コメンテーター

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163916873

作品紹介・あらすじ

直木賞受賞、累計290万部の人気シリーズ17年ぶりに復活!
低視聴率にあえぐワイドショーのスタッフの圭介は、母校のつてで美人精神科医をコメンテーターとしてスカウトしようとする。が、行き違いから伊良部とマユミが出演することに。案の定、ふたりは放送事故寸前のコメントを連発するが、それは暴言か、はたまた金言か!?

感想・レビュー・書評

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  • この作品は精神科医の伊良部一郎と看護師のマユミのシリーズものらしいのですが、私はこの『コメンテータ』が初読みですが、途中からでも全然大丈夫読めました。

    連作短編集です。
    タイトルの『コメンテーター』は1作目の「コメンテーター」からとられています。

    「コメンテーター」はコロナ禍で視聴率の取れなくなったワイドショーにちょっとした間違えで伊良部とマユミが出演。伊良部は言いたい放題好き勝手に喋り、マユミは笑わないキャラで超ミニの白衣を着て出演します。
    番組の視聴率は1%台だったのが4%近くまで上がるという、怪作です。

    「ラジオ体操第2」はオフィス機器メーカーに勤めるパニック障害の福本。

    「うっかり億万長者」は26歳の引きこもりで株聴者で10億円の資産を持つ河合。

    「ピアノ・レッスン」は27歳のピアニスト藤原友香は広場恐怖症です。

    「パレード」はW大3年の社会不安障害の北野裕也。

    伊良部は患者に対して荒治寮はしますが、これといった普通の治療はしません。投薬はせず、ひたすらマユミにビタミン注射を打たせますが。

    そして伊良部は太ったフィギュア好きのおじさんですが、「ラジオ体操第2」に出てきた猪野という男の話が端的に伊良部像を現わしていると思います。
    ーこれが先生の先生たる所以よ。誰とでも打ち解けちゃうんだよ。最初に診察を受けたとき思ったことだが、あの先生、人間に対する先入観が一切ないんだな。見た目で判断しねえんだ。ー

    もっと笑わせてくれるのかなと思ったら意外と人情噺が多かったです。

    • まことさん
      土瓶さん、おはようございます♪

      土瓶さんは伊良部先生のシリーズ、ずっと読んでいらっしゃるのですね!
      土瓶さん、この頃本が合わない、合...
      土瓶さん、おはようございます♪

      土瓶さんは伊良部先生のシリーズ、ずっと読んでいらっしゃるのですね!
      土瓶さん、この頃本が合わない、合わないとおっしゃっていらっしゃるから、土瓶さんにも楽しみなシリーズがあってよかったです。
      図書館、200番目ですか!
      都会に住んでらっしゃるのですね。
      私の所は、いくら多くてもそんな数字でません。二桁どまりです。
      ちなみに私は、予約1番目でした。
      2023/06/03
    • 土瓶さん
      ちなみにですが、凪良 ゆうさんの「汝、星のごとく」は、1200番以上の予約数がついてたので諦めました。
      いったい何年後になるのやら(;´д...
      ちなみにですが、凪良 ゆうさんの「汝、星のごとく」は、1200番以上の予約数がついてたので諦めました。
      いったい何年後になるのやら(;´д`)トホホ   
      2023/06/03
    • まことさん
      土瓶さん♪

      1200番以上!!!
      私の地域ではありえないです!
      (^^;
      土瓶さん♪

      1200番以上!!!
      私の地域ではありえないです!
      (^^;
      2023/06/04
  • 久しぶりの伊良部先生。17年ぶりだそう。


    懐かしさと面白さが一緒にやって来た。

    「コメンテーター」、「ラジオ体操第2」、「うっかり億万長者」、「ピアノ・レッスン」、「パレード」の5篇の短編からなる。

    いつも通りの伊良部先生。ろくな医療はしてないけど、治してしまうし的を得てるし、やっぱり名医なんだろうな。

    それにしても前作読んでから17年経ってることに衝撃。そんなに前か?この間何してたんだろ?

