ルポ「命の選別」 誰が弱者を切り捨てるのか?

  • 文藝春秋 (2020年11月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (328ページ) / ISBN・EAN: 9784163913049

作品紹介・あらすじ

【日本医学ジャーナリスト協会賞優秀賞、貧困ジャーナリズム賞、平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞の3賞を受賞した傑作ノンフィクション!】

本書は毎日新聞のキャンペーン報道「優生社会を問う」をベースに、
担当した2人の記者が書き下ろしたものです。

旧優生保護法が改正されて四半世紀近くが過ぎましたが、
障害者への社会の理解は深まったのでしょうか?
障害者を取り巻く環境は改善されたのでしょうか?

新型出生前診断(NIPT)が拡大するのを利用した数多のクリニックの「検査ビジネス」は急成長中で、「不安ビジネス」として社会問題化しています。
障害者施設が建設される際、いまだに周辺住民の反対運動が、最初の大きな壁となります。
そして、実の親による障害児の社会的入院、治療拒否……。

障害者入所施設・津久井やまゆり園(相模原市)での大量殺人が世間を震撼させている今日、
いまだ弱者が切り捨てられるわが国の現状を検証します。

みんなの感想まとめ

命の選別に関する深い考察が展開される本書は、出生前診断や障害者施設の建設にまつわる社会的な課題を多角的に掘り下げています。読者は、様々な視点から「命の選別」というテーマを考えることで、自らの価値観と向...

感想・レビュー・書評

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  • 要なしの人間なんているわけはないと
    神様はいつも僕に言うけど
    本当のところは口をつぐんで
    誰も言おうとしないけど…

    読み終わってから、THE BOOMの「気球に乗って」の歌詞が何度も頭の中でリフレインしている。

    障害者施設「津久井やまゆり園」の大量殺戮事件。
    犯人は「障害者は不幸を作ることしかできない」と言った。
    およそ常識からかけ離れたその言動に、ついつい犯人のことを狂人だから、と線をひきたくなる。
    しかし、LGBTの人を「生産性がない」と公然と差別する政治家(国民の代表者だ!)まで出現してしまうとそんなことも言っていられなくなる。

    「優生思想」は狂信的なヒトラー支持者みたいな特別な人だけでなく、誰もが持ち合わすものなのではないか?あなたもそうではないのか?

    そんな問いをこの本は投げかけてくる。

    出生前診断、ゲノム編集、受精卵診断、 NIMBY(Not In My Back Yardの略語で「施設の必要性は認めるが、自らの居住地域には建てないでくれ」と主張する住民エゴ)、障害児の社会的入院、「地域移行」理念以前の障害者入所施設の実態、そしてコロナ禍の「命の選別」など、取り扱う分野は幅広い。

    弱者はただただ切り捨てればよいのか?
    多様性を認めない社会は、結局は自らの、広く言えば人類全体の首を絞めることになるのではないか?

    我々は今どんなに健康でも、老いれば身体の機能低下や病気の出現で障害を負うようになる。
    つまりは、長生きすれば将来必ず弱者の立場になるのだ。その時、社会がどんな形であってほしいか。

    そして、コロナ禍で不要不急の外出を制限され、ソーシャルディスタンスを求められる、強いストレスを感じている。でも、このしんどさを、実は障害者は常に感じているのだ。
    だから、コロナ禍の今こそ、誰もが新たな差別の対象となるディストピアへ向かうのか、それとも、分かり合える社会を築くのか、その分岐点にある、という。

    とても考えさせられた。


    ちなみに、この本は日本経済新聞の書評で知った。
    昨日(2/13)の日経に「コロナ禍で読書SNSが人気」という記事が載っていて、ブクログが紹介されていた。利用者が異例の伸びなのだと言う。
    コロナ禍で読書人口が増えている、と言うことなのだろう。読書は人の内面を豊かにする。
    豊かな内面の人間が集まれば豊かな社会が生まれる。
    なんだか少しだけ明るい将来が垣間見えた気がして、勇気づけられた記事だった。

