論争教育とは何か (文春新書 249)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166602490

感想・レビュー・書評

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  • 保守系論者4人による「だよね~」ばかりの座談であり、「論争」にはなっていない。小渕・森・小泉内閣の教育改革に物申すというテーマらしいのだが、保守系の座談会ならではなのか、明治以降の教育政策の話も多く、多少は日本近代教育史や思想史の勉強にはなる。尚、構成は2000~2001年に掲載された新聞雑誌の座談会の寄せ集めとなっており、同じ話が繰り返される部分も多々ある。しかも、後半は教育の話は殆どなくなて911を受けての国家論とか国際政治の話になっている。
    こういう保守系の人々の話を聞いてると、かなり偏りはあるものの、政治(国家)と教育の密接な関係性が浮き彫りになり、ある種の真実が語られているのかもしれないという気にはなる。また、大日本帝国憲法と教育勅語の関係と、日本国憲法と教育基本法との関係は、詳しく検証して対比してみると新たな発見が色々とあるのではという気もする。大雑把に言えば、公から私への転換という事になるのだろう。
    昨今憲法改正が話題になる事が多い。が、憲法改正するのであれば、国家の両輪としての教育基本法もセットで改正する必要はあるのかもしれない。その根拠となるイデオロギーが普遍主義なのか?共同体主義なのか?は国民によって判断されるのだろう。

  • さすが西部先生!

  • 21世紀の教育はかくあるべきか、についての対話。
    このままの教育では、国独自のアイデンティティが消失した、「蒸留水」みたいな人間であふれかえってしまうそうな。
    うん、一理あると思った。
    しかし、いささか理想主義的すぎるかな、とも。

  • 2011年度一冊目です。
    今年こそ、年間100冊達成したいと思います。

    前置きはさておき・・・・

    一人一人が教育に対する主張があって、それを言い合う形。
    真面目な学者の方々の論争は、読んでてなかなか面白い。

    オレの個人的な感想としては、松井孝典さんの意見が好き。
    「21世紀は文明の時代ではなく、文化の時代になる」って意見は、どっかで聞いたような意見やけど・・・・ww

    西部邁さんの意見はなかなか過激やったけど、国粋主義というか、日本大好き感がオーバーで面白かった。
    『国家の品格』とかなり似てる部分が多かったな。

    ただ、全体的に理想主義に走りすぎてる感はあったな。
    そこが学者らしいといえば学者らしいけど、市場原理主義の経済を放棄すべきって意見には、さすがに中曽根康弘さんは肯定はしてなかったなww

  • 戦後の教育は蒸留水のような人間をつくることを目標としてきた。それを改めようというお話。5年前の本だが、今となっては目新しい論調ではない。つまりこの本の主張が一般に受け入れられたということなのだろう。

  • もんのすんげーおもろい! 普通の「教育とは?」的な本とはちょっと違うというか、もっと深い。俺的には、教育ってのは、今の世代が次の世代に「大切だと思われる価値観」を伝道することだと思うんけど。このときに、「じゃあ、次の世代に伝えるべき価値観とは?」って話になるんだよね。そのことをとことんつきつめようとている本。というわけで、本の内容は、「人類とは?共同体とは?共通の道徳的価値観とは?」ってな話から、「じゃあ、今の(世界の)日本の教育は何が欠けているのか。」ってゆー話まで。

    「教育」というトピックの表面だけでなく、その下にあるもっと根本的なものまで話が展開されてて、おもしろい。読む価値あり。

    (中曽根康弘 元総理大臣、俺けっこーこの人好き。)

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