  • 地区センターでお借りしました♪
    県立図書館でお借りした本がまだほぼ手つかずなのに...
    なのに、見つけちゃったんですよ~

    我慢なんて体に悪いこと出来ませんでした(笑)


    「いらっしゃい~♪」久~しぶりの伊良部先生ですヽ(*'▽'*)ノ

    個人としては約3年半ぶり、シリーズとしては17年ぶりの新作です。

    やっぱぶっ飛んでるなぁー(笑)
    でも評価は厳しく☆3つ。

    面白いんですよ(=^▽^=)
    でも、なんかぶっ飛び感がちょっと淋しく感じてしまいましたm(_ _)m

    勝手にもっと×∞破天荒な伊良部先生を期待してしまっていました(-ロдロ-)ゞ


    <あらすじ>
    人気シリーズ「伊良部先生シリーズ」の第4作目です。トンデモ精神科医・伊良部先生と看護師・マユミが、様々な心の病を抱える患者たちに型破りな治療を施す短編集です。

    本作には5つの短編が収録されています。

    コメンテーター:低視聴率のワイドショーに出演することになった伊良部先生は、生放送で思いつきの発言を繰り出す。

    ラジオ体操第2:過呼吸とパニック障害の会社員は撮り鉄がカメラを構え集まる踏切でラジオ体操第2を全力で。

    うっかり億万長者:株で何十億も稼いだ男が、過呼吸症候群になって伊良部先生の診察を受ける。

    ピアノレッスン:広場恐怖症のピアニストが、伊良部の行動療法でポルシェに乗って街中を走る。

    パレード:社交不安障害の会社員が、伊良部の指示で渋谷のハロウィンに参加することになる。

    伊良部先生の破天荒なやり方には驚かされますが、彼の言葉には深い真理が隠されています。心の病を抱える人たちにとって、伊良部は先生救世主なのか悪魔なのか、それとも…
    やっぱ間違いなく名医ですよね☆

    さて、間に合わないけど県立図書館でお借りした本を読まねば...( ̄▽ ̄;)

    本の概要

    直木賞受賞、累計290万部の人気シリーズ17年ぶりに復活!
    低視聴率にあえぐワイドショーのスタッフの圭介は、母校のつてで美人精神科医をコメンテーターとしてスカウトしようとする。が、行き違いから伊良部とマユミが出演することに。案の定、ふたりは放送事故寸前のコメントを連発するが、それは暴言か、はたまた金言か!?

  • 伊良部先生シリーズの続編


    なんと17年ぶり!!!!
    そんなに前だったんですね!
    読んだのは発売当初ではないので
    知りませんでしたー!



    久々の伊良部先生
    読んでいると肩の力が抜けるというか
    ふっと楽になりますよねー

    なんというか、
    今の世の中に必要な人だなって思いました
    コロナ禍で、生きにくい世の中に
    あー楽に生きていいんだなって
    思わせてくれます
    もっと読みたいー!


    軽く読める一冊としてオススメです(^^)

  •  「おかえりー、伊良部先生・マユミちゃん! 待ってたよー!」という気持ちです、ハイ。
     精神科医・伊良部一郎は救世主か疫病神か? ブク友の皆さんもぜひ読んでみてください! 伊良部先生も言ってますよ「うん、よろしくねー」って。

     本書は5篇に分かれており、どこからでも読めるし笑えます!(保証付)
     破天荒で有無を言わせない伊良部の行動療法や助言は、迷医と疑りたくなるも、芯を付き説得力もあるので名医か‥? この絶妙のバランスは健在でした! 久々に「いらっしゃーい」の声が聞けてよかった。読後、やっぱりスッキリ気分爽快でした。

    ※ここからは私の妄想世界(あ、病気?)
     突然ですが<読者インタビュー>です!
    (勝手ながら、読了済の方対象です、スミマセン)

     Q1 伊良部の言動は
      ①毒にも薬にもならない
      ②名言・金言
      ③失言・暴言

     Q2 本書の感想は
      ①可もなく不可もなし
      ②楽しい・痛快・ホッとする
      ③くだらない・得るものなし

     はい、設問は2つですが、3択それぞれへ共通した回答分析があるようです。ここで伊良部先生から直接コメントをいただきましょう。

      ①平気、平気。 しょうがないなあ。
      ②ぐふふ。 でしょ?
      ③これは重症だねー。 じゃ注射ね。

  • 奥田英朗さんはブクログ初登録。オール読物で連載されていて面白いと思っていたので読んで見た。
    皆さんのコメントを見ると17年振りの新作だったし、直木賞も受賞していたことに気づく。
    今回の作品はコロナ禍にあるワイドショーのコメンテーターだったり、パニック障害、コミュ症だったり、近年の神経症が話題になっていたが17年以上前の作品は何が話題になっていたか、逆に気になる。
    大病院の御曹子で破茶滅茶な言動の精神科医とロックグループにいるニヒルな看護師のとんでも無い治療法に笑えてしまう。結果的に治療できて患者が立ち直っているので、良しとしよう。

