泥濘 疫病神シリーズ

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 399
感想 : 66
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163908564

作品紹介・あらすじ

「待たんかい。わしが躾をするのは、極道 と半グレと、性根の腐った堅気だけやぞ」 疫病神シリーズの名コンビ、桑原と二宮が帰ってきた! 今度の標的は警察官OBが作る自称・親睦団体の「警慈会」。老人ホームにオレオレ詐欺……。老人を食い物にする腐り切った警察OBに二人は挑むが、二宮は拉致、桑原は銃撃を受け心肺停止になってしまう。「おまえ、おれを脅しとんのか」「脅し? わしは値踏みをしてるだけや。おまえがどれほどのワルか、をな」「社会のダニが一人前のことをいうやないか。ダニはダニらしいに、女のヒモになるか、シャブの売人でもして食うたらどうや」「わしはダニかい」「ダニはいいすぎた。クズや、おまえは」警察OBのドンを相手に一歩も引かない桑原と二宮を待つ運命は? ドンデン返しに次ぐドンデン返しのスピード感がたまらない、疫病神シリーズ間違いなしの最高傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 桑原&二宮コンビ、疫病神シリーズの新作、老人を食い物にしている悪徳警察OBに勝負をかける。今回も二人の掛け合い、楽しませてもらいました。ワンパターンな風ですが、今回は特に、桑原が裏読みの天才ということ、数々の名言、歩く犯罪辞典と言われるほどの知識、イケイケながら知性が前に出ていた感じがします(もちろんもちろんバイオレンスもありますが)。二宮の方も天性のおしゃべり、口のうまさがね。面白さのパターン・基本をおさえながらも全く同じではなく、飽きなかったです。犯罪については、深いものはないですが、二人はどうなる、悪はどうなるで内容満載、面白く読了。きっと続くだろな、次も期待しているんだけれど。桑原がこんなんで終わるはずないって感じかしら。

  • 疫病神シリーズ第7弾。
    大阪府警のOBが作った団体の代表らが、歯科診療報酬不正受給、オレオレ詐欺、老人ホームの乗っ取りなど、ヤクザと手を組みやりたい放題。このお金を手に入れようと、桑原は二宮と共に調べ始める。二宮は拉致され、桑原は銃弾に倒れてしまうが・・・
    安定感ある面白さで一気読み。毎度のことだが、セリフが軽妙、二宮の独り言も面白い。是非続いて欲しいシリーズ作品。ちょうど読んでいる最中に、大阪府警で被疑者が逃走とは。次は逃走劇でも。

  • 疫病神シリーズ第7弾。今作もイケイケ極道の桑原と堅気の二宮のコンビは健在。金のにおいがすれば二人がいる。警察OBの腐敗と詐欺、そのリアリティ。そして極道の世界。命のやり取り。金を手に入れるための騙し合い、欲と欲のぶつかり合い。そうした緊迫した中で交わされる桑原と二宮の力の抜ける会話。緊張と緩和が素晴らしい。この会話を読むだけでもこのシリーズは楽しい。イケイケ桑原に振り回され危ない場面に何度も遭遇しながらも金への欲だけは誰よりも強い二宮が実は1番抜け目がない。極道や警察に目をつけられながら、内心ではビビリながらも金の計算、手に入れる計算は誰よりもしている。今作も大満足。

  • 作者の代表作、疫病神シリーズ。イケイケ極道の桑原と気の弱いカタギの二宮が一攫千金を狙う。ことの発端は警察OBたちによる診療報酬詐欺事件。

    この事件にカネの匂いを嗅ぎつけた桑原は二宮にメシを食わせ、報奨金を約束し、最後には脅しつけて仲間に引きずり込む。二人が事件の核心に迫るにつれ、暴力団組織、介護施設、オレオレ詐欺と次から次へと反社的ビジネスが広がり、ついには殺人事件まで。タイトル通り「ぬかるみ」にハマった二人だが、それでもカネへの執着心は忘れない。

    と、いつもどおりのストーリー展開。そして、悪徳警察官の中川、二蝶会組長の嶋田、舎弟のセツオ、オカメインコといつものキャラクターで賑わう。

    桑原の金融知識、二宮の口八丁はシリーズを経るごとに磨きがかかる。

    どつきどつかれの桑原・二宮コンビだが、最後に意外な友情のような片鱗を見せる。いいエンディングだ。しかし、彼らの儲けはその労働の割に合うのか?

