八月の御所グラウンド

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163917320

作品紹介・あらすじ

京都が生んだ、やさしい奇跡。ホルモー・シリーズ以来16年ぶり京都×青春感動作女子全国高校駅伝――都大路にピンチランナーとして挑む、絶望的に方向音痴な女子高校生。謎の草野球大会――借金のカタに、早朝の御所G(グラウンド)でたまひで杯に参加する羽目になった大学生。京都で起きる、幻のような出会いが生んだドラマとは――。今度のマキメは、じんわり優しく、少し切ない人生の、愛しく、ほろ苦い味わいを綴る傑作2篇

感想・レビュー・書評

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  • 直木賞受賞作品
    京都を舞台にした二つの物語
    これが新しい万城目ワールドなのかなあ…?

    『十二月の都大路路上下ル』
    無慈悲な底冷えのする冬の京都
    女子全国高校駅伝に補欠登録されたサカトゥーが、急遽出場することになる
    大会中、彼女が見た不思議な光景とは…

    サカトゥーは「絶望的なくらい方向音痴」なんだけど、その音痴ぶりがまるで自分と同じで、そこ笑う所なんだろうけれど笑えなかった(^^;;

    『八月の御所グランド』
    殺人的な蒸し暑さの夏の京都
    御所グランドで、たまひで杯優勝に向けて朽木達は野球の試合をするのだが、いつも人数がギリギリ
    その場にいた三人に飛び入り参加してもらうのだが…


    まるで冬の京都と夏の京都に自分もいる様な気持ちにさせる描写は流石です( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )♡
    現代的な描写と京都ならではのファンタジーを織り交ぜた万城目さんらしい設定なんだけど…

    もっと来い!もっと絡んで!もっと暴れて!
    …欲しいんだよ〜ん٩(・̆ᗝ・̆)

    これはこれでいいのかもしれない
    サラッとしたティストで、ちょっと不思議な世界でありながら温かい
    でも直木賞もなあ…
    私はもっと面白い万城目さんの作品いっぱいあるのになあと思ってしまう
    ちょっと物足りないので、まだ読んでいない作品を読んで、万城目ワールドに浸かることにするッദ്ദി^._.^)

    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      へぶたんさま♪

      同じく寝落ち続きですZz◟(๑ᵕ⌓ᵕ̤)◞。o○
      何度も同じ所読んでます笑
      どうして本読むと眠くなるのでしょうか?
      うちの...
      へぶたんさま♪

      同じく寝落ち続きですZz◟(๑ᵕ⌓ᵕ̤)◞。o○
      何度も同じ所読んでます笑
      どうして本読むと眠くなるのでしょうか?
      うちの旦那が「プリンセストヨトミ」が大好きで、超すすめて来たのですが、私もなかなか読み終わらなかった記憶があります
      因みにこの本は、薄口なのでサクッと読めましたよ
      (⁎˃ᴗ˂⁎)
      2024/03/10
    • へぶたんさん
      K村さま♪

      そうなんです!同じ所何回も読むんですよ!そして進まない(笑)本から何かでてますね、きっと(^^;

      そしてこのお話、薄口なんで...
      K村さま♪

      そうなんです!同じ所何回も読むんですよ!そして進まない(笑)本から何かでてますね、きっと(^^;

      そしてこのお話、薄口なんですねー。なんか意外です(^^;
      2024/03/10
    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      へぶたんさま
      本から見えない目潰し光線出てますよね〜

      そう、薄口ティストなんで、新しい万城目ワールドなのかなあ??と思ってしまったんです
      ...
      へぶたんさま
      本から見えない目潰し光線出てますよね〜

      そう、薄口ティストなんで、新しい万城目ワールドなのかなあ??と思ってしまったんです
      読んでみてくださいよ、ゆっくりお待ちしております♪
      2024/03/10
  • 第170回直木賞受賞作。
    2部作からなる小説で、短編の『12月の都大路上下ル』中編の『八月の御所グラウンド』の2作。
    両作共に読みやすかったです。ただ、設定は良かったのにファンタジーにする必要あった?っていう何とも腑に落ちない作品でした。私は短編の方が好き。
    青春スポ根系に一手間加えた作品に仕立てたのでしょうが、私はどストレートが好きでして、帯見て分かってはいましたが、途中から変化球だったので、どうせやるなら終いまで書き切って欲しかったかなぁ。これが万城目ワールドなのは承知ですが、好みの問題です。

