- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163911069
作品紹介・あらすじ
私はいったい、誰の味方なの?社労士を主人公にした、究極のお仕事小説!派遣社員から一念発起し、社労士の資格をとった朝倉雛子(まもなく28歳)。小さな社労士事務所の一員となるが、舞い込んでくる案件は難しいものばかり。・雇用の新ルールで有期雇用から無期雇用へ! それでも辞めさせたい経営者。・年齢を偽って働いていた未成年の従業員が、就業中に怪我をしてしまった!・人件費を減らすため、残業代を申請しないチェーン書店の店長。そんなのアリ?・出張中に上司からセクハラを受けたという社員。しかし証言は食い違い……・介護問題で時短を望むも、経営者からはアルバイトに戻ることを勧められた!読んでいるうちにいつにまにか労働問題にも詳しくなれる!ミステリー風味が効いたお仕事小説の傑作です。
感想・レビュー・書評
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有期雇用の撤廃から始まり、セクハラ、バイトテロ、未成年者の就労など、第1弾とは比べ物にならないくらい、様々な問題に立ち向かう、社労士2年目の雛子の物語。
2年目で「もうヒヨコじゃありません」って言う雛子は、相変わらず好きになれないが、なかなか表に出ることがない、総務の仕事を丁寧に扱っている部分で、今作は評価出来る。
今年の4月から「働き方改革」も始まり、その背景も含めて読むと、やはり簡単に「働き方改革」と言うけれども、簡単に社内体制を変更することも、残業を減らすことも難しいと言うことを、どこの会社も抱えているんだろうと考えさせられる。
これで、もう少し主人公が謙虚だとこのシリーズ、もっと面白いんだけど。 -
社労士雛子の2冊目。2年目を迎えてやまだ社労士事務所で仕事に精を出す雛子がまたしてもクライアント先で謎に遭遇してしまう⁉️
今回も連作短編だが物語はだんだん謎解きに重きを魅せてくる -
オール讀物2018年12月号:わたしのための本を、2019年2月号、書下ろし:春の渦潮、藪の中を探れ、らせん階段を上への5つの連作短編を2019年10月文藝春秋から刊行。前作とは違い、プロとしての朝倉雛子の活躍が楽しい。育ちました。
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シリーズ続編。
前回の新人ぽさが抜けて仕事をこなしていく姿が微笑ましい。
やっぱり気になったことは見過ごせず引っ掛かりを解いていく。知識と経験が増えた分かけひきができるようになりそこが面白かった。 -
社会保険労務士の雛子の活躍を描くお仕事小説。あまり馴染みのない仕事のように思えるけれど、社労士が関わる相手はそれこそどのような仕事をする人に関してもあてはまるので、他人事ではないかも。それぞれの立場と言い分をうまくすり合わせ、誰かを切り捨てることにはならない解決法を見つけていく社労士の仕事は大変なのでしょうが。清々しい気分になる読み心地です。
お気に入りは「わたしのための本を」。本好きならやはり気になるのはこの作品です。本屋さんの苦境は現実でも問題になっていることですが。ただ売ればいいわけではないこのような本屋さんの存在はあってほしいし、なくなってほしくないですね。だからこそこういう犯罪は、明確に裁けなかったとしても許せませんね。 -
逞しく成長している。事務所ではひよこちゃんなんて言われているけれど、クライアントに対して言うべきことははっきりと言う、社労士2年目の雛子。
前作よりも、ミステリー風味が加わっている。
社労士ミステリー小説! -
「ショッピングセンターなど、入っている施設のことを指して、館(やかた)と呼ぶらしい。」...懐かしい。業界じゃ一般的なことだったんだな。
小売業の未払い残業代、飲食店経営会社の本社社員の介護のための時短勤務希望、耳を貸さない経営陣、そして問題の根底にある人手不足人手不足人手不足...小売・サービス業の労働問題あるあるで溢れていて、読んでいて何度か苦しくなった。
ともすると小難しく回りくどくなりがちな、社会保険や労務について、予備知識が無い人でも楽しめるくらい読みやすくストーリーに落とし込まれていて、勉強になる。
そのうち実写ドラマ化しそう。 -
有期雇用から無期雇用に伴う配置転換。
年少労働者の労働制限。
サービス業の一人正社員の過労。
セクハラと嫉妬。
介護休業とバイトテロ…
1作目に続き不条理が蔓延する会社のトラブル解決に走る、社労士ヒナコに今回も楽しく読ませてもらいました。
人の営みとどう折り合いをつけるかって永遠のテーマ。 -
社労士とはこんなお仕事なお話。
シリーズ第2弾。
社労士となってから1年が過ぎた主人公。
雇い主と従業員の間に入り現実問題と法律を上手にやりくりするのが社労士とのことですがなかなかのストレスな職業と思われます。
短編でとても勉強になります。