地名の世界地図 (文春新書 147)

制作 : 21世紀研究会 
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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166601479

作品紹介・あらすじ

ケルト人とアングロ・サクソン人が生き残りをかけて戦ったウェールズ地方は、なぜ「敵地」とよばれ、ウラジオストックは「東方を征服せよ」と名づけられたのか。またポーランドは、その国名のなかに二度にわたる亡国の悲劇がどうしてかくされていたのか。しかも一方では、間違って名づけられてしまったマダガスカルがあるなど、地名には、人間の五千年にわたる営みのすべてがこめられている。地球を埋めつくした国名、都市名をはじめとする地名は、戦争と民族の大移動、大航海によって生み出された壮大な歴史の大辞典なのだ。

感想・レビュー・書評

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  • 人名の本、人名から読み解く民族の歴史の次には、地名から読み解く民族の歴史。

    読むだけでは記憶も理解もできないので、自分用にメモメモ。

    【地名の接尾辞】
    ✔ラテン語、ギリシア語系:
    〜ia イア
     〜ポリス、都市
    ✔ケルト語系:
    〜ハム→村
    ✔ペルシア語系:
    〜アバド→都市
     〜スタン→国、地域
    ✔ゲルマン語系
    〜シュタット→村
     〜ハイム→故郷
     〜ドルフ→村
     〜バーグ、ブルグ→城塞都市、都市
     〜ダム→オランダ語で堤防
     〜ランド→国
     〜フォート、フルト→浅瀬、私場
     〜タウン、トン→町
    ✔フランス語系
     〜ビル→町
     〜ブール→都市
    ✔ロシア語系
     〜グラード、ツク→都市
    ✔カザフ語系
     〜タウ、トイ→村
    ✔サンスクリット語系
     〜ナガル、カルタ→都市
     〜ダーラ→土地

    【日本】
    ✔聖徳太子の「日出処天子」から日本を自称。
    ✔JAPAN:「日の出の国」の福建語ジペングオ→ジーペン→マルコ・ポーロのZipang

    【アイヌ】
    ✔アイヌ語の地名は、抽象的ではなく確かな理由があってつけられたものが多い。
    ✔アイヌ語は文字表記がなかったため、日本人が漢字を当てはめたためにかえって複雑になった。
    ✔斑鳩、富士山、当麻、などもアイヌ由来ではないか?という説もある。

    【ユーラシア大陸】
    ✔アジアとヨーロッパは繋がっているということ、そもそもヨーロッパとはアジアの生誕に突き出した大きな半島のようなものだった、ということがわかり、「東西」という言葉を繋げて「Euro-Asia」でユーラシア大陸と呼ぶようになった。

    【ヨーッパ】
    ✔エーゲ海の西側エレブ→エウロペ→ヨーロッパ

    【アジア】
    ✔エーゲ海の西にある地方を「エレブ」、東側を「アス」。この名称は義理サジンにも受け継がれ、トルコ西部を整復した時に「アシア(東の地)」と命名し、今日の「アジア」の元になる。
    ✔アス(東側):ドイツ語でオスト、フランス語でエスト、スペイン語でエステ、英語でイースト。
    ✔地名の接尾辞「ia(いあ)」を付ける。ポリネシア、ミクロネシア、など。
    ✔ローマ帝国が拡大して東への知識も広がると「アシア」も拡大。
    ✔「アジア」が広範囲になりすぎたので、極東、東南アジア、インド、南アジア、中近東の西アジアへと細分化。
     このときの東や南はその時の覇権国であったイギリスから見ての方角。近東アジアはバルカン半島のエジプト、サウジアラビア、イラク。この中でもギリシアからエジプトにかけての地中海東部沿岸の国々を指すレバントはフランス語で「太陽が昇る」。中東のイラン、アフガニスタン、インド。極東は東南アジアから中国、日本までのアジア各国。
    ✔第一次大戦後にオスマン・トルコ帝国から独立したヨーロッパ南東部の国々は、アジアに抵抗したヨーロッパ文化を持つ国として、「近東」に含まれることを拒絶したので除外される。
    ✔オリエント:トルコからエジプトの範囲。「太陽が昇る」というラテン語より。
    ✔大西洋(日本語の漢字表記):ローマ人が、オリエントに対して「オケアヌス・オクシデンタス」という「太陽が沈む」という意味からこの「西の洋」の字。
     英語ではアトランティック・オーシャンであり、ギリシア由来。

