将棋指しの腹のうち

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 181
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163911601

作品紹介・あらすじ

将棋とメシをめぐる物語。棋士は何を食い、何を語り、将棋に挑むのか――羽生善治とステーキを食べた夜加藤一二三のチョコレートのひみつ藤井聡太の親子丼のみろく庵……藤井聡太が対局中に豚キムチうどんを注文し、話題となった千駄ヶ谷のみろく庵。しかし、先崎は、このブームを知らなかった。なぜなら、かれは「うつ病」だったから……。“うつ病九段”が描くメシから見た将棋界の真実⁉

感想・レビュー・書評

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  • 将棋指しの腹のうち、と言っても、棋士が何を考え、企んでいるのかという内容ではない。食べ物とお酒にまつわるエピソード、特に将棋会館のある千駄ヶ谷近辺の飲食店と、その飲食店にまつわる話が書かれている。
    筆者の先崎学は、プロの棋士である。うつ病を患い、しばらく対局から遠ざかっていたが、今は復帰している。プロ棋士であるが、とても文章が上手く、エッセイを中心に多くの本を書いており、私も何冊かは読んでいる。
    読みやすさと、将棋界の裏話的な話の面白さが特徴。本書も、その特徴通りの本だった。

  • 楽しげな話と勝負の世界のぴりっとした話がたくさん出てきた。折しも将棋界のニュースが速報で流れてくる中なんとなく臨場感を感じながら読んだ。
    やわらかい言葉選びで読みやすい、そしてコミカルで、好きな人の話しかしない、と書いてあるだけあって、一緒に食事・飲酒している人たちへの言葉がとてもやさしい。同時に、女性に対する見方が固まった世界だなとも思う…。個人の問題だろうか、わからないけれども。
    羽生さんとの大仕事のエピソードや、一緒に怒った話、おもしろかった。有名な人の人となりがちらっと見えるようで。
    こんな世界にいて、常に勝とうとしていたら、すごくスリリングな日々だろうし、ゴハンもおいしいだろうな。
    内容は関係ないけど、表紙の雰囲気はもちろんのこと、似顔絵が『うつ病九段』とずいぶん違うテイストなのが印象に残った。

  • 重いうつ病から回復した先ちゃん、棋戦に復帰できて本当に良かった!楽しい文章も以前通りで、プロ棋士の素の姿が活写されていて嬉しい。なんとなくアンタッチャブルな(?)感じの羽生九段についてもサラリと書かれていて良かった。「読む将」必読の一冊だな。

  • うつ病九段こと先崎学による、将棋指しと行きつけの料理屋にまつわるエッセイ。

    世間にはうつ病で有名になったが、彼の軽妙なタッチの筆致が読めるのはむしろこの一冊。
    そして将棋界の人間関係や縮図が垣間見れて面白かった。

  • 過去のパワハラ将棋界。
    国民栄誉賞をとって職員に鰻を奢る羽生。
    肉の塊、タイトルの涙、愚痴。
    飲み屋や食事で色んなコミュニケーションがあり、ドラマがあった。コロナ後はまた変遷して行くのだろう。

  • 藤井聡太君の活躍もあってか、対局中に
    棋士が何をオーダーして食べたか、に注
    目が集まっているそうです。

    そしてそれを出前する店にも連日行列が
    できているとか。

    そんなグルメ本がこの本の入り口ではあ
    りますが、実際にはそんなに多くの店が
    出前をしている訳ではないです。

    およその店は限られているのです。

    そなると次は酒の話です。もちろん未成
    年である藤井君は出てきませんが、棋士
    達が普段どんな店に行き、どんな飲み方
    をしているのかを知ることが出来ます。

    棋士達を身近に感じることができる一冊
    です。

  • 東京・千駄ヶ谷の将棋会館周辺の六つの飲食店。
    そのお店で先崎学九段と他の棋士仲間が繰り広げる、ちょっとした興味深い話が書き綴られています。

    やっぱり面白いのはお酒にまつわる話です。特に、行方九段が介護される話は十行ほどの記述ですが、もうその姿がリアルに想像できて笑いをこらえることができませんでした。行方九段との飲み会のエピソードが書かれた本が出版されたら、是非、読んでみたいです。

  • 闘病後の文章なのでどうかなと思ったが、相変わらず軽快な文章でさらさらと読み終わった。
    ジェンダー観が古いのが残念。

  • 将棋の世界ってものすごく昭和的。いい意味でも悪い意味でも。そば、鰻、ステーキ、焼肉!

  • 先崎学九段、「うつ」からは完全に復活されたようですね! 17歳で四段、A級在位2期、羽生世代の一人ですが、今は、文筆業の方が盛んかもしれませんw。「将棋指しの腹のうち」(2020.1)、とても面白かったです。著者のエッセイ、たくさん読みましたが、一番の面白さと思います。将棋会館の近くの食事処、酒飲み処を舞台にした将棋界(村社会)のエピソード、棋士たちの愛すべき人となり・・・。今回は、かなり踏み込んだ話もありますが、著者の「好きな人間の名前しか出していない」はGOODだと思いますw。

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著者プロフィール

先崎 学(せんざき まなぶ)
1970年、青森県生まれの将棋棋士。九段。
エッセイストの側面もあり、多くの雑誌でエッセイ・コラムを持つ。羽海野チカの将棋マンガ『3月のライオン』の監修を務め、単行本にコラムを寄せている。
著書多数。代表作に『フフフの歩』、『先崎学の浮いたり沈んだり』、『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』など。

先崎学の作品

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