  • ぜひとも映像化してほしい作品。
    一編目の「十二月の都大路上下ル」がとても良いプロローグ的な導入になっていて、次の表題作も同じように不思議なことが起こるのかな?と自然とフワーッといつの間にかあちらの世界に連れて行かれてしまったような、そんな感覚。
    八月に京都に残っている人は“八月の敗者“なのだそうです。八月の京都の暑さに勝てる者などいない。皆、実家に帰ったり旅行をしたりしているのに、彼女にフラれて何も予定がなくなってしまった、そして、就職活動もせず怠惰な生活を送っている朽木。就職は決まったけれど卒業できる見込みがない多聞。
    多聞は卒業させる代わりに、草野球大会で優勝しろ!と担当教授から仰せつかる。
    寄せ集めのメンバーで草野球をすることになった朽木と多聞。メンバーが足りなくて、その辺を歩いている人にまで声をかける始末。
    真夏の早朝、夜の仕事が終わったばかりの派手なスーツの金髪君や、工場の仕事に行く前の作業着君、はたまた、中国人留学生の女子まで。
    どうしても卒業したい多聞が一生懸命寄せ集めたメンバー達。
    何やってんだよーと読み進めるうちに、メンバー同様、ここまできたらぜひとも優勝してほしい!と思わせられるから不思議。試合の成り行きに夢中になっている私。
    でも、ここから不思議な世界になってくるのです。
    ここからはぜひとも読んで確かめてほしい。
    京都のうだるような暑さ。送り火。お盆。終戦記念日。映像が浮かび上がってきます。
    夏休みももうそろそろ終わりだなぁ、と感じ始めるこのくらいの時、やっぱり日本人には感じるものがある気がする。日本人特有の感覚が。
    とても良かった!

  • 第170回直木賞受賞作

    「まきめ」さんとお読みするんですね。万城目学さんの名前は度々お目にして気にはなっていたけど初読み。
    京都大学卒。
    2006年のデビューというからけっこうベテランさん。直木賞の候補に過去5回もなっていて、6回目の今回受賞。
    wikiによると「日常の中に奇想天外な非日常を持ち込むファンタジー小説で知られる」とのこと。

    今回職場の方にお借りしてお読みしました。
    中編2作?短編1作と中編1作?というボリュームで、文章も読みやすいので無理なく1日で読み終えられる。

    京都を舞台に、スポーツの中での歴史上の人物との幻のような出会い。

    「十二月の都大路上下ル」は女子全国高校駅伝。爽やかな心地よさに包まれてとても好きな作品。

    「八月の御所グラウンド」は真夏の早朝の草野球大会。
    京都御所内にあるグラウンドでレジェンドであるあの大投手との邂逅。
    「俺たち、ちゃんと生きているか?」
    思わず口に出た問い。

    優しい感動を与えてくれる良書。
    この本も疲れている時にいいんじゃないかな。

    ♫さらば碧き面影/ロードオブメジャー(2006)

    • Kazuさん
      どなたも訂正されないのでコメントします。
      「まぎめ」じゃなくて「まきめ」です。
      私もずっと間違えていたので気になるんですよね (^-^)...
      どなたも訂正されないのでコメントします。
      「まぎめ」じゃなくて「まきめ」です。
      私もずっと間違えていたので気になるんですよね (^-^)♪
      2024/03/10
    • たけさん
      Kazuさん

      コメント今気づきました。
      ありがとございます!

      そうですね。
      こっそりと訂正しとこっと笑

      ちなみに、僕はずっと「まんじょ...
      Kazuさん

      コメント今気づきました。
      ありがとございます!

      そうですね。
      こっそりと訂正しとこっと笑

      ちなみに、僕はずっと「まんじょうめ」だと思ってました。



      2024/03/12
  •  万城目学さんは、京都を中心にした青春小説で、非日常の万城目ワールドなる世界観で人気を博しているらしい。これまで未読でしたが、本作は如何に‥。

     表題作「八月の御所グラウンド」の他に「十二月の都大路上下ル」という短編が収録されています。率直に言って、本作は思いの外面白かったです。
     切なさと味わい深さという点では「八月の〜」、清々しさでは「十二月の〜」でしょうか。個人的には、後者の女子全国高校駅伝で都大路を走る女子高生の短編の方が、より魅力的でした。
     駅伝並走って、新撰組の応援?悪戯?(未読の方は意味不明でしょうが、是非ご一読を!)