  • 疫病神シリーズ、7作目。

    今作では、表紙カバーの袖にある「心肺停止・・・あの桑原が死んだのか?」の文字にまず目を奪われる。どんなピンチの状況に陥るのかと思って、いざページを捲ってみたら、相手はヤクザだろうが警察OBだろうが、関係なく喧嘩を仕掛ける桑原がいて、実際その場面に出くわすまで何度背後から撃たれることかと呆れそうになるほど、桑原のイケイケが磨きがかっていました(苦笑) それに付き合わされる二宮が気の毒であるはずなんだけれど、二宮の金に対する強欲さも突き抜けていて、まぁ、自業自得ですね(笑) 長々と腐れ縁が続く二人だけれど、凶弾に倒れた桑原を目の前にして、何だかんだ言いながら、凶悪疫病神の桑原のことが好きだと自覚しちゃった二宮が愛おしいです。

  • 最近は、お笑いと反社会的の付き合いに、エンタメのニュースが、殆どを占めて、もっと、世界のニュースの話題が、あるだろうと、、、と、思いつつ、、、、
    この桑原・二宮コンビの「疫病神シリーズ」を読んでいる。(笑)

    極道、半グレに、毎回ボコボコにやられてしまう二宮。
    口は達者でも、力も凄みも無い。
    桑原の言いなりになっているのに、腐れ縁というか、ついつい、言いなりになっている。
    小説の内容は、極道社会の怖いような話が、次から次へと出て来る。
    麻雀の言葉や小切手を割るとか、、、理解出来ない事柄もあるのだが、、、、
    2人のツッコミとボケの掛け合いが、なんとも面白い。
    一言、お金の話になると、二宮の計算高い、数字の応答も、面白い。

    ハードボイルド的な話ばかりだと、内容が、怖い過ぎるかもしれないのに、桑原の強引な言葉遣いや強烈な性格に、二宮の惚けたようなそして巧妙な言葉の駆け引きに、ついつい本を読んでしまう。

    今回は、イケイケの桑原が、凶弾に倒れて、危篤!という事態になるのだが、、、、
    目が、覚めても足に痺れ、、、車椅子か?と、、、、
    しかし、やはり、身体も心臓も丈夫(?)で安心した。

    次回の話はどうなるのか?このコンビの活躍を期待しよう!

  • 疫病神シリーズ。
    相変わらずの暴れっぷりです。
    桑原の無茶ぶり、圧倒的な強さ、頭の良さが光ります。
    果たしてシノギはうまくいくのか。
    しかしとうとう銃弾に倒れてしまいます。
    一気に読ませませす。
    次回作も楽しみです。

  • 面白かった。2人の会話が軽妙で何度も笑った。

  • 疫病神シリーズ第8作。
    相変わらずの嘘っぽい筋だが、テンポの良い大阪弁の会話と、桑原の強引さで一気に読ませてしまう作品。
    最後の方で、二宮が「おれ、本当は桑原が好きやったんや」と自覚する部分は、何をいまさらと突っ込みたくなる位。
    読者の方がわかっているって。

  • エンターテイメントとして秀逸。パターン化した気もあるが、それが娯楽として楽しめる。桑原と二宮の語彙センスが 笑

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著者プロフィール

黒川博行
1949年、愛媛県生まれ。京都市立芸術大学彫刻科卒業後、会社員、府立高校の美術教師として勤務するが、83年「二度のお別れ」でサントリミステリー大賞佳作を受賞し、翌年、同作でデビュー。86年「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞を受賞、96年『カウント・プラン』で推理作家協会賞を、2014年『破門』で直木賞、20年ミステリー文学大賞を受賞した。

「2022年 『連鎖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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