- Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166607105
作品紹介・あらすじ
時代は暗転した。この当時パンドラの匣から飛び出した数々の現象は、そのまま平成へと続いている。世相を映した映画、歌、TVドラマ、CMを挙げ、昭和40年代を歴史と捉えて俯瞰する。
感想・レビュー・書評
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新書文庫
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2009年8月20日、初、並、帯無
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中央図書館で読む。仁義無き戦いが繰り返し出てきます。笠原さんのインタビューが繰り返し引用されます。著者は、この映画が好きなんですね。僕も大好きです。
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「だれも「戦後」を覚えていない」の昭和40年代編のようなもの。しかし、昭和40年台を戦後として記載するのは無理があるので(という理由だろうと思う)、冠を外してこのタイトルになった。
政治・経済は抜いて、世相やメディアによる昭和40年台。ここにくると、私にとっては同時代史である。子供の頃の断片的な印象のあるものが、どういう背景だったのかという事を知って、へぇ、という感じ。
平成生まれの人にとって見れば、いい手引書になるだろう。
しかし、実際に「戦後」というくくり方はしていないのだけど、もはやこういうようには語れないと思う。例えば、この本ではあえて1960年代と言わずに昭和40年代という括りにすると言っているけど、アメリカ、ロンドン、ベトナム、北京の60年代史を抜きにしてこの時代が語れるような気がしない。
その反面で、例えば、昭和30年代を語るのに「団地」を語るのは適切だと思うが、例えば大都市郊外の一戸建て分譲住宅はいつごろから普及したものだろうか。私の記憶では、昭和50年台には完全に普及していた。私は昭和40年代前半ではないかと睨んでいるが確証はない。
住宅だけをとってもそうだけど、昭和40年台に入ると、もはや世相を横断的に記載することは困難であると思う。 -
昭和25年生まれの僕にとって、昭和40年代は15歳から25歳という混沌として、猥雑で、懐かしくもあり、悔恨の多い、難しい年頃だった。その頃の大部分をほとんどテレビや新聞を遠ざけて過ごしていたにも拘わらず、この本に書かれている番組やフォーク・歌謡曲・事件をあの頃の風景・映像・アナウンサーの声や罵声とともに鮮烈に思い出すことができる。この頃から「若者」が社会の主流になって社会を変えていった。
昭和40年代は軽薄で、無責任な社会を団塊世代が作り始めた時期だ。それが徒花のように爛熟し、破壊が始まったのが昭和50年代だろう。 -
私自身が子どもの頃にあたるこの年代の世相、文化を回顧する一冊。テレビマンとしての視点が面白い。