ

  • 弁護士と顧客の妻が共謀した殺人事件。アリバイ作りのせいで気がつかなかったポルシェのボンネット。

    映画コメンテーターとして売れない女優が邪魔になっての殺人事件。
    被害者がカフェで読んでいた電子書籍。

    金銭問題で甥に殺された叔父。
    残された血文字を細工したつもりが、フリクションボールペンとアイロンで消された真実。

    バリスタと不倫関係にあった従業員の死。
    常連のタバコを偽装に使うものの、被害者も隠れてタバコを吸っていたことでわかったこと。

    名字がほしいと聡介にねだる魔法少女マリィ。
    突然姿を消したマリィ。

    なんとも、なんとも。

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著者プロフィール

1968年広島県生まれ。岡山大学法学部卒業後、2002年、光文社カッパノベルスの新人発掘プロジェクト「KAPPA‐ONE」にて『密室の鍵貸します』が有栖川有栖氏に推薦されデビュー。11年『謎解きはディナーのあとで』が第8回本屋大賞第1位に輝き、大ヒットシリーズとなる。「烏賊川市」シリーズ、『館島』、『もう誘拐なんてしない』、「探偵少女アリサの事件簿」シリーズなど著書多数。

「2023年 『谷根千ミステリ散歩 中途半端な逆さま問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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