サイバー・テロ 日米vs.中国 (文春新書)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166608782

作品紹介・あらすじ

いまやサイバースペースは、陸、海、空、宇宙に次ぐ第五の戦闘空間になったといわれる。事実、日米と中国、台湾と中国、韓国と北朝鮮などの間で攻撃が激化しているのだ。日本は「サイバー戦争」時代の勝者となれるのか。

感想・レビュー・書評

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  • 2012年ごろまでの、情報セキュリティに関する米中、日本の動向など。
    インテリジェンスと情報セキュリティの融合、治安から国家安全保障までの間に広く横たわる情報セキュリティなど、なるほどと思う観点があった。
    この分野の入り口としては良い本だった。

  • 基本書。概観をつかむために。

  • 世界で何が起こっているのか。
    サイバー戦争の裏の裏が、垣間見えます。
    スリリングな一冊です。

  • 「第5の戦場」に比べると大雑把。

  • いろんなサイバー事件についてまとめて読める本。

    なんとなく全体像を抑えるという意味では読みやすいです。

    それぞれの事件の詳細を知りたいのであれば、もう少し調査が必要になってくるなあと思いました。


    (以上、ブログ全文です。)

    ブログはこちら。
    http://blog.livedoor.jp/oda1979/archives/4557362.html

  •  2012年から本年にかけて「なりすましメール事件」が世の中を騒がせたかと思えば、今年の3月には韓国で大規模な「サイバー攻撃」が行われ、確証はないが北朝鮮の関与が疑われている。
     本書は、そういう時に「サイバーテロ」の現状と実態の全体像を知ることができる本であると思った。
     「ネット」や「IT」などの新しい領域は、とにかくわかりにくい。
     本書で、それがもたらす変化と、それをどう受け止めるべきなのかを読むと、思ったよりも大きな影響をもたらすことがわかった。
     「戦争としてのサイバー攻撃」「アメリカにおけるサイバーセキュリティ」「地球規模のサイバー防衛」等は、もはや「社会」も「軍事」もネットやITを無視できるものではない状態であることがよくわかる。
     本書でとりわけ興味を引いたのは「日本の憲法上の制約」だ。「憲法9条と専守防衛の規定はサイバースペースにも適用されるのか」という論点には驚く。
     日本に社会が揺らぐような「サイバー攻撃」がなされた場合には、日本社会はどう対応するのだろうか。
     しかし、「攻撃者」」が国家とは限らず、テロ集団や個人だった場合は? そもそも「攻撃者」を特定することはできるのだろうか。
     最近の韓国での「サイバー攻撃」を見ても、犯人は容易に特定できるものではないようである。
     私たちは「大変な時代」に生きていることがわかるが、本書は全体像をやさしく紹介した入門書のようである。もう少し専門的な知見や驚くような情報が読みたいとも思えた。

  • 中国の実態については、人民解放軍の部隊を細かく説明しようと試みているが、やはり長年この分野を研究する筆者をしても不透明な部分がおおいと感じる。
    インターネットとそれが引き起こす覇権の移ろいは筆者の長年の研究テーマで、その分野の考察は本書でも簡単にふれられている。
    本書ではジョセフ・ナイの「ITがパワーの分散を引き起こし」「サイバースペースはパワーを平準化し、複雑にし、更にサイバーパワーと呼ばれる新しいパワーを生んだ。」という趣旨の言葉を紹介し、インターネットにより大国がもはや大国でなくなる危機感をしめしている。

    今後のシナリオとしては3つの道があげられている。
    1)政府主導でサイバースペースのノームが定められるというパターン
    2)CERT/CSIRTによる火事場対応の継続がやがて規範となるパターン
    3)国際協調が失敗し、民間(特にISP)がネットワークの安全性に責任をもつパターン。

    はなはだ先行きは不透明であるが、軍事とセキュリティがもはや不可分というのだけは覚悟しないといけない。

  • サイバー防衛に関する課題、今後の方向性をわかりやすくまとめた良書。米国、中国の動向も網羅するにとどまらず、現状のわが国の「情報セキュリティ」で欠けているアプローチについても一石を投じている。
    単に文献を分析するだけでなく、国境を越えて関係者に話を聞き、その空気感を伝えているところが、筆者の面目躍如たるところであり、ほかの「情報セキュリティ学者」と一味違うところだと思う。
    特に今回は中国。「中国におけるインテリジェンス活動を見ていると、どことなく、欧米にあるような後ろ暗さがない。」(P112から引用)という指摘は、まさに目からウロコの心境。まさに孫子、諸葛孔明を生んだ国ならでは、という印象だが、中国のCyber espionageをとりあげた最近の内外のシンクタンク調査報告、メディアの論調にこのような視点はあったのだろうか。

  • 自衛隊員(第五の戦場)、記者(サイバー時代の戦争)、研究者(本書)とそれぞれ違う立場で語られた3冊を合わせ読んで
    サイバーテロは既に始まっているという現実を認識し、慌てる事も、恐る事もなく、粛々と対策と予行演習を行えば来るべき事態に対応できる。
    備えあれば憂いなし。以下、引用省略

  • よくあるが、とくにまとめ方も気にせずに、雑に書かれた感がある。きちんと自分で取材等をしたり、自分の考えでまとめたという印象をまったく受けない。実際のところどうなのかわからないが、この著者は権威ある方なのか疑いたくなるような感情も覚えてしまう。いまいち。

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著者プロフィール

土屋大洋(つちや・もとひろ)編者
 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授(兼総合政策学部教授)
 慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、慶應義塾大学大学院法学研究科で修士号、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科で博士号取得。国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)主任研究員などを経て現職。2008年3月から1年間、米マサチューセッツ工科大学で客員研究員。2014年2月から1年間、米イースト・ウエスト・センターで客員研究員。2019年4月から日本経済新聞客員論説委員。2019年10月から2021年7月まで慶應義塾大学総合政策学部長。2021年8月から慶應義塾常任理事。第15回中曽根康弘賞優秀賞、第17回情報セキュリティ文化賞を受賞。主著に『サイバーセキュリティと国際政治』(千倉書房、2015年)、『暴露の世紀』(角川新書、2016年)、『サイバーグレートゲーム』(千倉書房、2020年)など。

「2022年 『ハックされる民主主義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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