- Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163906928
感想・レビュー・書評
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2017年度松本清張賞を受賞しているが、ミステリーというよりは青春小説。高等師範学校女子部(お茶の水女子大の前身)に学ぶ二人の女生徒が主人公。この二人、野原咲と駒井夏には実在のモデルがいて、野原が野口幽香、駒井が安井哲。さらに、造形上のモデルがいる。ハロプロ ℃-uteの矢島舞美が野原、中島早貴が駒井とのこと。アイドルグループには詳しくないのだが、わかる人には読めば、ニヤリとする描写があるらしい。
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2017.09.24
東京女子高等師範学校の生徒と初代文部大臣森有礼、鹿鳴館を巡る物語。私の大好きな時代のお話。女子教育を強く進める森大臣の真意は。現在憲法改正で賑わっているご時世だからこそ、考えさせられる一冊でした。
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朝ドラと時代がリンク。
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明治の鹿鳴館時代。女に学は必要ないと言われる中で、女学校に通う夏と咲はそんな世論と戦いながら勉強している。時の有名人も登場していてワクワクした。松本清張賞を受賞しているけれどミステリー要素はそこまで強くなく、夏と咲の青春シスターフッド的な作品として楽しめた。
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明治時代の女性というと、いいとこのお嬢様で優雅に女学校で花嫁修業、お転婆でトラブルに巻き込まれ…的な少女漫画発想をしてしまったのは、多分にストレートな題名のせい。
松本清張賞受賞作なのでミステリーに分類されているのでしょうが、明治という時代風俗の描写が細部まで活き活きとしていて、男尊女卑が一般的な当時、職業婦人として生きるべく女子高等師範学校(女高師)に集うヒロイン達の熱い奮闘と友情を書いた物語として読みました。森有礼、伊藤博文をはじめ、実在の人物が上手く配置されているのも物語のリアリティーを上げるのに役立ってると思います。 -
タイトルから、もっとふわふわした話かと思ったら、時代とマジョリティに踏みにじられた女性達からの、それでも力強い“we too” だった。
もちろん本作はフィクションなのだけど、手を血まみれにしながら河原の小さな石を一つずつひっくり返すようにして、変えて来てくれた女性達のことを思わずにはいられない。
史実との絡め方も上手く、ミステリーと青春ものでもあり、文章も読みやすくて一気読みだった。
あの人の正体を目配せだけで終わらせたのも好き。
今後もこの作者さんを追いかけていきたいと思わせる作品だった。 -
これは青春キャピキャピの明治時代の乙女たちの物語ではない。
作者の主観があるとは言え実在の歴史上の人物が
小説の中でその時代を彼らなりに生き抜いていく。
明治という時代の空気感がよく伝わってくる。 -
大河ドラマ「八重の桜」に出てきた八重ちゃんの
親戚筋がいる!そんなミーハーな興味から読み進めると
いやはや、とんでもない事であった。
あの鹿鳴館を舞台に切ない思いを抱えた青年や女学生が
それぞれの立場で任務を全うしようとしている。
誰かに進めたくなる一冊。 -
歴史で一番苦手だった近代、明治初期が舞台なのに、こんなに面白い時代だったのか、もっと知りたいと思えるようになりました。