    • 澤田拓也さん
      たけさん、こんにちは。
      「コロナ禍で読書SNSが人気」の記事遅ればせながら読みました。ありがとうございます。コロナは勘弁してほしいですが、...
      たけさん、こんにちは。
      「コロナ禍で読書SNSが人気」の記事遅ればせながら読みました。ありがとうございます。コロナは勘弁してほしいですが、読書してアウトプットする人が増えるのはよいニュースですね。
      2021/02/23
    • たけさん
      澤田さん、こんばんは!
      コメントありがとうございます。

      コロナははやく収まってほしい。でも、外で遊べない分、お金も時間も本に費やすことがで...
      澤田さん、こんばんは!
      コメントありがとうございます。

      コロナははやく収まってほしい。でも、外で遊べない分、お金も時間も本に費やすことができるのは、悪いことではないなぁと思ってます。

      読書は心を豊かにしてくれる経験。アウトプットする人が増えて、本から得たものを共有できる機会が増えるのもいいこと。
      コロナが過ぎても定着してくれるとなお良い、ですよね。
      2021/02/23
    • 澤田拓也さん
      その通りですね~。自分でもブクログで記録を付けたり、皆さんの意見を読んだりすることで、読書体験の質が何倍にもなっている気がします。
      その通りですね~。自分でもブクログで記録を付けたり、皆さんの意見を読んだりすることで、読書体験の質が何倍にもなっている気がします。
      2021/02/23
  • 出生前診断、障害者用施設の建設、ゲノム編集、相模原殺傷事件等、様々な角度から「命の選別」について語られる。
    視点によって、「言語道断で同意できない」と思うこともあれば、「それは許容しても良いんじゃないか」とも思う自分がいた。
    「何でAは良いと思うのに、Bは嫌なんだろう」と、自分の価値観や認知と向き合う作業が大変有意義な読書体験だった。

  • 出生前診断には目先の利益、妊婦へ不安を煽る。思っていたより広まっているのだな。

    特に興味深かったのは障害者を拒み施設反対運動をする地域住民の話。地価が下がるという根拠のない話から何をするか分からない危険因子を取り除く…など言い分は様々で説明会は聞く気がないから意味をなさないとかみんなで一致団結して工事を妨害するのが楽しいといった当事者の声など知ることができて良かった。

    中には地道な努力で地域の反対者を味方につけられた例もあって希望もあった。お互い許し合うことができるなんてすごいじゃないか…

    何かを排除したい気持ちにフォーカスを当てた本を読みたくなった。

  • 出生前診断、障害者入所施設建設、社会的入院や治療拒否、ゲノム編集と受精卵診断、相模原殺傷事件と優生思想、遺伝差別、コロナによるパンデミックが起きたことから考える総障害化という分岐点。など様々な「命の選別」が起きている、起きてきたであろう状況からむしろ現代は優生社会化しているのではないかと世に問う一冊。

    第1章出生前診断に関する章の中で、病気や障害を理由にした選択的中絶についての統計が取られていないということが書かれていて驚いた。あえて取っていないのだろうなと思われた。p52「現状を直視せず、タブー視して議論しないことが一番問題です」その後のどの章の問題についても言えることだと思う。

    第2章障害者入所施設建設を反対する住民問題というのも今でもどこででもあるのだろうと思う。
    p122ピンチをチャンスに変えてきた
    そういう熱意ある関係者の努力や思いで支えられていて、行政や周囲の地域が及び腰になっているところもまだたくさんあるのだろうなとも。
    関心がなく知りたくもないという人たちに理解を求めるのは本当に骨が折れるし心も折れそうになることだろう。p125いつかは自分のこと、とはなかなか思えない人のほうが多いのは現実だ。

    この章の中では、福祉経験のない不動産業者などが障害者入所施設運営に参入する事例が増えていることがあげられているが、自分も「障害者入所施設に投資しませんか」という不動産業者などの広告を最近よく見ることが増えていて、不穏だなというか不信感を感じることが増えた。今後もそういう業者が増えそうで懸念事項だなと思った。
    福祉は金になる、という文言を見たこともあり、出生前診断のところでも診断後のフォローのない医療関係機関の金儲け主義が問題としてでていたが、国にはこういうところへの監視やチェック、対応もきちんとしてもらいたいと思う。

