うほほいシネクラブ 街場の映画論 (文春新書)

  • 文藝春秋 (2011年10月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784166608263

みんなの感想まとめ

映画についての独自の視点が詰まった一冊で、著者の豊富な知識と情熱が感じられます。映画評論としてだけでなく、様々な映画とその背景を掘り下げる中で、思わぬ発見や刺激を提供してくれます。特に小津安二郎や黒澤...

感想・レビュー・書評

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  • 【内田樹】『秋刀魚の味』はなぜ日本映画オールタイム・ベストなのか──みんなで語ろう!「わが日本映画」 | GQ Japan
    https://www.gqjapan.jp/culture/article/20210223-movie-tatsuru-uchida

  • 私の求めている映画評論本でなかったので私的☆は低めだが(著者自身が前説に映画のあらすじや背景に言及するものではないと書いているので著者のせいではないんです)、今回読んだ中のなるほどなあ文↓

    『エターナル・サンシャイン』について
    人間というのは不思議なもので、確定したはずの過去に「別の解釈の可能性」があり、そのとき「別の選択肢を取った場合の私」というものがありえたと思うと、なぜか他人に優しくなって、生きる勇気がわいてくるんです。

    『グラン・トリノ』について
    自分が何ものであるか、何ものに生まれついたのか、といったことは副次的な条件にすぎない。人間は自分を造形し、自分で演じるのである。私たちが「ほんとうの自分は何ものであるのか」といったことは問う必要のないことである。それよりは与えられた状況の中で、「自分がそうありたい人間」として、語るべきことを語り、なすべきことをなせ。ただし、どんなときもそれが虚構であることを忘れるな。

  • 素直な映画評って訳ではないから、特に何かがオススメされていたり、っていう本ではない。でも作者のファンとして、その目(フィルター)を通して見た映画観はいろいろ刺激的で、映画と全然関係なく思えるところに含蓄あるひとことが放たれていたりとか、主題とは関係ないところで気になる映画があったりとか、自分的には、これで十分に鑑賞欲を刺激される読み物でした。まずはやっぱり、黒澤・小津からですね。

  • 映画大好き人間の私ですが、あんまり他人の書評などは読みません

    映画の本はほぼ初めて位の一冊です



    著者が冒頭前書きでとんでもない頁数の新書になってしまったとおっしゃっている通


    新書にしては二冊分のボリュームがあると思います



    それぞれの作品にナルホドな意見がたくさんあって面白かったです



    あの映画はこの映画とストーリーが一緒だったのね とか

    このシーンはあの映画のオマージュだったのね とか



    ただ、見てない作品も多数あり、特に小津安二郎監督と黒沢明監督の作品がお好きな
    ようですが

    これに関してはちんぷんかんぷん

    ついでに韓国映画もほとんど見ていないのでよくわかりませんでした



    特に興味深かったのはアメリカの学園ドラマに関する考察です

    アメリカの学園ドラマ特融カースト制度について



    Jocks & Queens

    男はアメフト選手 女はチアリーダーで金髪



    The Brains

    ガリ勉君 上昇志向は強いけど筋肉なし



    The Greeks

    故郷脱出志向はある 多少の上昇志向はあるものの向上心はナシ



    The Goth

    最下層 将来性ゼロ

    キレると自動小銃を乱射する



    なんだかわかるわかるぅ っていう感じです

    • nono0418さん
      nyancomaruさん

      コメント&ご指摘ありがとうございます

      ダブッた部分はなおったかな???
      またお越しくださいませ~
      nyancomaruさん

      コメント&ご指摘ありがとうございます

      ダブッた部分はなおったかな???
      またお越しくださいませ~
      2012/06/26
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      最初に良い一冊を選ばれましたね、コンパクトに纏まっていて、エっとかナルホドと思わして呉れる。
      内田センセの本は、どれもお薦めです。。。
      最初に良い一冊を選ばれましたね、コンパクトに纏まっていて、エっとかナルホドと思わして呉れる。
      内田センセの本は、どれもお薦めです。。。
      2012/06/27
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      直ったので、コメント差替えました←これも後で削除します。
      直ったので、コメント差替えました←これも後で削除します。
      2012/06/27
  • 「映画は、映画について語られることを欲望しているジャンルである」が持論の著者が、長年、書きためた映画評の中から自ら厳選。画期的な小津安二郎論10本を含む187本。
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜)
    まず、私はこの本をタイトルだけ見て、貸し出し予約していた。
    「うほほいシネクラブ」
    なんだかすごく楽しそうな名前…
    気分的には死ね死ね団と同じノリだと思っていた。
    しかし!!シネクラブのシネは死ねではなくシネマのシネだった!!!
    しかも!物語じゃなく、新書の映画評論本だった!!!!笑
    予約図書が届いたときき、意気揚々と向かった図書館で「こちらで間違いないですか?」と聞かれた私の心の動揺を察して欲しい。
    間違っていたのは私なのであるが…