    【フェニキア人とヨーロッパ】
    紀元前十世紀頃の古代地中海世界において、フェニキア(現在のレバノン)は航海術を武器として勢力を伸ばした。フェニキア人はローマ人との戦いで滅びるが、フェニキア語源後名から、フェニキア人の移動が浮かばれる。
    ✔シチリア半島:「鍬を持つ人」
    ✔マルタ島:「避難所」船の避難所
    ✔カルタゴ(チュニジア):「新都市」
     →カルタゴからスペインに勢力を伸ばして「カルタヘナ」
     →スペイン人南米大陸植民地時代に「カルタヘナ」(現在のコロンビア)
     …というように、地名も民族勢力により新地に持ち込まれる。

    【ゲルマン人の移動と地名】
    ローマ、ゲルマン、ケルトの民族で領土闘いが繰り広げられていた。
    結局ケルト民族はローマに統合されたりして混じってゆく。
    ローマ勢力が衰えると、ゲルマン民族の動きが活発になる。
    ゲルマン民族の大移動により、現代ヨーロッパの基本的な民族版図が決まったと言われる。
    ✔ゲルマン民族:インド・ヨーロッパご族系民族集団の総称。特定の民族ではない。
    ✔ゴート族:東ゲルマンのゴート族がイタリアに進行した。衰退しつつあったイタリア地域にとってはむしろ反映をもたらせたが、ローマ人にとっては下位であるゲルマン民族に支配されたことは屈辱的。そのため「ゴート」自体が英語フランス語ドイツ語スペイン語において「無知な野蛮人」「文明破壊者」「自堕落な女」「粗野」など悪い意味。
    荘厳で画期的な建築様式や美術などを「ゴシック」と呼ぶのも、ゴート族のもの、という意味。対するお洒落様式の言葉は「イタリック」。
    ✔バイキング:デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、アイスランド、イギリス北部に広がった北ゲルマン人が呼ばれた「入江の人々」という意味。
    ✔フランスのパリをリムジンに乗って旅した→槍を巧みに使う種族が住む国の野蛮人の町を頭巾をかぶったリモズム人の車に乗って移動した。
    ✔スベリエ王国(スウェーデン):北ゲルマン民族のスベリ族が建設した王国。スウェーデンとは英語訳。
    ✔ノルゲ王国(ノルウェー):ノルマン人にとって「北航路の地」。ノルウェーは英語訳。
    ✔ロシア:スウェーデンバイキングの総称「ルーシ」と、ラテン語の地名接尾辞「ia」を組み合わせた「ルーシ族の国」という名称。ルーシとはもともと「オールを漕ぐ人」
    ✔トランシルバニア:ラテン語で越えてという意味のトランスと森林という意味のシルバを組み合わせた「森を越えたところの国」という意味。吸血鬼のモデルになった串刺公で有名なブラド伯爵は、オスマン・トルコとの戦いにおいては英雄だった。
    ✔ルーマニア:ロシアがオスマン・トルコとの戦闘に勝利し、独立した国が、「ローマ人の国」という意味で「ルーマニア」を名乗った。それまで異民族の侵入や戦闘を繰り広げローマ勢力が弱体化した時期でもずっとラテン語系の言葉を使っていた。
    ✔モスクワ、シベリア:ロシアは、13世紀には東からはモンゴル、西からはポーランド、南からはオスマン・トルコから侵攻されるという状況に陥っていた。
     領土回復のためモスクワ川ほとりの人々が立ち上がった。モスクワは「沼沢地」という意味だが、シベリアもモンゴル語で「沼沢地」を意味する。

    【ケルト】
    ✔ケルト民族:ヨーロッパ古代民族の名称。ドナウ側上流あたりの騎馬民族。
    ✔ライン川:ケルト語で「川」。ケルト民族はゲルマン民族により川の西側に追いやられた。ライン川だと「かわかわ」になってしまうのか。「チゲ鍋」が「なべなべ」みたいなもんでしょうか。
     他にもケルト語由来の地名は、「ライン川」→「川」、「マン島」→「小さい島」など、ただ地形を示す言葉がそのまま地名として残っている。
    ✔イングランド:ケルト民族の言葉で「アングル人の国」。もとからいたケルト民族にとって、移住してきたゲルマン民族は侵入者。多くのゲルマン民族のなかでもアングロ人が代表格ということでゲルマン民族全体をケルト語で「アングリー、アングリア」と呼んだ。そこからエングラランドとなりイングランドの語源。
    ✔パリ:ケルト系のパリシィ族を示す「乱暴者、田舎者」。中世ヨーロッパの時代劇映画などでフランスは背が低くてがっしりした体格で乱暴者に描かれるのだがまさにそんなイメージか。
    ✔ウェールズ:ケルト系ブリトン人は、ゲルマン民族のアングロ・サクソン人に破れる。ブリトン人はウェールズ地方、アイルランドに押し込められたが、そのウェールズの地名はアングロ・サクソンで「敵地」を意味する。
     イギリス皇太子は「プリンス・オブ・ウェールズ」の称号なのだが…?

