凄腕

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163906461

感想・レビュー・書評

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  • 2017年150冊目。
    立川南署で念願の刑事になった高木は、雑用ばかりで肝心の捜査をさせてもらえず、悶々とした日々を送っていた。その立川南署も3週間前に駅前で起きた殺人事件を解決出来ずにいたが、そこへ本庁から、伝説の「凄腕」桜井が送り込まれてくる。その桜井とコンビを組み、やっと捜査に出ることが許された高木だったが…
    あらすじだけ読むと、桜井の物語なのかと思ったが、実際には高木が警察組織に己を投じていく、ある意味、成長物語。敵も半グレから、暴力団、テロリストと徐々に巨大化していく。
    もともと「閃光」の重厚な文章が好きで読み始めた作家さんなので、軽めの文章がちょっと好きになれない。デビューの頃より、当たり外れが多くなるのは、しようがないのかなぁ。

  • 立川南署の新人刑事・高木誠之助は、警視庁組対部に所属する伝説のマル暴刑事・桜井と組むよう指示される。桜井は事件をすかさず解決させるが、コカイン使用で監察に拘束される。高木は新宿署組対に配属され、上司である洲本とともに国際指名手配犯を追うが・・・
    革命家とう流れは嫌いではないが、そうであれば半グレなどの箇所をそれほど多く割かなくてもいいのかなと。息子のキャリア警察官の登場はよかった。

  • 連作警察ミステリ。「凄腕」の伝説と言われる刑事とコンビを組まされた新米刑事。ところが第一話で明らかになってしまうとんでもない事実。まさか「凄腕」の正体がそんなことだったなんて!
    なのに一向にめげることない新米刑事は、その跡を継ごうとばかりにどんどん成長していきます。それは頼もしいのだけれど、手段を選ばないそのやり口にははらはらどきどきの連続。いつか人の道を踏み外してしまいやしないかと心配になってしまいました。
    正直なところ、「そこまですることか!?」と思わないでもないです。刑事として生きることとまっとうな人間として生きることとはそれほどまでに両立しないのか、とも。ある意味愚かな生き方かもしれないあの人の生きざまだけれど、それでもどこかしらカッコよくは感じられました。

  • 桜井さんすごすぎる。高木も後を追うのかなあ。

  • 【登場人物】
    高木誠之助:31歳 私大ボクシング部卒 巡査部長
    桜井文雄:57歳 組織犯罪対策部 主任 コカイン中毒
    洲本栄:35歳 新宿署 巡査部長 160センチ 家族思い
    神尾明:35歳 暴力団「港連合」若頭 千葉大経営学部卒
    清家文次郎:68歳 東大法学部卒 学生運動のリーダー
    国際指名手配、消息不明

    極左とヤクザのつながりなど、
    面白く読めた。

  • 【闇社会に迫れ! 本格警察エンタテインメント】新米刑事の高木は、闇社会の人間関係を知り尽くし圧倒的な実力で事件を解決する刑事・桜井に衝撃を受けるが――本格警察長編。

  • 20230530

  • 本当に歌舞伎町で起こっていそうな内容や描写。闇社会の悲惨なやり取りはありつつも、信じられる人を求め、希望を捨てず仕事に誇りを持っている人々。
    しかし信仰も、行きすぎると教祖となり洗脳となり悪に引きずられてしまう。
    失うものがなくなった覚悟は、その道が正しいかどうかに関わらず惹きつけられるものがある。

  • 警察ものと言えば男のロマンです。誤解を恐れず言えば暑苦しい世界観に男の魂が響き渡るという感覚。女人禁制じゃあ!なんて言っていたら最近、柚月裕子という男を蹴散らすパワーを持った作家が現れ警察小説の勢力地図を塗り替えそうな勢いです。
    そんな中パワー系の警察小説の佳作を見つけました。それがこの「凄腕」です。
    正義という旗印から遠く離れた、血に飢えた猟犬の噛みあいのような本です。しかもシーラカンスと例えられる伝説のような黒幕もワクワクをさそう材料であります。
    一人一人の存在感が有って、しかも誰も彼もが人でなし。共感なんて犬に食わせろと言わんばかりです。悪徳警官が暗躍する本好きなんです。まあ正義の刑事も好きなんですけどね。
    個人的には続編あってもいいなあと思います。

  • 10月-2。3.0点。
    組対の新人刑事の成長を追う、連作短編形式。
    定年間近の、伝説の組対刑事。自ら薬物を摂取し、歌舞伎町の情報を網羅する。コンビを組んだ新人刑事の物語。
    途中から、暴力団から伝説の左翼へと軸足が。
    まあまあ読ませるかな。

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著者プロフィール

永瀬隼介

1960年鹿児島県生まれ。國學院大學卒。週刊誌記者を経てフリージャーナリストとなり、祝康成名義で『真相はこれだ! 「昭和」8大事件を撃つ』を刊行するなど事件ノンフィクションを中心に活躍。2000年『サイレントボーダー』で小説デビュー。事件現場で培った取材力を活かし、現代の深部を抉る骨太のサスペンスや犯罪小説を発表している。近著に『帝の毒薬』『カミカゼ』『三日間の相棒』『白い疵 英雄の死』『12月の向日葵』など。ノンフィクションに『19歳 一家四人惨殺犯の告白』などがある。

「2022年 『殺し屋の息子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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