民俗信仰を読み解く なぜ日本人は賽銭を投げるの (文春新書 303)
- 文藝春秋 (2003年2月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166603039
作品紹介・あらすじ
超情報化社会にありながら、私たちの暮らしには、昔からの慣習が生きている。ことに、生と死、神と仏に関するしきたりには-。しかし、よく考えれば疑問がいっぱいだ。例えば、神さまに供える賽銭を無礼(?)にも、なぜ投げるのか?玄関になぜお札を帖るのか?葬儀でなぜ香典を出すのか?死者になぜ枕飯や火を供えるのか?それら民俗信仰のもつ意味を見つめ直し、自らの来歴を忘れがちな現代人に改めて問う、示唆に富む論考。
感想・レビュー・書評
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民俗学に関したレポートをいくつかまとめて本という形に
したという感じ。どうもピンと来ない文章が多かったのだが
最後の章、タイトルにもなっている賽銭に関する考察は大変
面白かった。「神様にむかって裸銭を投げるとはなんたる
失礼なことか!」という疑問に「金は穢れの塊であり象徴で
ある。それを神社に捨てることによって神様に祓ってもらう
のだ」と解きほぐす。もっとお金をクローズアップしてそれ
に関した民俗学的考察があると興味深いところなのだが。 -
民俗学という類の本で、四季の行事とか、民間/民俗信仰の話とか、仏教・神道が現代日本人に与えている影響などなどが、一般向けエッセイ風に語られる。最後の方には、ゾロアスターとかシュメール文化とか、日本人論には程遠い話もある(でも面白い)。各章の間で一貫性がないなとも思ったが、各章が様々なメディアで連載された文章の新書化であり、例によって新書版タイトルの使われた疑問文に対する明確な答は書かれていない。あとがきで、著者は民俗学は、日常生活の役に立つかどうかを気にしていたが、読んでいて全然飽きなかったので、きっと心の引き出しの肥しにはなったと思う。
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賽銭だけでなく、色んな民俗信仰について触れている。賽銭がキーワードになっている訳でもない。
それ自体は良いのだが、肝心の、何で賽銭投げんのか良く判らんかった。穢れに結びついているからのはいいとして、何で穢れに結びついてんだろう。
やっぱり、どれかに絞った方が良かったんじゃないのかな。 -
人は正月になると初詣にでかけ、賽銭を投げる。
しかしよく考えるとこの行為はなんとも不思議である。
神様に対して賽銭を投げる、お供えするのではなく、無礼にも投げる。
そもそも願いを聞いてもらう対価がお金であることも妙だ。
この本はこうした昔から生きる慣習に対する論考である。
硬い文章ながらもわかりやすく、よみやすいかなと思います! -
四季の行事や宗教、生死観などの民俗的な考察。
賽銭については最後にちょっと触れただけだった。 -
何故、賽銭を投げるかというと、賽銭に穢れを吸収させて投げて、神に浄化してもらうからだそうです。
賽銭云々はほんのちょっとしか書いてないんだよね・・・ -
ケガレから民俗を読み解くのはおもしろいけど、新谷さんはいつもケガレって言ってる気がする。
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[ 内容 ]
超情報化社会にありながら、私たちの暮らしには、昔からの慣習が生きている。
ことに、生と死、神と仏に関するしきたりには―。
しかし、よく考えれば疑問がいっぱいだ。
例えば、神さまに供える賽銭を無礼(?)にも、なぜ投げるのか?
玄関になぜお札を帖るのか?
葬儀でなぜ香典を出すのか?
死者になぜ枕飯や火を供えるのか?
それら民俗信仰のもつ意味を見つめ直し、自らの来歴を忘れがちな現代人に改めて問う、示唆に富む論考。
[ 目次 ]
第1章 四季おりおり
第2章 暮らしと信仰
第3章 比叡山の水脈
第4章 葬儀と墓
第5章 死の神話
第6章 賽銭はなぜ投げるのか
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