    【スラブ民族】
    ✔スラブ人:ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、ポーランド、チェコ、スロバキア、ブルガリア、セルビア、クロアチア、ユーゴスラビア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、スロベキア。
     ※ハンガリー、ルーマニア、アルバニアは、マジャール人。
    ✔スラブの名称:君主は接尾辞に「スラフ」をつける。人名のスラフは「栄光」。
     ただしスラブ人がゲルマン民族の奴隷にされたため、「奴隷」のスレーヴの語源ともなってしまった。
    ✔スロバキア、スロベニア、セルビア:「スラブ人の国」
    ✔ユーゴスラビア:「南スラブ民族の国」
    ✔ポーランド:古スラブ語「平らな大地」。濃厚に適した平坦な土地という意味だが、国境をせめぎ合う戦乱時代においては、どこからでも進行しうるという意味ももっている。その地名の通り、ポーランドはナチス・ドイツ軍、ソ連軍により占領分割されしまう。

    【古代ギリシア】
    古代ギリシア人たちが認識していた世界は、エーゲ海とエジプトや西アジアとの交流を通じて知った地中海東武、ギリシアのみ市のイオニア海とイタリア半島南部。
    ✔ベルベル人:古代ギリシア語「言葉の通じない人、野蛮人」。バルバロイとなり、ドイツのババリア(バイエルン)として地名が残っている。さらにはお菓子のババロアもこれが語源。

    【アメリカ】
    ✔コロンブスは、インド諸島だと思いこんでいたので、インド由来の地名を付けた。
     現バハマ諸島を「インド諸島」(現在は西インド諸島とも)、ハイチドミニカ共和国の島はマルコポーロのジパング(日本)、カリブ海はチンギスハンの軍隊のカニブ(モンゴル)がいると思ってつけた。
    ✔結局冒険家アメリゴ・ベスプッチが、コロンブスより先にアメリカに行ったと主張し、アメリカの国名のもとになった。その後コロンブスの名前を推奨したけれど、その時にはすでにアメリカで定着していた。
    ✔アメリカは、周辺国から買収したり統合されたりして現代の国土になっている。地名は、もともとの所有国由来が見られる。
     インディアンが呼んでいた地名由来の場合、インディアンから聞き取った人の言語により、フランス語のような発音、スペイン語のような発音になったりしている。
     他にも英語(イギリス)、スペイン語、フランス語、ラテン語、ハワイポリネシア語などを由来としている都市名がある。
    ✔新大陸のため、外国にあやかったり懐かしんだりした地名
     アイダホ州モスコー→モスクワ
     テネシー州メンフィス→古代エジプト
    ヴィム・ヴェンダース監督の「パリテキサス」は、主人公兄弟の両親はテキサス州のパリで出会った、という話でしたが、これもフランス人由来かな?(たまたましれないが)

    【南米大陸】
    ✔コロンブスの新大陸発見のあとに、スペインとポルトガルが探検合戦を繰り広げた。
     ローマ法王が調停として、南米大陸ギリギリくらいで境界線を引き、東側をポルトガルに、西側をスペイン領にした。(←他の国にとっては迷惑…(-_-メ))
    ✔ブラジル:ポルトガル語で「赤豆の森」が由来。
    ✔アルゼンチン:スペインがら川の付近の原住民をみて銀の川という意味の「ラプラタ川」と命名した。
     のちにスペインからから独立する時に、ラテン語で「銀」を意味する「アルゼンタム」から国名にした。

    【アフリカ】
    ✔ヨーロッパ人は、アフリカを「暗黒大陸」と呼んでいた時代がある。
    ✔黒い人という国名:スーダン(アラビア語)、ギニア(土着ベルベル人)、エチオピア(英語)、ソマリア(英語)

    【朝鮮半島】
    ✔朝鮮:「朝日が鮮明なところ」を意味。朝鮮王国設立時に国号を定めた。
    ✔ソウル:都、首都という意味の韓国語。日本統治下の京城をソウル市に改称して特別自由詩となった。
    ✔平壌:建国神話に基づき「大きな平地」を意味。