  • 17年ぶりの精神科医・伊良部シリーズ。
    以前と変わらないイメージの伊良部先生とマユミちゃん。
    でも、おかしい。
    ふたりがそんなに変人に思えなくなってる
    むしろマトモなところばかり目につく。
    私が変わったのか。

    患者たちは生真面目で小心者。
    そう、私であり、皆さんでもあるかもしれない。
    そんな患者たちに、もっと適当でいいじゃない、と、行動で示してくれる?伊良部先生。
    実はめちゃくちゃ頭が良く、患者思いなのかもしれない、ってことはないか。うん。

    17年前とは大きく変わった?それとも根っこは変わらない?
    それでも、ますます、伊良部先生が必要な日本という国になってしまっているように思う。
    続編でも、何かが充満してパンパンに膨れたこの日本の空気をガス抜きしてもらえれば、と思う。

  • 自分の中でブラマヨの小杉の伊良部医師が大活躍!いらっしゃーい~&マユミちゃん!ビタミン注射♪薬物処方無しで行動療法がさく裂!過呼吸、引きこもり、広場恐怖、社交不安障害など患者さんも多様。一方掌で患者さんを転がしながら患者さんを観察する彼はさすがだ。ショック療法というよりも「負の強化」なのだろうね。さらに上手い役割分担としてのマユミちゃんと事務員。どこまでだったら患者さんは耐えられるのか?というのをさりげなく確認している。このシリーズは元気を貰えるだけでなく、もしかしたら自分も?という気づきがあるかもね。

    • ごりさん
      ポプラ並木さん
      こんばんは

      最近 気になり過ぎてる シリーズです♪

      ドタバタ コメディなんですかね?
      益々 気になりました。
      ポプラ並木さん
      こんばんは

      最近 気になり過ぎてる シリーズです♪

      ドタバタ コメディなんですかね?
      益々 気になりました。
      2023/11/20
    • ポプラ並木さん
      例幣使さん、読友さんの中では 小杉 > 田中康夫 のようでしたよ(^^♪
      例幣使さん、読友さんの中では 小杉 > 田中康夫 のようでしたよ(^^♪
      2023/11/20
    • ポプラ並木さん
      ごりさん、おはよう!コメディーっぽいんだけど、実はまじめな精神科治療の話しなのでは?と思います。すでにシリーズ4作品目です。是非確認してみて...
      ごりさん、おはよう!コメディーっぽいんだけど、実はまじめな精神科治療の話しなのでは?と思います。すでにシリーズ4作品目です。是非確認してみてくださいね。面白い中で超真面目だと思いますよん。
      2023/11/20
  • あのハチャメチャ精神科医・伊良部が帰ってきた!なんと17年ぶりらしい。
    だが作中での時は止まったままのようで、伊良部の暴走ぶりも看護師・マユミの女王様っぷりも変わらなくて安心する。

    そんな伊良部がコロナ禍ではどうなるのか。どうもなっていなかった。コロナに感染していようが、院内感染が起きて大変だろうが伊良部は伊良部だったようだ。
    そんな伊良部がコメンテーターとしてワイドショーに出演するというのだから心配になるが、一方でワクワクもする。

    伊良部の良いところは良くも悪くも徹底的に患者に付き合うところだろうか。
    悪ふざけなのか治療なのか、本当のところは分からない。だが患者の悩んでいるところと正面からぶつかって破壊するくらいの勢いでやっていく。
    怒れない人には怒らせ、閉所恐怖症なら閉所で過ごさせ、市場から目が離せないデイトレーダーには徹底的にお金を使わせ…。その結果がどうなるかは読まれてのお楽しみ。

    今回、看護師としてだけではない姿を見せてくれたマユミがロックバンドのメンバーというのが彼女らしくて良かった。だがそのおかげで一人の患者の快方にも一役買っている。

    とんでもないハチャメチャ医師なのか、はたまたとんでもない名医なのか。どちらかは分からないが伊良部のようにとことん付き合ってくれて自分を解放してくれる人がいたら、閉塞感で息が詰まる現代の世の中も少しは楽になるかも知れない。

  • やっぱ奥田さんサイコー!
    大好きです!
    めっちゃおもしろかったー!

    近くに親がいたから声に出して笑えなかったのが残念だったくらい笑

    伊良部センセー、ファンですわー

    シリーズ17年ぶりだったのね。
    また期待してます!!

    ADHDについて
    「そのうち治るよ」
    だけは違うと思うけどー!

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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