日本版白熱教室 サンデルにならって正義を考えよう (文春新書 816)
- 文藝春秋 (2011年7月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166608164
作品紹介・あらすじ
核問題において人命が犠牲になることはやむを得ないのか?ホリエモンに対する是非は?無縁社会とコミュニティの関係とは?ウィキリークスは正義なのか?日本が直面するさまざまな問題を、サンデル式対話型講義で討論する。
感想・レビュー・書評
-
サンデルの講義が有名になったが、それを日本で行ったらどうなるかという千葉大の学生への授業(テレビ放送もされた)の書籍版。
本家との大きな違いは、前もって功利主義、リバタリアニズム、リベラリズム、コミュニタリズムの違いを明らかにして、その立場によって日本人になじみ深い問題を題材に、それぞれの立場から考えるという手法をとっている。章もそれぞれの立場、実際の授業を補う意味で補講という章もある。
哲学用語や内容よりも、実際の日本の授業に関心がある人向けのように思いましたが。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
マイケル・サンデルの流れで購入して読んだだめ、少し期待はずれな感は否めませんが、日本が抱える問題を取り上げて考え議論することは大切だと思います。
-
ハーバード大での議論よりも、日本人に身近なテーマが扱われているので、それぞれの意見に共感できるものがある。議論に加わっている千葉大の学生のレベルが高い。武田泰淳の「ひかりごけ」、原爆投下、尖閣諸島漁船衝突映像流出事件など、日本人としてもしっかり考えなくてはならない事象を取り上げているので、読んでいて自然に一緒に考えるようになる。
功利主義、リバタリアニズム、リベラリズム、コミュニタリズムといった考え方の立場がしっかりすると、議論の焦点がはっきりし、交通整理もしやすい。ともすると、感情論に走り勝ちな議論のテーマだが、多様な考え方が導き出され、歩み寄りの道筋も見えてくるのが素晴らしい。