     2篇とも京都の歴史と街並みを感じさせてくれる作品で、日常の中に非日常を取り込み、さり気なく読み手を前向きに、そして爽やかにしてくれる物語でした。
     いにしえの都人が暮らしていた京都。京都だからこそ成り立つ、生者と死者が交錯する無理矢理感のない展開に、心がじんわり温かくなる不思議な読後感がありました。

     万城目さんの瑞々しい繊細な感性が、程よい京都所縁の虚構世界を通じて見えないものを見えるようにしてくれ、更には忘れていた大事なことを思い出させ気付かせてくれている気がします。
     青春×スポーツ×京都の小説ですが、どこか静かで控えめ、ノスタルジーと爽やかさが共存する秀作だと思いました。

  • 京都を舞台にした青春感動作・2篇

    万城目学さんは初読みだったが、とても読みやすくしかも温かさもじんわりと伝わってきた。


    十二月の都大路上下ル〜女子全国高校駅伝のピンチランナーとして挑んだのは絶望的に方向音痴なサカトゥーである。
    スポーツ物にありがちな根性や努力や忍耐を少しも感じさせずにさらりと楽しめるのが良かった。

    八月の御所グラウンド〜こちらもゆる〜く始まる。メンバーが毎回揃わず…なのに誰も焦らず、でも最終的にはギリギリ9人揃って野球の試合ができちゃうという、なんとも面白くてちょっと幻を見るような不思議さもある夏の8月のいちばん暑いときの話。
    次はどうなるのだろう…などといろんな期待と想像とでちょっとワクワクできた。

    駅伝では冬の無慈悲な底冷えの寒さを感じ、野球では夏の殺人的な蒸し暑さを体験するという京都らしい季節を盛り込んでいる。

    何度か京都には行ったが、祇園祭はめちゃくちゃ蒸し暑いし、冬の嵐山は足の先から冷えてくるのでたまらなかった。京都は好きなんだけど暮らすには身体的にきついかなぁと…。
    そんな京都を思い出してしまった。



  • 万城目さんの直木賞受賞作ということもあり、久しぶりに読んで見ようと図書館で借りてみた。
    読んですぐの既読感、方向音痴の高校女子駅伝選手、そして御所グランドでの草野球。奥付けで確認すると『オール讀物』で2022年5月と2023年6月に掲載されていたもの。購入しなくて良かったと安堵する。
    どちらも万城目ワールド全開の作品。歴史上の人物達や市井の人達が、意外な形で登場して来る。そこに京都が味付けされて来る。短編なのでサクサク読めるのも利点。軽すぎるかも知れない。

  • 久しぶり万城目ワールドを満喫しました。短編2作。順番も絶妙。
    1つ目の「十二月の都大路上下ル」は、続きが楽しみになるような終わり方で名残惜しい。
    2つ目の「夏の御所グランド」は、心に残った。もっと読み続けたい。けど、「続きはないよ、読まなくても分かるよね」というメッセージを受け取った気分
    この引きずり感がとても心地いいんです。
    わかります?(^^)

    ちょうど読んでいる間に直木賞受賞のニュースが入り、自分が受賞した気分になって、よし!という気持ちに。

  • 万城目学さん著『八月の御所グラウンド』の概要と感想になります。

    概要ですが、本作は『十二月の都大路上下ル』の短編と表題作『八月の御所グラウンド』の二編で構成されています。

    前半は女子全国高校駅伝、後半は御所グラウンドで繰り広げられる草野球というスポーツを題材とした作品ですが、京都の冬と夏をそれぞれ対比させながらスポーツに挑む人たちの模様を描いた作品になります。

    感想ですが、前半の『十二月の都大路上下ル』を是非ともシリーズ化して欲しいです!!
    表題作より段違いで面白かったと個人的に感じた本作は第170回直木賞を受賞していますが、『十二月の都大路上下ル』を肉付けした作品一本の長編でも受賞出来たのでは?と思ってしまう味わいでした。(それが叶っていたら星5でしたね。)

    万城目学さんは今作が私にとって初読みでしたが、また追いかけたくなる作家さんが増えて嬉しいです^_^

  • 「十二月の都大路上下ル」と「八月の御所グラウンド」の2編が収録されています。
    どちらのお話も京都が舞台で、青春って感じで読後感が良かったです!
    個人的には十二月の方が短かったのでもっと、読みたいなーって感じでした!

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著者プロフィール

万城目学(まきめ・まなぶ)
1976年生まれ、大阪府出身。京都大学法学部卒。
2006年、『鴨川ホルモー』(第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞)でデビュー。主な作品に『鹿男あをによし』、『プリンセス・トヨトミ』、『偉大なる、しゅららぼん』などがあり、いずれも文学賞ノミネート、映像化等など、大きな話題を呼ぶ。また、エッセイ集に『ザ・万歩計』、『ザ・万遊記』、対談本に『ぼくらの近代建築デラックス!』がある。

「2013年 『ザ・万字固め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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