    まぁ、とにかくにも、読もう!と思いパラパラっと読んだ。
    結論としては、論じてる映画を見てからもう一回ちゃんと読みたい!と思った。
    映画にたいして詳しくない私には、もったいない本だ!
    とりあえずそういえば見たいと思ってたんだった…となった映画をメモ…
    ミリオンダラー・ベイビー
    マーズ・アタック!
    ブロークバック・マウンテン
    シン・シティ
    サマータイムマシン・ブルース
    ミュンヘン
    ダ・ヴィンチ・コード
    硫黄島からの手紙
    グラン・トリノ

    あと、間宮兄弟についてのところで、オタクの真性度は「決して裏切らないもの」に対する忠誠の深さによって考量される
    って考え方になるほど面白いと思った。

  • p.2011/10/21


  • 「うほほいシネクラブ」というタイトルが既に秀逸。

    所々、何が書いてあるのか理解出来ない難しい部分もあるものの、全体としては、読み易く楽しい。

    小津安二郎作品を観たいと思わされた。

    星は3.3くらいか。

  •  著者がこれまで鑑賞してきた映画作品を批評し、それらを1冊にまとめた本。多くの映画作品を取り扱うが、どの箇所を読んでも目から鱗が落ちるが、なかでも小津安二郎作品の批評は興味深い。著者曰く、小津作品は、大人としての振る舞い方を学べるという。具体的には、話し方、酒の頼み方などと、成熟した男として、どのような行動を取るべきかを学べるらしい。また、宮崎駿作品の身体性や女性像に関しても、本書は言及する。空を飛ぶということと、大人でも子供でもない時期が、宮崎作品においてどうやら重要らしい。

  • うほほいシネクラブ 街場の映画論
    (小津安二郎の『お早う』の感想も含め)

    同僚の勧めもあり、『お早う』をやっと見た。内田翁が何度も言っていたメタメッセージということがよくわかり、さらに大人というものが常套句がうまい人であると言うことにも理解できた。子供は、大人が常套句ばかりいって、何も意味のない会話ばかりすることに憤慨する。しかしながら、まさに大人の社会を形作っているのが、何でもない常套句ばかりの会話なのである。「おはよう」「おはよう」という何の意味のなさないような言葉の交換が、実はメタメッセージとして「あなたの存在を私は認めています」という根本的な親愛の表現として提示しているというカラクリというか、人間社会のミソのようなものがわかった時に、人は大人になるのかもしれない。メタメッセージという重層的な観点でメッセージを捉えるということに、大人の端緒があるのかもしれない。そんなことに気づかせてくれる映画であった。

  • なるほど映画というのは、もとより本質として”ああだこうだ言う人込みで存在するジャンル”なのか・・確かに著者が書評等他のものを評したものに比べると断然筆が冴え渡っている気がする。何度も吹き出しそうになった。
    あまり関係ないが、ヤスい映画は独白や溜めの表情などを多用して鑑賞者を”神の視点”に立たせてしまう、という。そういえば自分って何をしてても自分が神の視点に立ちたがるところがあるなと気づかされた。

    [more]<blockquote>P113 初めて出会ったその時に私が他ならぬその人を久しく「失っていた」ことに気づくような恋、それが「宿命的な恋」なのである。(宿命とは言い換えると既視感である)

    P156 人間は自分で造形し、自力で演じるのである。私たちが「本当の自分は何者であるのか」といったことは問う必要のないことである。それよりは与えられた状況の中で、「自分がそうありたい人間」として、語るべきことを語り、なすべきことをなせ。ただしどんなときもそれが虚構であることを忘れるな。

    P187 エリート教育を受け、戦争を生き延び、社会的成功を収めた男たちの、悠揚たる物腰から垣間見える「堪え難い浮薄さ」を小津は見逃さない。

    P197 問わないという気遣いが時には必要なのは本当である「問わない」人にしか自分を託せないほどに疲れ切ることが時にはあるからだ。小津安二郎はそのような人間の疲れ方を本当によく知っていたのだと思う。

    P208 よい映画というのは、「この絵が好き!」という強迫的な欲望にかられたフィルムメーカーによって撮られる。

    P213 寒気がするほどリアリティがあるのは「何も考えていない顔」です。

    P214 金で幸福は買えない。でも金で不幸は追い払える。

    P247 「お先にどうぞ。あなたには私より多くの権利があり、私にはあなたより多くの義務がある」そう言いきれるために何をすべきかレヴィナス先生は語っていないが、映画の中でディカプリオ君はちゃんと語っていた。「今のこの瞬間を感謝とともに生きること」である。