    【中国、モンゴル】
    ✔中国の地名は、故事と過去からの地名との文字を組み合わせたものが多い。
    ✔同じ地名が頻繁に用いられる。黄山という地名が、山でないところも含めて27箇所あるとか。
    ✔北京:何度も改名を繰り返してこの名前に決まった。
    ✔日本の漢字と中国漢字の違い。「城」は都市など。
    ✔中国やベトナムにも「東京」という地名があった。
    ✔広大な中国には、中国語(漢語)以外にも様々な少数民族の言語が約80種類もある。地名は、地形などを表現してつけられることが多い。
    ✔モンゴル自治区や、チベット自治区などは、政治的な理由で改名させられていることもある。
    ✔元:フビライ・ハンは、モンゴル人が中国の元首となったという意味で国号を「元」にした。元は首を強調した人間の全身であり、完全勝利などを表す。
    ✔胡人:中国人が、モンゴル系を野蛮人という意味で「胡人」とよんだ。「胡桃」「胡椒」など、胡人由来の名称。
    ✔タタール人:ヨーロッパに進行したモンゴル人はタタールと呼ばれた。ロシア諸侯国を支配下に起き、厳しい圧政を敷いた。

    【インド】
    ✔インド:アレキサンドロス大王がサンスクリットで「川」を意味するヒンドゥ→インダス川→インド となった。
    ✔中世ヨーロッパでは、東洋全体をインドと呼んでいた。
    ✔ヨーロッパではインドへの憧れが強かったようで、インドシナ(インドと中国の間)、インドネシアなどの国名となっていった。現代のインドシナはベトナム、ラオス、カンボジア。仏領インドシナに追加してタイ、ビルマ。
    ✔都市名もサンスクリットからつけられた。ジャカルタ→勝利の城塞、など。

    【アジア諸国】
    ✔オーストラリア・オランダ人がニューオランダと命名。イギリス支配によりオランダが撤退して、古代の伝説の地名から命名された。
     オーストラリア資格と氏名もイギリス名刺の名前由来が多い。シドニー、メルボルンとか。

    【ユダヤ】
    ✔聖書地名は、その地に住んだ人や民族名由来が多い。
    ✔イスラエル:イサクの子ヤコブが神と戦って勝った「イスラエル」に改名。
    ✔ユダヤ:ヤコブ(イスラエル)がイスラエル王国を建設し、息子たちが民族集団を作るが、南北に分断。南はヤコブの息子ユダの流れを組むため「ユダ王国」と呼ばれる。その後バビロニアに征服され(「黙示録」で恨みつらみ書かれているバビロン捕囚ですね)、捕虜となった人々が「ユダの国の人→ユダヤ人」となった。
     なお、北イスラエルはそれ以前にアッシリアに滅ぼされている。

    【イスラム】
    ✔アッラー:アラビア語で神を意味する言葉から。
    ✔エジプト:自国では軍営都市としを意味する「ミスル」と呼んでいる。
     エジプトの意味は、古代エジプト語で当時あった神殿を意味する。
    ✔カイロ:勝利の都
    ✔〜スタン:〇〇人の国。カザフスタン、ウズベキスタンなどはもともとスタンの国名を持っていたが、アフガニスタン、パキスタンはペルシア系の城塞都市のニュアンス。

    【地形】
    ✔川:主要な川ほど「川」「○○な川」というそのものの意味。川が人類の発展のもとであり、「川そのもの」
     チグリス・ユーフラテス:メソポタミア「川の間」、チグリス「矢のように流れが早い川」ユーフラテス「穏やかな流れ」
     黄河、長江:河→大きな川、江→長江にだけに使われる漢字で長江そのものを表す。江北(長江の北)など、長江が基準。
     ナイル:古代エジプト語で「川」を意味する。
     インダス川:サンスクリット語で「川」。インドという国名の元。ガンジスもヒンドゥ語の「川」。
     アマゾン川:探検家がインディオと戦った時に、女性戦士のアマゾン伝説を連想してアマゾンバワと呼ばれた。地名が先じゃなくて伝説から地名が着いたのか。
     テムズ川、ライン川、セーヌ川もそれぞれ先住民の言葉で「〇〇の川」
     川という言葉は、ラテン語アラビア語では男性形、スラブ語では女性形(母なる川)。日本だと海は父で大地は母な感じですが川はどっちでしょうね。
    ✔海:
     太平洋:マゼランが航海中にまったく暴風雨に見舞われることがなかったので、「平穏な海」という意味で名付けた。
     紅海:赤い沙漠(砂ではなく、小石の沙)に囲まれた海→紅海
     黒海:北の暗いイメージでペルシア人が名付けた。
    ✔山:各民族用語から出ているが、「白い」という形容が多い。モンブラン→白い山、など。
     「エベレスト」はイギリス人測量家の名前。チベット語「世界の女神」のチョモランマ、サンスクリット語「世界の頂点」サガルマータ。

