駐日アメリカ大使 (文春新書 211)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166602117

感想・レビュー・書評

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  • 2001年刊。著者は青山学院大学国際政治経済学部教授。

     戦後の日本の外交を基軸は日米関係だが、本書はアメリカから見た日米外交関係を粗描すべく、駐日大使の人物評伝という叙述スタイルをとる。
     安保条約、沖縄とその返還に、米中国交回復とベトナム戦争。さらに60年代後半から顕在化した貿易摩擦。そして、日本の国連外交における失策の最典型例たる湾岸戦争。
     これらエポックメイキングの対応如何を叙述の中心としつつも、駐日大使の特徴から各々の個性・経歴、文化的業績までも開陳し、広範に拾い上げている。意外に戦後日米外交史のおさらいになりそうないい本だ。

     さて、内容において特筆すべきこと、驚嘆すべきことはさほど多くはないが、個人的に意外だった点は、駐日大使が駐ソ大使と並ぶ重要ポストという著者の指摘だ。
     なるほど、メンバーを見ると、アメリカが駐日大使の人選に慎重を期していることは読み取れる。そういう意味で、著者の指摘は納得のそれではある。
     ただ、やはり、その他の重要国との比較がないと、果たして正しいのかという疑念もないではない。イギリス・ドイツ・イスラエル等との比較は簡単でいいのでしてもらいたかったところだ。

     ところで、米中国交回復において、ニクソン・キッシンジャーラインが日本の頭ごなしに実行したというのは著名であるが、そもそも彼らが日本の保秘を信じていなかったことがその理由である点は、米国の公文書に明記されている点は記銘しておくべきか。この件のキッシンジャー自伝が出鱈目を書いていることもあるので…。

  • 日本人でほとんどが駐日アメリカ大使なんて知らないんだろうな。

    ジョンソン大使は日本政府が英語を国民に学ばせることによって、国際的視野でものごとを考える精神を養い、海外に日本製品を輸出できるような優秀な人材を育てたいと主張していたので、ワシントンと交渉し、数百人のアメリカ人教師を日本の中学、高幸に派遣できるように取り決めた。
    マンスフィールドは12年もいた超大物政治家。
    アマスコトはミスター外圧と呼ばれていた。

  • 20061130
    歴代アメリカ駐日大使の話が紹介されてて面白かったよ

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著者プロフィール

1935年東京都生まれ。慶應義塾大学名誉教授。法学博士。専門の日本外交史のほか日米の野球の歴史にも詳しい。
著書は『三訂日本外交史概説』(慶應義塾大学出版会)、『語られなかった戦後日本外交』(慶應義塾大学出版会)、『白球太平洋を渡る―日米野球交流史』(中公新書)、『オリンピックの政治学』(丸善ライブラリー)、『藤山一郎とその時代』(新潮社)『あの頃日本人は輝いていた』など多数。

「2022年 『学問と野球に魅せられた人生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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