    P264 計算高さと無防備さ、イノセンスと邪悪さ、志の高さと性根の卑しさを同居させた魅力的な人物

    P268 その都度言うことの変わるあいまいな人物が逆説的なことに「不動の定点」として時代の変遷を超えて人々の「燈台」となっているのである。

    P309 彼らが無力なのは、自分が善良であることに満足しているせいで、おのれが無力であることを恥じないからである。たぶんスピルバーグは奴隷商人よりもこの「善良で無力な人々」の方を憎んでいる。(アウシュビッツのユダヤ人たちの命を現場で救ったのは、人間の邪悪さを熟知しているシンドラーというクールで計算高いビジネスマンだった)

    P392 人間の暴力性とは「同語反復」であり、人間の知性とは「前言撤回」のうちに存するということ

    P364 他人の悪夢は自分の悪夢ほどには怖くない

    P372 何でもないことは流行に従う。重大なことは道徳に従う。芸術のことは自分に従う。
    </blockquote>

  • (要チラ見!)/新書

  • 2011年10月20日、初版、並、帯なし
    2013年12月25日、津BF

  • 見ていない映画のレビューはやっぱり読みたくないので、とばし読み。そうなると、流れがわからなくて・・・。

    ブラックレインの松田優作の演技についてと、ライフ・イズ・ビューティフルの解説はゾクッとしました。

    改めて読みたいと思います。

  • 知らない映画の評も読ませる、というのが、文筆で印税を得ることができるか否かの違いであろう。『ホテル・ルワンダ』と品川プリンス日教組拒否事件とをリンクさせたのは秀逸としか言いようが無い。

  • 見てみようと思った映画。
    『スピード・レーサー』
    『モハメド・アリ かけがえのない日々』

  • 映画とは自身について語られることを欲望しているジャンル
    いはやは内田節全開。元大学教授で、専門はフランス現代思想ともなれば語り口はほほ〜んという感じで、あの時代の空気に触れ、エクリチュールに身を任せた人間なら楽しめると思います。

    かくいう私も前世紀から内田樹のブログの読者ですので、本書にも当時の「おとぼけ映画批評」で拝見した記事もいくつかあったような。

    一応、解説、評論、批評の形を取っていますが、これらは映画へのオマージュ、愛の表明に他なりません。満ち溢れたエネルギーは言葉の洪水となります。筆者自身、「言語によって映画の本質に肉迫することができるかもしれない。そんな期待を抱かせてくれる芸術ジャンルは他にありません。たぶん、僕たちが映画について語り止めることができないのは、そのせいだろうとぼくは思います」とあとがきで書いているんですから。

    映画は数多くの才能を引き寄せる磁場として、複数の作り手(「フィルムメイカー」)の夢見る糠床となる。いろんな手合いがそこに手を突っ込み引っ掻き捏ね繰り回すものだから、もはや誰のtasteであるのか分からないし、決めようがない。昔、角川春樹のメディアミックスという戦略で、“読んでから観るか、観てから読むか”というようなキャッチコピーがあったけど、読むのは原作本だけでなく「その映画について語られた無数の言葉」もまたその資格を持っているのではないか。
    筆者の言うように、僕たちのような「映画について語るもの」もまた「フィルメイカー」の一員として、その映画の構成要素の一つとして組み込まれている。だとしたらそれについてどこまでも知りたいと思うのは当たり前でしょ。なぜって、映画とは他ならぬ僕自身(=自己)なんだから。

  • 購読
    う〜ん、メモの合冊。

  • 見たことがある映画+ちょっと興味ある映画のところだけつまみ読み。
    読了としてよいものかとも思うが一応読了。
    それにしても、この人はなんでこんなタイトルにするんだろう。

  • ウチダタツルさん、読書に加えて映画まで。
    どうやったらこんなに大量のインプット・アウトプットが
    できるのだろう?

    で、映画評もひと味違っていて
    その映画からこんなことを考えるか?
    と意表をつくものばかり。

    西部劇からアメリカのジェンダー論を説くなど
    圧巻の映画論。

    映画を30分くらいで観られたらいいのに。

  •  積極的に読むつもりは無かったが、どうしても時間つぶしが必要な時があったため 何となく購入。先に『映画の構造分析』を読んでいたので、そこまでは期待していなかった。  しかし、確かにそこまででは無かったが、数行、数十行の批評の中になかなか興味深い話が 時々出て来るので、期待以上の内容であった。

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著者プロフィール

1950年東京都生まれ。神戸女学院大学名誉教授、神戸市で武道と哲学研究のための学塾凱風館を主催、合気道凱風館師範(合気道七段)。東京大学文学部仏文科卒、東京都立大学人文科学研究科博士課程中退。専門は20世紀フランス文学・哲学、武道論、教育論。 主著に『ためらいの倫理学』、『レヴィナスと愛の現象学』、『寝ながら学べる構造主義』、『先生はえらい』など。第六回小林秀雄賞(『私家版・ユダヤ文化論』)、2010年度新書大賞(『日本辺境論』)、第三回伊丹十三賞を受賞。近著に『日本型コミューン主義の擁護と顕彰──権藤成卿の人と思想』、『沈む祖国を救うには』、『知性について』など。

「2025年 『新版 映画の構造分析』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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