  • ○インドネシア。都市名はサンスクリット語。ジャワ(大麦)、スマトラ(大海)、ジャカルタ(勝利の都市)。
    ○ビルマ。ブラフマーBrahmaの英語訛り。
    ○ナガル(都市・サンスクリット語)→アンコール(都市・フランス語訛り)。アンコール(都市)・ワット(寺院)。

    ○モンゴル帝国。「元」は首を中心とした人間の全身の意味。モンゴル人が中国の元首になったことを示した。
    ○福建語Jih-pen → マルコ・ポーロZipangu → Japan
    ○ベトナムの首都ハノイの旧称は「東京」
    ○ラッフルズ(英)。ジャワ副総督。ボロブドゥール遺跡発見。ジョホール王と交渉してシンガポールを開港させる。シンガポールにはラッフルズ上陸の記念碑がある。

    ○アンモナイト。「アモン神の石」。アメンホテプ4。アモン神の聖獣であるヒツジの角に似ているから。
    ○エル(町)サレム(平和の)
    ○ベツ(家)レヘム(パンの)。イエスが生まれた場所。現パレスチナ
    ○メッカはイスラーム世界では「マッカ」
    ○8世紀、イベリア半島に進出したアラブ人が建てた町マジュラ。現在のマドリード。
    ○モロッコ。カサ・ブランカ(白い家)。ポルトガルが海賊対策として作った町。
    ○マデイラ諸島(ポルトガル領)。マデイラ・ワイン(発酵させたドブウ果汁にブランデー)。
    ○オックス「フォードford」英語、フランク「フルトfurt」独語。水深が極めて浅い(浅瀬)、渡し船の発着する所。
    ○ロンドンはケルト語Londiniumから。パリはケルト系パリシィ人から。

    ○アメリカの州名は先住民由来が多い。マサチューセッツ、ミシガン、テキサス、ウィスコンシン、など。

  • 一番好きな教科が地理だったので、地理系の本が読みたいと思いました。当時、授業としての地理が好きだったので、地名に詳しいとかというよりも、どの国で何が取れるか 国と国同士の関係 の方を学んでいたので、地名の意味も知りたい!と思いました。

    よく耳にする地名ですが、それぞれの地名の意味を知るとその地がどこにあるかとか、歴史とかが頭に入りやすいし、とても面白い発見になりました。
    内容としては少し難しめだと思いますが、読んでいるうちにだんだんと理解できるようになってきて楽しんで読むことができました。

  • 世界の都市や国家の名前がどのようにして名付けられたのかを概説しながら、世界史的な流れを追う……という内容。この本の白眉は最後の『国名・首都名でわかった地名の五千年史』だと思う。世界中の地名の由来が索引されているので、これを読むだけで普段何気なく使っている地名にも深い(深いとも限らないけれど)意味があって、人間の足跡を感じることができると思う。

  • 世界各地の地名の由来を解説した本。地名から歴史が見えるのが面白い。
    しかし広く浅く一つ一つのエピソードが淡白なので、一度に読むと印象には残りづらかった。資料的な感じ。自分にもっと世界史の知識があればさらに楽しめたと思う。
    個人的には子供の頃からよく間違えるオーストリアとオーストラリアの由来がわかったのが収穫。
    *オーストリア…ゲルマン語系のost「東方」とmark「辺境地」からオストマルクといったが、ラテン語がヨーロッパの公用語だったのでostにラテン語の地名の接尾辞-iaがつけられた。
    *オーストラリア…古代ギリシア、ローマ人がインドの南にあると信じていた未知の大陸、terra australis incognita「知られざる南の大陸」にちなんだ命名。

  • #2483-244

  • 2010/05/26

  • ●地名から世界史を紐解いた本。とくに「第1章 地名は古代地中海から」というように、古代地中海に住む人々が名付けた地名が、各地の地名の語源となっていたりと面白い。

  • 第1章 地名は古代地中海から
    第2章 地名を変えたゲルマン民族の大移動
    第3章 スラブ人たちの故郷
    第4章 大航海時代が「世界」を発見した
    第5章 モンゴルが駆けぬけたユーラシアの大地
    第6章 ユダヤの離散とイスラムの進撃
    第7章 アメリカ 新しい国の古い地名
    第8章 アフリカ 「黒い大陸」の伝説
    第9章 「自然」が生み出した地名

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