    第6章p245重度知的障害がある息子さんがいらっしゃる大学教授の話には胸が詰まった。p262の親御さんの話にも。
    施設へ入所させる親や家族はそれが必ずしも最良と思ってしているわけでもないし手が離れたと喜んだり安心したりできるわけでもない。
    p263相次ぐ障害者虐待 にあるような事例や問題が起こったあとの検証の突然の終了や隠蔽など少なからず起きていることを知れば、懸念事項として言わなくても自分の子供や肉親も同じ目に遭っては居ないかと頭の隅にある入所者家族はかなり多いのではないだろうか。

    p274にあるように、施設関係者にとっては入所者の安全のためと疑いなくしていた処遇が、虐待に当たると認定されるようなことは実は少なくないのかもしれない。(一生懸命対処している現場の職員の人たちがこれで心折れたりしなければ良いなと懸念する)現実的にはグレーなことが多く判断が難しい状況もたくさんあるように思う。
    制御の難しい行動障害があったり、重度で処置に手間がかかったり、より人手が必要だったりする人ほど入所しづらくなっている現実にはその辺りの状況を避けたい関係者の考えもあるのかなという気もする。

    最終章で乙武さんが言っていたことにとても考えさせられる。考えがまだまだ及んでいないところがたくさんあるんだなと思い知らされた。
    2020年出版の本だが、むしろこれから読まれて欲しい一冊だと思う。

  • まず圧倒的な取材力と熱量を感じた。これだけの内容を2人だけでカバーしているのは単純にすごい。筆者たちは冒頭で、『「論」ではなく「事実」を地道に積み重ねることで、社会の通奏低音を明らかにするとともに、誰も幸せにすることのない優生社会化を問い直す糸口を探りたい』と志高く宣言する。容易なことではないはずだが、まさにジャーリストが担うべき仕事であり、見事にそれを達成している。

    生命倫理の分野で「リベラル優生学」や「新優生学」という言葉が登場して久しい。筆者たちはそうした知見は踏まえながらも難解な専門用語で誤魔化さず、ビジネス化の現場や学会の利権争いに踏み込み、時には「善良な」市民にも問いをぶつけ、それがどういうメカニズムで進んでいるのかを冷静に綴っていく。

    一つの章だけで新書一冊ほどの情報量が詰め込まれている。序盤はテンポ良く進み、ゴッドハンドや黒幕のカーテン屋などの描写も印象的。途中の章で読みにくくなったり、気分が重くなるのは否めないが、それだけ「事実」にこだわる執拗な取材であることや、著者たちが「われわれの問題」であると訴えたいことも伝わってくる。それぞれの章は違うテーマを扱っていて、独立しても読めるが、少しずつ相互に絡み合っていて、全体を通すと現代社会の歪みが立体的に浮かび上がってくる。圧巻は、ゲノム編集の発展と日本医学会による優生学の検証を対比させながら、物語に仕立てた4章。なぜ日本だけ障害者らへの強制不妊が21世紀目前まで続いていたのか、その反省や教訓は先端技術による遺伝子操作にどう生かされるのか。これらの問いに現代の生命科学の問題が集約されている。2020年のベスト3に入る労作であり、地味だがもっと読まれるべき良書であろう。

  • 障害児と関わる仕事をしています。周りに健常児より、障害児の方が多い環境にいると、この世界での「多数派」としての価値観が、世間一般では「ごく少数派」としての価値観だということを忘れがちで、そこが乖離を生む要因の一つになっていると感じます。
    「ごく少数派」の私たちも、「多数派」がどうかんがえているのか、目を背けず、向き合っていくことができれば少しはさまざま前進するのでしょうか。

  • 重い内容だけれども目をそらしてはいけない問題であるし、真面目に議論しなければならないことである、その議論のもとというか共通理解として持っておく情報を提供してくれる。良質のルポルタージュである。ときに熱くなりがちな筆致が見られるけれど全体的にクールで冷静な語り口が貫かれている。強制不妊から続く問いだけれども、この本とペアで読んで欲しいのは森岡正博氏の「生まれてこないほうがよかったのか?」。どちらが先でもいいのでぜひ多くの人に読んでもらいたい。手始めに学生ゼミで輪読させようと思うのだった。

  • ものすごいよかった(語彙力)
    出生前診断など、現状に衝撃を受けた。
    ずっとずっと考えていきたいテーマ。
    くりかえし読んで、落とし込みたい内容。

