ショートケーキ。

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163915241

感想・レビュー・書評

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  • ショートケーキにまつわる短編集。
    ショートケーキってただ食べるだけではなく、特別な役割をもっているんだよなと改めて思った。
    ちょっと辛いときに慰めてくれるものであったり、ホールになると家族や仲間の象徴っぽかったり。
    5編共に、共感しながらすんなり読めた。

    関係ないけど、今までショートケーキ=カットされたケーキ(特に苺のやつ)だと思い込んでいて、間違っていたことにこっそり衝撃を受けた。
    あと、「わきわき」って誤字かと思ったら、ワクワク+ドキドキの造語らしく、こちらもびっくり。

  • ショートケーキを題材にした短編集。
    本作を読んでみると、改めてショートケーキは幸せの象徴の1つであると感じました。思わず「あるある」と言ってしまいそうなくらいの心情や出来事が多かっただけでなく、それぞれのチャプターが主人公の視点から描かれていることで、よりそれぞれの主人公に共感出来た気がしました。

  • ふんわり優しく甘いけど、ほんのりイチゴの酸味もある。
    そんなショートケーキを介して描かれる、5つの連作短編。
    ホール・・・『失われたホールケーキの会』ゆかとこいちゃんの
         母子二人家族では買えない、ホールケーキへの想い。
    ショートケーキ。・・・ゆかとこいちゃんを見ていたケーキ屋の
         バイト、カジモトくん。「そろそろ」だけでなく、
      「これから」もある。姉さんへの父さんの反応が最高!
    追いイチゴ・・・カジモトくんの先輩バイト上田さんの視線の先は、
      二人の天使とカジモトくん。人の喜びが嬉しい心は素敵。
    ままならない・・・『ごじょ』のあつこ、さとこ、きみえ。
      妊娠して出産、子育ての日々はままならないけど、三人で
      語り合えれば文殊の知恵。離れてしまっても絆は助け。
    騎士と狩人・・・ショートケーキ繋がりで央介が知ったのは、
      経理さんの女騎士ぶり。次に隣の席の女子のハンター気質。
      これが冒険への始まりの序曲になる・・・といいね。
    5つの連作短編はショートケーキで繋がる、ご褒美感のある話。
    ケーキを介して語られる人間模様は、優しい味わいがする。
    ごく普通にケーキ屋さんに並んでいるショートケーキだけど、
    寂しさも、歓喜の高揚感も、鎮めてくれる特別存在かも。
    久しぶりにショートケーキを買いに行こうかな~♪
    ケーキの描写がステキだし、なんといっても装幀が素晴らしい。
    各話の扉のケーキの数が増えていくのが可愛いかったです。

  • なんてかわいいお話でしょう!
    イチゴが乗ったショートケーキにまつわる短編集。
    でも、それぞれに前の話しに出てきた人が登場したりして見る視点を変えるとこんな感じなのね…ってなる。こういうの、好きです。

  • 和菓子のアンシリーズが好きなので、本作も期待していました。そして期待通りの良い作品。ショートケーキという身近な題材でこんなにステキな連作短編がうまれるとは。

  • ショートケーキのふわふわ感、甘さ、幸福感。視覚と脳内イメージで楽しめるやさしい話。
    時間かけずにサラッと読めるのがよい。

    子育てママの心情がうますぎて、泣ける。

  • ショートケーキを中心に様々な人物の生活が描かれる。
    ホールケーキを買っていく女の子たちのことを「天使」と呼ぶ。とても良いと思いました。

  • 全編よかったけど、特に前半のホール、ショートケーキ。、追いイチゴまでの流れがとても好きだった。
    ホールのケーキを独り占めしたいって思ったことある人、けっこういるんじゃないだろうか。あるのが当たり前みたいに思うけど、ケーキと言えば、なイチゴのショートケーキ、私も食べたくなった。
    坂木さんの文章が好みだなと改めて感じたので、ほかの作品も読んでみようかな。

  • ショートケーキが食べたいっ!!!!
    そんな気持ちにさせてくれる短編集。

    ホール
     失われたホールケーキの会。シングル家庭でもホール!!
    ショートケーキ。
     姉ちゃんの好きなショートケーキ。食べてほしいな。
    追いイチゴ
     イチゴ味のケーキから、ケーキ味のイチゴへ!!
    ままならない
     母になるというのは、そういうこと。
    騎士と狩人
     同じ職場の経理さん。まるごとバナナを食べてる。

    どの話も少しずつ登場人物が繋がってて、
    面白く読めたよー!!
    個人的には「ままならない」に泣いてしまったー。
    母になって、自分の時間がなくなって、同じ境遇の
    ママ友と一緒に互助しながら、自分のストレス発散する。
    けれども、自分のやりたいことをやってても、
    頭の片隅に子供のことが浮かんで集中できない…。
    ………分かる!!分かる!!
    それが、母になったってことなんだよね!!
    なんか、泣きながら読んでしまったー。

    どの話も美味しいショートケーキのことが出て、
    特にコージーコーナーとガッツリ名前が出てると
    食べたくなるじゃないか!!
    シャトレーゼでも、可だぞー笑

  • 美味しそうなショートケーキの連作短編集。
    「ままならない」は、昔を思い出して懐かしかった。
    ショートケーキが食べたくなりました。

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著者プロフィール

一九六九年、東京都生まれ。二〇〇二年『青空の卵』で〈覆面作家〉としてデビュー。一三年『和菓子のアン』で第二回静岡書店大賞・映像化したい文庫部門大賞を受賞。主な著書に『ワーキング・ホリデー』『ホテルジューシー』『大きな音が聞こえるか』『肉小説集』『鶏小説集』『女子的生活』など。

「2022年 『おいしい旅 初めて編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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