  • 2020年秋出版。
    毎日新聞での連載を基にまとめられた一冊。
    仕事の関係で購入し、その章のみ読んで積読していたが、改めてこのテーマについて考えたくなって読了。

    日本において優生思想がどのように事象化しているか、障害者差別、出生前診断、遺伝子操作などわかりやすい問題を取り上げながらまとめられていた。
    様々な学識者、当事者、関係者の意見やデータを用いて客観的な裏付けを試みながらも、全体のトーンとしては作者の主観が強めに感じられた。

    個人的な発見は、「病気にならないようにすべき」と考えることが優生思想に繋がるのかを考えさせられたところ…
    苦痛が強い、寿命が短いなどの重大な病気にならないように願うこと、防ごうとすることは、本書によれば、行きすぎると今その病で生きる人の存在の否定に繋がるとも考えられる。

    障害は社会モデルで考えれば「人」と「環境」の間にあるものだから、環境側を変化させれば無くなる。そうすれば、障害のある人の存在を否定したり、障害のある状態を防ごうと望んだり、治すべきという概念はそぐわなくなる。
    一方、病気はその人の状態像であるから、防ぎたい・治したいという概念が排除しきれない。
    作者は、心身の安寧を願うことと、個人の排除は異なるものとまとめていたが、引き続き考えたい問いだと感じた。

  • オランダには、ダウン症の子供がいない。
    NIPT新型出生前診断が公費で受けられる。
    日本では、自費だし、受ける要件は、日本産婦人学会により決められていたが、今は厚労省が、音頭を取りガイドラインを策定中。
    NIPTを受け、陽性となった場合、障害者を産む可能性がある為、中絶する。
    先天的な障害者を無くす、旧優生保護法の思想に近いものがある。
    医療費、社会保障費の軽減にもなりうる。

    障害者差別解消法では、その障害児を産みたくないから中絶する、と言う概念でもう差別しているのだが。

    権利意識として、知る権利、障害者を持たない権利を口にされると弱いのだが、レイシストだね。

    しかしね、障害は、先天的じゃなく後天的な物もあるのだよ。

    また、産婦人科医が経験するのは、もし治療したら生きられるが、医療的ケアは要らないが障害児で生まれて来た赤児の治療を拒否、挿管して呼吸器をつけ、大学病院の医師はなんとかして治療を受けさせたいが、延命を拒否。

    高齢者の場合、今まで自分の意思を表明することができるが、生まれたばかりの赤児は意思を表明することができない、親が判断することになる。
    拒否するのは、ほとんどが父親のようだが、なんということだ。
    産婦人科医や小児科医は、児童相談所や病院内の倫理委員会に申し立てをするが、時間が欲しい。

    高齢者のACPと赤児のACP。
    まったく違う。

    障害がある我が子を受け入れられないから、延命しないでくれ、=見殺しにしてくれ。

    彼らを理解する医療者がいるが、
    私は何無責任な事言っているのだろう?と思う。
    なら、もう二度と子供を産まない、
    子供ができるような行為はすべきではない。
    他人に殺人を強要し、職業人としての倫理を侵させる行為を平然と言ってのける、
    それが、その親の障害では?
    他人を慮れない。

    レイシスト
    障害がある子を育てられる社会保障制度がなっていないと、言うが、前提にあるのは、レイシストである親の無責任さ、無自覚さ、

    存在の耐えられない軽さ、
    障害があっても、我が子、自分が育てないと、
    育てられないなら、最初から妊娠する行為をしなければ良いし、まさか、障害児を産むとは思わなかったのか?
    しかし、もしかして後天的に障害児になったら、

    社会のせい、そうは思わない、あくまで育てにくさは
    本来は、自分たちの中にある。

  • 毎日新聞上で2019年4月から続けてキャンペーン報道「優生社会を問う」をもとに新たに書き下ろされたもの。
    全体に冗長だが、相模原の障害者殺傷事件以来の国内の状況はよく追えている。元が新聞の報道記事だから仕方ないか。
    社会から見えなくしていることにより、知らないが故の不安と、見えない場所の管理不全。
    コロナのような影響がないと社会は変わらないし、倫理基準は批判を受けつつ改善していくしかないが、可視化された問題は解決する努力はして欲しい。

    https://mainichi.jp/ch190843744i/%E5%84%AA%E7%94%9F%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E3%82%92%E5%95%8F%E3%81%86

  • 「なかったことにしたい」「遠くで暮らして欲しい」「生まれないで欲しい」それが本音だとしたらなんと悲しいこと。傍観者として眺めているだけならなんとでも言える。「現実は過酷だ」当事者にそういわれたら、返す言葉はない。「ほっと一息つく暇もない」それでも幸せは思わぬ瞬間に感じるもの。自分も家族も健常で、一見平穏な暮らしにみえても、生きていくのは楽ではない。ハンデがある人もそうでない人も、身近にいて、助け合いながら暮らして行く。そんな古くて新しい世の中であったらいい。いろんな問題を読み進めながらそう思った。

  • NIPTを迷ってこの本を読んだ。正直、今の日本は障害者の親となるにはあまりにも生きづらいと感じた。「命は輝く」と違い、世間や政治的な側面の紆余曲折も書かれていてそこは興味深かった。

  • 印象的だったのは出生前診断NIPTに対して「不安ビジネス」との批判しているところ。
    美容外科が次々とNIPT事業に参入する理由として、利益率の高さが挙げられているのも医療としての倫理が置き去りにされ、ビジネスとしての側面が強いから。

    NIPTは本来、親が安心して将来を考えるための技術であるはずが、ビジネスとして過度に商業化され、親たちの不安を煽る仕組みが広がっている現状は非常に問題だと感じた。親たちが冷静に選択できる環境作りと、十分なサポート体制の整備が急務だと思った。

  • 毎日新聞の記者さんが書きおろしたもの。よく調べられていて、日頃あまり小説以外読まない私が気になり手に取って読了。障害を持った方に関わっているため、考えさせられる内容ばかりだった。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/748463

  • 技術の進歩と市場経済と差別が混ざり合う現代の優生思想の複雑さを勉強した。

    出生前診断の話はあまりにも色々な思惑が絡まり合いすぎて愕然とさせられた。
    障害者への社会の冷たさと障害を抱えながらも幸せに生きる人々のエピソードに心を大きく動かされた。
    じっくりこれからも考えないといけない。

  • 感想
    境界線のあちら側とこちら側。特定の目的のために設定された境界は別の目的にも転用されうる。それが差別意識へとつながる。社会と個人の問題。

  • 4.3/232
    内容(「BOOK」データベースより)
    『妊婦の不安を煽る「出生前診断ビジネス」、障害の重いわが子の治療を拒否する親たち、「相模原殺傷事件」施設で続く虐待疑惑…わが国の「優生社会」化が止まらないのはなぜか?新聞協会賞受賞ジャーナリストが“命とは何か?”を問う!』

    冒頭
    『 まえがき
    新型コロナウイルスが猛威を振るう。増え続ける感染者。医療現場は人工呼吸器もベッドも足りない。救命の見込みが乏しそうな人の呼吸器を外すよう、医師が指示する。別の患者に付け替えるためだ。その命よりも、こっちの命を優先する。そのとき切り捨てられるのは、障害や病気のある者ではないか――。
    コロナ禍に揺れる2020年春。市民団体や障害者団体から「命の選別」を危惧する声が相次いだ。障害学会も警鐘を鳴らす声明を出した。
    幸いなことに、日本はそれを実行する事態にはまだ直面していない。だが、先回りして考えようと医療や倫理の研究者らが判断基準の試案を作り、「優生思想につながる動きだ」と波紋を広げた。冬場にかけて感染のさらなる拡大が見込まれ、次に何が起きるか、障害者らの不安は募る。』

    『ルポ「命の選別」 誰が弱者を切り捨てるのか?』
    著者:千葉 紀和
       上東 麻子
    出版社 ‏: ‎文藝春秋
    単行本 ‏: ‎325ページ
    発売日 ‏: ‎2020/11/30

  • 社会的な問題と認識しつつも何となく詳細を知ることを避けていた事例がいくつも。端から見てるときは言えることも当事者となったら逆のことを言ってるかもしれない。自身も無意識に命の選別をする思想を持ちうると考えると怖い。今まであまり読んでこなかった類いの本なので、今後はもう少し読み広げたい。

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